「8時間ダイエット」のウソ

投稿者 : 八百 健吾

8時間ダイエット「8時間ダイエット」というダイエット法が注目を集めています。アメリカに「メンズヘルス」という世界最大のフィットネス雑誌がありますが、この雑誌の編集者が書いたダイエット本が発信源で、彼が研究者たちの協力を得て自ら開発した新しいダイエット法ということになっています。
当サイトで紹介しているリーンゲインズというダイエット法に酷似した内容で、アメリカでは少し前から物議をかもしていました。
最近になって日本でも女性向けのダイエットサイトなどで取り上げられることが増えていますが、もとの本が英語ということもあり、全容を捉えた紹介が少ないのも事実です。
ひとことで言えば「タチの悪い販売戦略」なのですが、実際にこの本に書かれているダイエット法のキーポイントを紹介して、一体どういうことなのか、リーンゲインズと何が違うのかを見ていきたいと思います。

8時間ダイエット実践方法の概要

1日8時間、好きなものを好きなだけ食べる

食事を摂るのを1日8時間にして、残りの16時間は何も食べない。16時間の断食中にどんどん脂肪が燃えるから、カロリー計算は必要なく、好きなものを好きなだけ食べて大丈夫。
毎日が苦しければ、週3日くらいでも結果は出てくる。

8種類の「スーパーフード」から1日2種類食べる

ダイエットの効果を伸ばし、健康に良い8種類の魔法の食べ物がある。1日2種類ずつくらい食事に取り入れるようにしよう。

① 卵と脂身の少ない肉
② 乳製品(ヨーグルト etc…)
③ ナッツ(ピーナッツ・くるみ etc…)
④ 豆類
⑤ ベリー(いちご・ブルーベリー etc…)
⑥ 色の明るい果物(りんご・オレンジ etc…)
⑦ 穀物(玄米・全粒粉パン etc…)
⑧ 緑の葉野菜

1日8分間、軽い運動

この食生活のおかげで脂肪燃焼や筋肉の成長が速くなっているから、長時間キツい運動をしなくても大丈夫。1日8分間、自分の体重を使った種目で軽い運動をすれば十分。

実際どうなのか?

8時間ダイエットの要点は上記の通りです。
実際どういうことなのか解説をしながら当サイトの考えを紹介したいと思いますが、ここまで読んでバカバカしくて笑ってしまった方がいれば、当サイトは良い読者さんに恵まれていると思います。

体重減はカロリー収支

基本的にどんなダイエットでも栄養管理の重要ポイントは変わりません。
サイト内の他のページでも話していることですが、体重の増減はカロリー収支で決まります。三大栄養素の摂り方によって筋肉と脂肪の付き方に影響しますが、食事タイミングの重要度はずっと小さくなります。

食事を8時間以内に納めるために朝食を抜いたとすると、結果的に1日のカロリー摂取量が少なくなることが多いです。8時間ダイエットを実践して体重が減るとすると、これが最大の要因です。
8時間なんでもかんでも食べたいだけ食べて、16時間の断食がすべて無かったことにしてくれるなんてことはあり得ません。
利点があるとすれば、1回あたりの食事量が多くなり、食べ物を選ぶ幅が広がったり、空腹を感じにくくなったりすることでしょう。

1日8分の軽い運動では何も起こらない

1日8分の軽い運動では、脂肪が落ちるというレベルのカロリー消費にはなりませんし、筋肉が付くということもありません。

リーンゲインズでは、食事管理と高負荷のウェイトトレーニングをセットで行いますが、これがダイエット中の筋量維持にとても重要です。トレーニングに合わせて三大栄養素の摂取量を調節することで、限られたカロリー摂取量の中で筋肉の回復を進めたりホルモンバランスの悪化を避けたりしていきます。

本当に効くウェイトトレーニングはシンプルですが、マジメにやるとものすごくキツいので、この「8時間ダイエット」のルールには入らなかったんでしょう。でも、8分間の軽い運動では何も変わりません。
ウェイトトレーニング無しでカロリー収支がマイナスになると、脂肪と共に筋肉が落ちて行くので、体重計の数字は減りやすくなります。体重だけを見て「成果が出た!」と考える人もいますが、決して良いダイエットとは言えません。

リーンゲインズのパクリ商品

2007年にリーンゲインズ考案者のマーティン・バークハンが初めて1日の食事を8時間以内にするという方法を紹介しました。

この本の著者は「20年もフィットネス業界のいろんな食事法やトレーニング法を自らチェックして、実践してきた」と語っています。彼がここ数年のインターミッテント・ファースティング(短時間の断食を伴う食事法)の人気に気付かなかったとは考えられません。
その中でも特に目立った結果の出ていたリーンゲインズから、ウェイトトレーニング、栄養素管理、カロリーサイクリングなど努力の必要な部分を切り落として、「魔法のように手軽なダイエット本」に仕立て上げたのでしょう。

世界最大のフィットネス雑誌という発信力で「8時間ダイエット」は多くの人に注目されていますが、マーティンやリーンゲインズにまったく言及することなく、まるで自らの発明かのような語り口にはあきれてしまいました。

当サイトのようなディープな内容に興味を持たれている方は大丈夫かと思いますが、ダイエットに詳しくない方があまり惑わされたり、踊らされてしまわないように願っています。

追記:8時間ダイエットを知っていた人、知らなかった人からおもしろいコメントをもらいました。

2014/1/21追記「日本語版発売」

8時間ダイエット

この記事を書いたのが2013年3月。その後テレビで取り上げられた影響もあって、2013年5月、6月にはたくさんの人が見に来られました。
こういうイイ加減なダイエット法は一過性のもので、すぐに落ち着いたと思っていたのですが、2014年1月になってやたらとアクセスが増えたので、調べてみたら日本語に翻訳されて本が発売されているようです。
英語版を読んでウンザリしているので、読んでみる気も起きませんが(-_-;)
もし、周囲で「8時間以内ならカロリーもカンケーない?!」とヌカ喜びしてしまっている人が居ればこの記事を紹介してもらえればと思います。

2014/7/10追記「日経ヘルス 取材後記」

日経ヘルスという女性向け雑誌から8時間ダイエットに関する企画のため取材協力を申し込まれました。
日経ヘルスに限らず、日本語で読める8時間ダイエットに関する情報は、すべて雑誌の売り上げ増やサイトのアクセス増が目当ての無責任な販売戦略です。
どういうことか気になる方は、取材時に交わしたメールのやり取りをこちらのページで公開しています。ダイエット業界の残念な一面が垣間見れます。

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八百 健吾

サイト内で紹介する外国人トレーナーなどの記事の日本語訳を担当しています。
語学分野で5年、フィットネス翻訳者として5年、英語に携わる仕事をして10年になります。英語で得られる情報はとても幅が広いです。言葉の置き換えではなく、多くの人にメッセージを届ける架け橋になるべく日夜あたまをひねっています。
アンディと本橋とチームで内容充実のサイト作りをしていきます。ご期待ください^^

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イギリス出身のダイエットコーチ兼パーソナルトレーナーです。日本に住んで12年。日本が大好きになりました。 欧米のダイエット情報と数百人の英語圏のクライアント指導で得た経験を日本に広めるためノウハウを公開しています。
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