トレーニングプログラムの選び方

投稿者 : Andy Morgan

トレーニングプログラムの選び方 AthleteBody.jp

ここまで数種類のトレーニングプログラムを紹介しました。各プログラムの詳細はそれぞれの記事で確認してもらえますが、今回は、実際に自分に合ったプログラムを選んで実践するためのガイドをまとめました。
トレーニング経験や目標、身体の回復力など、どういう状況でどのプログラムが適しているのか、どういう変更を加えるべきか、いまの自分には何が必要なのかを考えるヒントにしてもらえればと思います。

減量期間(カロリー収支マイナス時)

トレーニング初心者・経験者に関わらず、減量中はリニアプログレッションと言われるタイプのプログラムが向いています。
リニアプログレッションとは、日本語にすると「直線的な進め方」というような意味になります。ここまでに紹介した中では、BIG3ルーティーンスプリットルーティーンが当てはまりますが、できる限り同じ挙上重量をキープするか、少しずつでも増やしていくことがポイントになります。

初心者のスタート地点

トレーニングを始めてしばらくは、食事量(カロリー収支がプラスかマイナスか)に関係なく筋力を上げる事ができます。
初心者には、BIG3ルーティーンのように、トレーニング日ごとに同じ種目で全身を鍛えるプログラムが適しています。この段階では、あまり複雑な内容にせずに、基本になる種目に専念してフォームを身体で覚えるのが大切です。
また、トレーニングで全力を出し切ることができておらず、その分身体の回復も早いので、トレーニング内容を分割する必要もありません。
自分はトレーニング初心者だなと思う方は、まずはここから始めましょう。

BIG3ルーティーンへ →

この記事の続きはもう少し先に読んでもらえれば大丈夫です。

初心者の先への進め方

トレーニングを続けて各種目の動きに慣れ、扱う重量が上がってくると身体に掛かる負担も大きくなって行きます。身体が十分に回復できるようにトレーニング内容も調整が必要になってきます。
BIG3ルーティーンからスタートした場合、まずはデッドリフトのボリュームを少し削るだけで大丈夫なことも多いです。
そこからしばらく続けると、いよいよトレーニング内容を分割していく必要が出てきます。2種類のメニューをトレーニング日ごとに交互に繰り返すA/Bスプリット、そしてさらに3種類のメニューに分割するA/B/Cスプリットと進めて行くのは有効なパターンです。

BIG3 5×5 ▷ BIG3 省ボリューム版 ▷ A/Bスプリット ▷ A/B/Cスプリット

種目の選び方・ボリューム設定など、実際にどういう組み立て方をすると良いのかは、経験値や回復力によって変わってきますが、この記事でプログラム例を挙げて紹介しています。

BIG3からスプリットルーティーンへの移行 →

経験者の減量時

上記の4つはすべてリニアプログレッションプログラムで、減量中の経験者も、これをベースにして効果的なプログラムを作ることができます。
減量中もフォームを崩さない範囲で、できるだけトレーニング記録を伸ばすように頑張りましょう。しかし、減量中に筋力を上げるのには限界があり、経験者はどこかで伸び止まります。
A/BスプリットとA/B/Cスプリットでは、リバースピラミッドトレーニング(RPT)が有効です。セット数・レップ数の設定方法のひとつで、ボリュームを抑えて高強度のトレーニングをしたいときに適しています。一般的な回数設定よりも複雑にはなりますが、これもリニアプログレッションの一種です。
高重量でフォームが乱れない自信があれば、RPTを取り入れて少しでも記録を伸ばせるかも知れませんが、減量中は必ず目に見える成果(重量アップなど)があるとは言えません。

リバースピラミッドトレーニングへ →

RPTを使ったA/B/Cスプリットまで分割して記録が伸びなければ、さらにデロードやピリオダイゼーションなどの複雑なプログラミングの手法を用いてもあまり効果は上がりません。ここで不足しているのはプログラムの複雑さではなく、カロリーです。

減量中は高強度・低ボリューム

減量中にトレーニング記録が伸びなくなったら、記録の維持に専念しましょう。カロリー制限で身体の回復力は落ちています。疲れが溜まるのを避けるため、トレーニングのボリュームは筋力を維持できる範囲で最少にするのが、おそらくベストでしょう。
トレーニング歴の長い上級者は、これまでの蓄積で高いワークキャパシティを持つ人が多いですが、減量中はやはりボリュームを抑えた方が良いことが多いです。
必ずしもここに紹介する型にハマらなくても良いですが、筋量維持が目的の場合、週3回以上トレーニングが必要になるのは考えにくいです。ただ、毎日のようにトレーニングするのが普通になっている人は、週4回として極端な変化を避ける方が精神的に良いことはあるでしょう。

体脂肪の多い人は話をややこしくする

同じ減量中でも、体脂肪率の高い人と低い人では話が違います。肥満体形の人は、テーブルに並ぶ食べ物が少なくても、身体に蓄えた体脂肪からエネルギーを取ることができます。つまり、同じだけカロリー収支のマイナス幅を取っても、身体の回復に使えるエネルギー量が違うので、減量中にできるトレーニング内容も変わってきます。
体脂肪が高い状態で減量を始めて、リニアプログレッションのA/B/Cスプリットルーティーンで筋力が伸び悩んだとします。通常なら、上記のように高強度・低ボリュームの内容で記録の維持に専念するところですが、グレッグのゲスト記事にあるようなピリオダイゼーションを取り入れても効果的かもしれません。
増量時に比べるとこなせるボリュームが低くなるのは避けられませんし、ワークキャパシティには個人差があるので最終的には試してみないと分かりませんが、少し重量を落としてボリュームを上げる設定に変えてもおそらく筋量維持は可能でしょう。

ピリオダイゼーション(初心者を抜けてからの筋力トレーニング)→

減量中の推奨プログラム早見表

 初心者中級者上級者肥満者
BIG3 5回 x 5セット
BIG3 省VOL版
A/Bスプリット
A/B/Cスプリット×
ピリオダイゼーション×××

増量期間(カロリー収支プラス時)

上記のプログラムはすべて増量中にも使えます。減量期間を終えると、トレーニング内容を切り替えたくなる物ですが、そのままの内容でも食事量が増えるだけで筋力・トレーニング記録が伸び始める人が多いです。
複雑なトレーニングプログラムの話は読んでいておもしろいかも知れませんが、できるだけ長くリニアプログレッションのプログラムで筋力を伸ばせた方が良いです。そうすることでトレーニングを不必要に複雑にせずに済みます。
食事量を増やしたり、トレーニングの分割を細かくすることで筋力を伸ばせなくなったら、ピリオダイゼーションを取り入れるタイミングと考えましょう。

ピリオダイゼーションって?

数週間ごとなどの単位でトレーニングを期間分けして、実践内容を変えて行くことを言います。「初心者を抜けてからの筋力トレーニング」という記事に詳しい解説を掲載していますが、ざっくりと考え方をまとめておきます。

ワークキャパシティ ピリオダイゼーション AthleteBody.jp

  • トレーニングで身体に掛かるストレス(蛇口から流れ込む水量)が、身体の適応を引き起こすのに十分で、かつ身体が回復できる範囲内に納まっている間はリニアプログレッションのプログラムで筋力を上げ続けられる。
  • いずれ身体の回復が追い付かなくなるので、リニアプログレッションで永遠に筋力を上げ続けることはできない。
  • これまでのトレーニングのボリュームが低く、ワークキャパシティ(シンクと排水口のサイズ)が小さいことが、筋力アップを妨げる主な要因になっている。
  • ワークキャパシティを上げるには、扱う重量を上げるのではなく、1回ごとや1週間あたりでのトレーニングのボリュームを上げるようにする。重量は一旦落とすが、数週間掛けてボリューム(セット数・レップ数)を増やすことで、ワークキャパシティを上げる。その後、ボリュームを落としながら重量を上げていき、自己ベスト更新を狙う。

増量中の推奨プログラム早見表

 初心者中級者上級者
BIG3 5回 x 5セット××
BIG3 省VOL版×
A/Bスプリット×
A/B/Cスプリット×
ピリオダイゼーション×

筋力のオマケの話

減量中は可動域が広がるのでトレーニング記録の変化に注意

右手を左の脇の下に回して、背中の(広背筋に被る)脂肪を掴んでみて下さい。減量期間中には、この脂肪が燃えることを覚えておきましょう。もちろん、腕も脚も脂肪が落ちます。
バキバキに絞れると、筋肉のカットがハッキリ見えるので迫力のある身体になりますが、脂肪が落ちるので胸囲や腕のサイズは小さくなります。
経験者・上級者が減量に入るときには、筋力を維持するのを目標にしましょうという話をします。これが筋量を維持できている良い目安になるからですが、実際には脂肪が落ちることで可動域が広くなり、物理的に同じトレーニング記録を出すのが難しい条件になっていきます。ベンチプレスを例にすると分かりやすいですが、脂肪が落ちるほどバーベルの移動距離が長くなるので、同じ重量で同じレップ数でも仕事量は大きくなります。

  • 5〜10%程度の記録ダウンは珍しくありません。(減量幅の大きさによります。)
  • BIG3ではスクワット、デッドリフトよりもベンチプレスが影響を受けやすいです。
  • スクワットとデッドリフトにどの程度影響が出るかは、手足の長さによって変わります。

つまり、同じ筋力なら記録は下がるのが自然で、必ずしも筋肉が落ちたというワケではないというのがポイントです。逆に、例えば10kg減量して、トレーニング記録を維持できていれば筋量が上がったと考えることもできます。

トレーニング記録の数字でプログラムは決められない

初心者・中級者・上級者をトレー二ング記録でレベル分けするための数字がいろいろありますが、これはプログラム選びや変更のタイミングを考える目安には使えません。(初心者・中級者なんて同じ言葉を使うので紛らわしいですが、別物と考えて下さい。)
初心者向けプログラムを使ってどこまで筋力を伸ばせるかは個人差が大きいです。同じトレーニングでスクワット500lbs以上まで行ける人も居れば、200lbsに届く前に行き詰まる人もいます。
自分でコントロールできる要素(睡眠・ストレス・食事の質・トレーニング環境 etc.)を押さえた後は、どうしようも無い要素(年齢・遺伝 etc.)が物を言う部分が大きいです。自分の持てる物を最大限活かし、後は悩まないようにしましょう。

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イギリス出身のダイエットコーチ兼パーソナルトレーナーです。
日本に住んで12年。たくさんの人にお世話になり日本が大好きになりました。その恩返しに日本では情報の少ない欧米のダイエット方法と、数百人の英語圏のクライアント指導経験で得たノウハウを公開しています。
趣味はスノーボードと読書。コメントの返信は間違いのないように英語を使っていますが、東野圭吾の小説を読むのが好きです。テレビでは「相棒」と「クレヨンしんちゃん」のファンです。

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