AthleteBodyで指導をさせていただいている竹内選手が、2022年東京クラス別ボディビル選手権で優勝されました。今日はコンテストに至るまでの減量について少しだけご紹介してみます。
ボディビルは言わずと知れた肉体美を競う競技です。ボディビルコンテストで好成績を収めるためには、主に筋肉と体脂肪の量が重要になります。全身の筋肉をバランスよく鍛え、たくましいシルエットを作った上で、体脂肪をギリギリまで落とすことで、各部の筋肉の形をくっきりと浮かび上がらせることが求められます。
竹内選手は体脂肪をギリギリまで絞り込んだ身体が評価されました。東京クラス別はレベルが高い大会ですが、 竹内選手の出場した75kg級は最も選手層が厚い階級で、コンテストは熱戦になりました。
写真提供:文。様
その中でも、優勝した竹内選手の身体の仕上がりは確かなものでした。多くの競合選手と並んで勝ち切れるコンディションを作った秘訣は、あらかじめ計画を立てて減量を進めたことにあります。
減量の計画を立てるとは、あらかじめ何をするかを決めておくということです。減量にかける期間、体重を減らす幅、体重を減らすペース、1日の食事量といったことを決めて減量を進めました。
こういうことを減量に入る前にハッキリさせておくと、感覚に頼らずに体脂肪を落としやすくなります。
例えば、減量中の選手は、コンテストまでに体脂肪を落とし切ることができるか不安を抱えていて、自分の身体の変化が常に気になっているものです。思うように体重が減らない日が続いたり、身体がむくんだりすることがあると、過敏に反応してしまいがちです。こういうとき、自分の感覚に頼って減量を進めていると、必要以上に食事量を減らしたり運動量を増やしたりしたくなってしまう選手が多くいます。
食事制限による空腹やトレーニングよる疲労はもちろんありますが、それ以上に減量を成功させたい、失敗したくないという気持ちが強く、できることはなんでもやるという気持ちになるのです。しかし、衝動的に何かを取り入れても、結果が好転するとは限りません。
竹内選手は、減量期間全体の進め方を計画していたので、多少思うように進まない日があってもブレることなく一定のペースで減量を進めることができました。
減量計画はどうやって立てる?
減量計画の立て方をカンタンに紹介します。
まずは、目標体重を決めます。これは計画を立てるために最も大切です。
減量のゴールを数字で定めると、体重をどれくらい落とさなければいけないかが決まります。そして、急いで減量を進めたとしても体重を落とすペースには限度があるので、目標達成までどのくらいの時間がかかるか概ね見積もることができます。
減量に必要な時間が分かると、コンテストの日から逆算して減量開始のタイミングを決められます。コンテストに出たいわけではなく、例えば夏までに腹筋を割りたいような場合でも、夏間近で焦って減量を始めるといったことも避けられます。
目標体重を決めるには、「現時点での体脂肪率」と「目標の体脂肪率」を見積もるのがオススメです。下の計算機を使って体脂肪率の推定値を出すことができます。
- ステップ1
身長(cm)と体重(kg)を入力。 - ステップ2
首まわりとお腹まわりのサイズ(cm)を入力。
(首まわりは一番細いところ、お腹まわりは力を抜いた状態でおへその位置を測定してください。) - ステップ3
体脂肪率の推定値が自動計算されます。
この計算機は男性のみに対応しています。女性リフターのみなさん、すみませんm(_ _)m
これはアメリカ海軍で開発された方法で、多くの場合で±3%程度の範囲で体脂肪率を推定できます。一般人が手軽に体脂肪率を使えるものとしては、AthleteBodyで知る限り最も誤差を小さくできる方法です。
この計算機の使い勝手が良くなければ、おそらく精度は下がってしまいますが、ジムに置いてあるような比較的高級な体組成計で測定するのも良いかもしれません。身体の見た目から体脂肪率を推し量る方法も取れなくはありません。
体脂肪率を100%正確に測定できる方法は存在しません。どの方法を使っても誤差が出るので、体脂肪率を使って減量の進捗を測ろうとするのはオススメしません。ただ、減量計画を立てるときには、多少の誤差があっても大まかな推定値を出せれば大丈夫です。
竹内選手の場合には、減量開始時点の体形から体脂肪率が約20%だろうと推定しました。
ボディビルダーがコンテストに臨むときには、人間として体脂肪を落とせる限界ギリギリまで絞り込むことになりますが、体脂肪率にするとおおよそ5%になると言われます。
減量開始時点での体重が88kgだったので、体脂肪を14〜15kg程度落とすことになりました。これを踏まえて減量期間の取り方や毎月の減量ペースを決めていったということです。
これを踏まえて竹内選手の場合は、減量期間を7ヶ月取り、1ヶ月に平均2kgのペースで体重を落とすことにしました。1ヶ月に2kgというのは減量ペースとしてそれほど速くありません。
無理のないペースに設定することで継続しやすくなったり、筋肉が落ちるリスクを抑えたりするメリットが期待できます。
減量期間を7ヶ月取るために、東京クラス別が行われる日から逆算して12月に減量を始めてもらいました。
無理のないペースに設定したことで減量の身体的負担はいくらか軽くなりました。また、減量がうまく進んでいるかを計画に照らして確認することができるので、減量中に不安になって精神的ストレスを溜めることも避けられたと思います。
結果的に、コンテストまでに確実に体脂肪を落とし切ることができました。
キツいものはキツい
減量計画を立てると、確実にコンテストまでに絞り切りやすくなるというメリットがあります。竹内選手は確実に計画どおりに減量生活を続け、見事な仕上がりを見せてくれました。しかし、減量計画があっても減量そのものが楽になるわけではありません。
食事制限による空腹感をゼロにすることはできませんし、減量ペースを速く設定すると厳しくなるのは変わりません。特に減量終盤に体脂肪が落ちてくると倦怠感に苦しむ場面も多くなっていくものです。
ただ、減量が思うように進まなかったり、順調に進んでいるのか判断がつかないことでストレスを感じている人がいれば、試してみる価値はあるのではと思います。
コンテストコーチング受付中
コンテストに向けた準備期間には、今回紹介した減量計画の他にカロリー摂取量を決めたり、トレーニング内容の調整などが必要になります。もしご自身で成功させられるか不安に感じられていれば、AthleteBodyでパーソナルコーチングを承ることもできます。お受けできる人数に限りがあるので、ご興味のある方は早めにお問い合わせください。
はじめまして!
筋トレ歴3年目の26歳です。
今年初めて8月のコンテストへの出場を予定しているのですが、絞り切ることに懸念があります。
本橋さんにコンテストコーチングを依頼させていただきたいと考えているですが、予算はどの程度を見積もっておけばよいでしょうか?
想定より高額なのやはり辞退します…ということになると大変失礼にあたると思い、申し込み自体憚られます。
もちろん、期間や人によって左右することは承知しておりますが、ザックリとした予算をご教示いただけますと幸いです。
五十六さん、コメントありがとうございます。私の減量指導に興味を持っていただけて嬉しいです。
コーチング料金については、まず指導をお受けできるか判断をさせていただいた後にご案内しています。
もしよろしければこちらのページよりお問い合わせください。
五十六さんとお話するのを楽しみにしております!