BIG3ルーティーン

投稿者 : Andy Morgan

デッドリフト

スクワット、ベンチプレス、デッドリフトはウェイトトレーニングのBIG3と呼ばれます。この3種目とそのバリエーション種目は、全身の筋肉をバランス良く効率的に鍛えることができます。
この3種目の挙上重量を競うスポーツをパワーリフティングと言いますが、体重制限のあるウェイトカテゴリー内で競うパワーリフターを見れば、この3種目でいかに強くたくましい身体をつくることができるかが分かります。
筋力トレーニングのプログラムの中心に据えて長く使い続けて行くことができる種目ですが、このページではトレーニング初心者にオススメの基本プログラムと、実践上の注意点をまとめて紹介します。

BIG3ルーティーン解説

BIG3ルーティーンとは?

バカバカしいほどシンプルなのに素晴らしく効果的なプログラム。エネルギー、集中力、回復力をすべて、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの「デカい基本種目」に注ぐことがポイントで、初心者にガッツリ筋肉を付けてくれます。

BIG3ルーティーンのオススメ対象者

トレーニングを始めて間もない人はすべて対象になります。トレーニング歴は長くてもあまり効果の上がらない実践内容で筋力レベルの伸びていない人にも効果的です。
経験者がトレーニングをしばらく休んで、久しぶりに再開する場合にも使えます。
筋力・筋量の高い経験者は、トレーニングの目的に応じて他の種目も取り入れて行きますが、初心者は週3回のトレーニングで毎回3種目すべてする方が伸びが速いです。

BIG3ルーティーンの使いどき

筋力アップが目標の増量時、体脂肪ダウンが目標の減量時、同時進行が目標の場合にも使えます。

BIG3ルーティーン実践ガイド

プログラム概要

セット数・レップ数は固定したパターンを使います。ウォームアップが終わってメインセットに入ると、1セット目から最終セットまで同じ重量で同じレップ数を行います。
1つの種目のメインセットをすべて終えてから、次の種目に進みます。
基本設定は以下の通り。週3回、トレーニング日ごとにこの内容を繰り返します。

ウォームアップ

  • 筋肉の張りがあればフォームローラーでほぐす。
  • 必要に応じて軽い有酸素運動で身体を温める。

1種目目:スクワット

  • ウォームアップセット
  • メインセット 5回 x 5セット(セット間休憩90秒〜120秒)
  • 3分休憩(ベンチプレスに向けてリセットするのに必要なだけ)

2種目目:ベンチプレス

  • ウォームアップセット
  • メインセット 5回 x 5セット(セット間休憩90秒〜120秒)
  • 3分休憩(デッドリフトに向けてリセットするのに必要なだけ)

3種目目:デッドリフト

  • ウォームアップセット
  • メインセット 5回 x 5セット(セット間休憩90秒〜120秒)

クールダウン

  • 筋肉の張りがあればフォームローラーでほぐす。

重量設定ガイド

何kg挙げれば良いのか?

1回目のトレーニングでは、少し控えめに確実に5セット挙げきれる重量を使いましょう。余裕があれば次のトレーニングで重量を上げればOKです。
特に初心者の方は、初めの1ヵ月程度、とにかくフォームを覚えることに専念する時間が必要です。この間は限界ギリギリの重たいウェイトを挙げることや、ジムでカッコ良く見えるかは考えず、軽い重量で始めて、フォームが固まっていくのに合わせて、少しずつウェイトを上げて行くようにしましょう。

初心者の重量の決め方のヒント(Mark Rippetoe流)

初めてのトレーニングでは、5回を1セットを繰り返して、セットごとに少しずつ重量を上げていく。5回を挙げ切るのがギリギリのウェイトまで来た所で、その種目は終わって次の種目へ移る。
2回目のトレーニングでも同じ要領で、最後のセットで前回よりも少し重たいウェイトを挙げられるよう挑戦してみる。
3回目のトレーニングで、上の基本設定に移行する。2回目のトレーニングと同じウェイトを使って、各種目5回5セット挙げられるか挑戦する。

重量を上げるタイミング

フォームを崩すことなく5回5セット(もしくは他の設定回数)を挙げられたら、次のトレーニングで重量を上げる。

重量を下げるタイミング

2回以上続けて、目標のレップ数の10%以上失敗した場合、重量を落としましょう。5回5セットの場合は、合計で22レップが目安になります。疲れが溜まる最終セットのレップ数が問題になります。
スクワットの重量設定例を表にしてみました。(あくまでも例の数字です。)

トレ回数重量挙上回数結果次回の重量
1回目60kg5x5x5x5x5クリア次回重量アップ
2回目65kg5x5x5x5x5クリア次回重量アップ
3回目70kg5x5x5x5x32レップ失敗次回重量キープ
4回目70kg5x5x5x5x5クリア次回重量アップ
〜 中略 〜
22回目110kg5x5x5x5x5クリア次回重量アップ
23回目112.5kg5x5x5x4x33レップ失敗次回重量キープ
24回目112.5kg5x5x5x5x5クリア次回重量アップ
25回目115kg5x5x5x4x33レップ失敗次回重量キープ
26回目115kg5x5x5x5x23レップ失敗次回重量10%ダウン
27回目102.5kg5x5x5x5x5クリア次回重量アップ
28回目115kg5x5x5x5x5クリア次回重量アップ
29回目117.5kg5x5x5x5x5クリア次回重量アップ

重量の上げ方

身体が重量に適応できるよう、ウェイトは大きなジャンプをせずにゆっくりと段階を踏んで上げて行くようにしましょう。(身体の適応は筋肉だけでなく、腱・靭帯などの結合組織、神経系、骨密度なども含まれます。)
重量を上げるペースは人それぞれですが、一般的により多くの筋肉群を使うデッドリフトとスクワットではベンチプレスよりも大きな上げ幅を取れることが多いです。
このプログラムを始めてすぐの頃は、トレーニング日ごとにデッドリフトとスクワットでは5kg刻み、ベンチプレスでは2.5kg刻みでウェイトを上げられることが珍しくありません。その後、上の表でも見られるように、トレーニング記録を伸ばせるペースは少しずつ遅くなって行きます。

BIG3ルーティーンはいつまで使える?

これは遺伝、スタート時点での筋肉量、回復力によって変わります。回復力はカロリー収支、食品選び、睡眠時間、ストレスなどの要因によって変わります。
特に回復力は重要な要素で、筋力を伸ばして行くには、どこかのタイミングで種目によってボリュームや頻度を減らすなど、プログラムに変更を加える必要が出てきます。

ボリューム

まず考えてみる所が各種目のボリュームです。トレーニング記録が上がるにつれて背筋の筋肉痛がつらくなってくる人が多いので、デッドリフトを5セットから3セットに減らすのは一般的です。

各種目のトレーニング頻度

ボリュームを減らして、トレーニングごとに記録を伸ばせるようになればそれで良いですが、それでも伸び悩む場合は、スプリットルーティーンに切り替えて各種目の頻度を下げることを考える必要があるかも知れません。

大事な注意点

筋力アップと体脂肪ダウンの同時進行を狙ってスタートした場合、どんなにトレーニングプログラムを工夫しても、カロリー収支がマイナスの状態で筋力を上げ続けることはできません。解決策はシンプルに「食べること」だったりします。
初心者はスタートからしばらくは同時進行できることが多いので、このポイントを見逃してしまいがちですが、伸び悩んだら、増量か減量に目標を絞る必要が出てきます。

BIG3ルーティーンの長所と短所

良い所

  • とてもシンプルで間違える所がない。よく効く。
  • 初心者リフターがフォーム練習するのに十分なボリュームがある。
  • 不必要な飾りがなく、一番効果的な種目に集中できる。

痛い所

  • トレーニング環境を整えるのが難しいことがある。
    ジムにスクワットラックが無かったり(スミスマシンで代用はNG)、デッドリフトは禁止されていたりする。
    対策は、ジムを変えるか自宅にトレーニング用品を揃えること。
  • 正しいフォームを教えられるトレーナーが多くはない。
    対策はジムを変えてトレーナーを探すか、ビデオや本を使って勉強すること。

フォーム参考ビデオ

YouTubeには英語でフォーム解説をしてくれているビデオがたくさんあります。
特に正しいフォームを学ぶのが大切なスクワットとデッドリフトですが、タコライス研究日誌のBuckybeanさんが日本語訳を付けたビデオを作ってくれています。

スクワットフォーム紹介

デッドリフトフォーム紹介

翻訳:Buckybeanさん

ウェイトトレーニング種目の大半はYouTubeで見ることができますが、ビデオの数が多いのでクオリティもさまざま。
種目名と以下の名前を併せて検索したら、まず間違いなく良いものが見られます。

Mark Rippetoe / Eric Cressey / Tony Gentilcore / Bret Contreras / Jordan Syatt

BIG3ルーティーンのよくある質問

Q1. これで腹筋を鍛えられる?

BIG3の3種目すべてで腹筋は鍛えられています。アイソメトリック収縮といって、シットアップのように関節の曲げ伸ばしを伴わないので見落とされやすいポイントです。
例えばスクワットでは、バーベルの重量に負けないように、腹直筋・腹斜筋・脊柱起立筋などの筋肉が体幹部をまっすぐに保つ働きをしています。このテーマについては以下のページでより詳しい説明が読めます。

体幹トレーニングの落とし穴 →

Q2. BIG3をやらないとダメ?

怪我や可動域の問題など特別な事情がなければBIG3をされるのをオススメしますが、フロントスクワット、オーバーヘッドプレス、トップサイドデッドリフト、懸垂、ロウイング系種目など、段階的に負荷を上げて行くことができるコンパウンド種目ならほとんどなんでもこのルーティーンで使うことは可能です。

新しいトレーニング種目を覚えるとき、うまく身体を使えないのは自然なことです。急がずに練習して慣れるための時間を取りましょう。
身体の可動域や柔軟性の問題で向かない種目のある人は居ますが、稀なケースなので、「自分はできない」という理由探しをするより、とにかく練習してみる方が前進できるでしょう。

Q3. 懸垂かラットプルダウンを加えたいんだけど?

他の種目を足すのはガマンしましょう。懸垂は良い種目ですが、1回のトレーニングでBIG3にコンパウンド種目をもうひとつ加えると、回復が追いつかなくなる可能性が高いです。
BIG3を正しいフォームできっちり負荷を掛けてやると、3種目目のデッドリフトが終わる頃には懸垂なんて考えられない状態になることが多いと思います。

Q4. ウォームアップはどうする?

ウォームアップで疲れてしまわないように最小限を心掛けましょう。セット数・レップ数・使用重量に決まったルールはありません。身体が温まって、メインセットに向けて集中力が高まっているのを感じるようにしてください。

コメント欄でもう少し説明しました▽

その他の細かい注意点

  • トレーニング経験の無い人やブランクのある人は、ゆっくりとトレーニング生活に入って行くようにしましょう。
    トレーニングは日焼けのような物です。一日で真っ黒にならないように、ジムでも一気に重たいウェイトから始めようとしないことが大切です。
  • トレーニング中フォームが不安になったらムービーを撮って自分の動きをチェックしてみましょう。真横から撮影すると大事な所が客観的に見やすいです。
    定期的に撮影して、同じ重量でフォームの変化などを比べると理解が深まります。
  • セット間休憩は必要に応じて長く取っても良いですが、一旦決めたらストップウォッチやタイマーを使って一定に保つようにしましょう。
  • ジムの雰囲気がトレーニングに集中しにくかったら、音楽でテンションを上げるのも良いです。イヤフォンをしていると集中したいときに話し掛けられるのを防ぐこともできます。
  • トレーニング中にメールやFacebookのチェックはガマンしましょう。
  • 睡眠は8時間。しっかり寝られるよう工夫しましょう。

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イギリス出身のダイエットコーチ兼パーソナルトレーナーです。
日本に住んで12年。たくさんの人にお世話になり日本が大好きになりました。その恩返しに日本では情報の少ない欧米のダイエット方法と、数百人の英語圏のクライアント指導経験で得たノウハウを公開しています。
趣味はスノーボードと読書。コメントの返信は間違いのないように英語を使っていますが、東野圭吾の小説を読むのが好きです。テレビでは「相棒」と「クレヨンしんちゃん」のファンです。

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