前回の記事で、全身を鍛えるための主なトレーニング種目を4つの動作パターンに分類して紹介しました。その中に含まれていなかったのが体幹を鍛えるためのトレーニングです。
体形改善のためのトレーニングで、シックスパックなどの具体的な目標がある場合も、トレーニングを始めて間もない内は腹筋に特化して鍛えるよりも、BIG3などのコンパウンド種目で全身を鍛えていく意識を持つことの方が重要です。複数のコンパウンド種目を組み合わせることで、腹筋を含め体幹も鍛えられます。これについては過去に記事(ココとココ)を掲載しています。AthleteBody.jpのパーソナルコーチングでも、体幹に特化した種目を一切行わずに割れた腹筋を手にしているクライアントさんは少なくありません。(例えばコチラ)
ただ、ある程度の経験のあるトレーニーが、さらに体幹強化を図りたい場合には、それに特化したトレーニングを取り入れる意味が出てきます。今回は体幹の安定性を高めるためのトレーニング種目をBret Contrerasが一覧にした記事を翻訳してご紹介します。
ちなみに腹直筋の筋肥大に特化する場合には、トレーニング種目の選択が変わってきます。腹筋の割れを強調したい中級・上級トレーニーの方には、コチラの記事もあわせてお読みください。
=== ここから本編 ===
ここ10年くらいフィットネスの世界では、体幹トレーニングが大流行りです。体幹トレーニングは適切に使えば有効なので、注目を集めるのは一理あります。
脊椎を安定させた状態で股関節を使った動きを覚えることは、新しくトレーニングを始める人にとって非常に重要です。ただ、初心者にも取り組みやすいお手軽な体幹のトレーニング種目を知っているトレーナーは多くいますが、さらにレベルの高いトレーニーに向けた体幹トレーニングとなると、あまり馴染みのない人も少なくありません。例えば、単純にプランクを行う時間を延ばすことで負荷を上げ、トレーニング効果を上げようとする人が多くいます。これで筋持久力は伸ばせますが、筋力や筋パワーを伸ばしたい場合にはどうすればいいのでしょうか?
高重量を使ったトレーニングや、爆発的な動きを伴うスポーツでは、体幹に高い筋力や筋パワーが備わっていることが重要になります。
この記事では、初心者を卒業したトレーニーが体幹強化に使えるトレーニング種目や、定番種目をもう少しやりごたえのあるものにするための方法を紹介していきます。
体幹とは?
トレーニング種目に入る前に、まずは体幹について話しておきましょう。
体幹とは、腹部の筋肉群、腹斜筋、脊柱起立筋、臀筋群、股関節の屈筋群、広背筋、内転筋群など、胴体の筋組織全体を指します。
そして、体幹は肩関節、肩甲骨、脊椎、骨盤、股関節の動きに影響を与えます。脊椎について言うと、屈曲、伸展、側屈、回旋というそれぞれの動きを体幹の筋肉が生み出したり、逆にこういった動きが出ないよう抵抗したりしています。
また、体幹は上半身から下半身へと力を伝える役割も果たしています。
私がBrad Schoenfeldと体幹トレーニングについて網羅的にカバーした記事(英語)もあわせて読んでもらえればと思いますが、体幹をしっかり鍛えようと思うと、クランチとレッグレイズを2~3セットすればOKというわけではないということです。
実際に体幹全体を鍛えられていないことで、トレーニングの成果が十分に出せていないトレーニーが多くいます。確かに、すでにスクワット、デッドリフト、ヒップスラスト、懸垂、プレス、ロウといったトレーニング種目を実施していれば、体幹に特化したトレーニングに必死にならなくても構いませんが、それでも足りない部分を補うためのトレーニングは必要になります。
体幹をスキなく鍛えていくには、動きに関わる関節、それぞれの関節の動き方、力を出す方向などを考慮する必要があります。体幹の安定性を高めたい場合には、身体が動きに抵抗する力を高めるトレーニングを行うということになります。
アンチローテーションホールド
身体を回転させようとする力に抵抗する能力を鍛えるトレーニングです。スモウスタンスで、バンドを使って行います。スモウスタンスで足幅を広く取ることで安定性が上がるので、大きな負荷を使いやすくなります。セットの最後まで身体が傾いたり、ねじれたりしない範囲でできるだけ大きな負荷を使うようにしましょう。
まず、しっかり安定した物にレジスタンスバンドを固定します。パワーラックがオススメですが、マシンでも大丈夫です。個人の筋力レベルによって使うべきバンドの強度は変わりますが、バンドが弱すぎる場合には、少し距離を取ってバンドを伸ばせば負荷を上げられます。
パワーラックに固定したのと反対側の端をダブルオーバーハンドグリップで握ります。
自分の狙った負荷が得られるところまでラックから距離を取り、スタンスを決め、ヒザを軽く曲げて、しっかり力を出せるよう姿勢を正します。体幹部は直立した状態で、手を胸の前に持ってきます。
脊椎をまっすぐに保ったまま、ヒジが完全に伸びるまで両腕を前に押し出します。腕をまっすぐに伸ばしたときに、腕とバンドの角度が90度になるくらいを目安に位置取りしましょう。
回数を設定しても良いですし、時間を設定して行うのも有効です。1セットあたり10〜20秒で2〜3セットというような設定が考えられます。このトレーニング種目はケーブルを使って行うこともできます。
加重RKCプランク
RKCプランクは、通常のプランクと見た目には小さな違いがあるだけで、とても似ています。ヒジの位置を前に出したり、腕や足の間隔を狭めると身体を安定させにくくなるのでキツくなります。また、大臀筋を収縮させて骨盤を後傾させることで、体幹前面の筋肉群を強く働かせることができます。
背中にウェイトプレートを載せることで強度を上げていくことができます。プランクの姿勢を保つ時間を伸ばすよりも、負荷を上げるか、身体の使い方を変えることで強度を上げていきます。1セットあたり10~20秒で2~3セットというような設定が考えられます。レベルの高いトレーニーでも、時間は20秒程度までとするのがオススメです。
ホローボディホールド
ホローボディホールドは見た目はとてもシンプルですが、正しく行うととてもキツいトレーニング種目です。
ホローボディホールドでは、身体を伸ばされないように抵抗する力が鍛えられます。反復回数ではなく時間を設定して行います。1セットあたり15~30秒を2~3セット、週1〜2回で十分なトレーニング効果を得られます。
仰向けに寝て、脚をまっすぐ伸ばして、腕は頭の上で伸ばします。この姿勢から、脚と腕を浮かせて、下背部を地面に押し付けます。腰椎をまっすぐにして、体幹に力を入れます。体幹前面の筋肉群をしっかり使って身体を伸ばそうとする力に抵抗するため、腕や脚を少しだけ浮かせるのがコツです。腕と脚を高く挙げすぎると、負荷が下がり、十分にトレーニング効果を得られなくなります。
デッドバグ
デッドバグは、身体を伸ばす力に抵抗する体幹トレーンニング種目として代表的なもののひとつです。ただ、デッドバグをそのままやっても、レベルの高いトレーニーには十分な負荷にならないので、少し工夫が必要になります。
動きをゆっくりにして、腕と脚を伸ばした位置で静止し、息を吐き切るようにするとキツくなります。しかし、しばらくするとこれでも十分でなくなる人が多いです。自分の体重だけでは物足りなくなったらウェイトを使って負荷を上げていきます。
足首に巻き付けるアンクルウェイトがあれば使っても良いですが、たいていは腕の方がまず負荷不足になるので、手にウェイトを持ちましょう。2.5kg〜5kgでほとんどのトレーニーにとって十分な負荷になりますが、動きをコントロールできていれば、さらに重たくしても構いません。両手にダンベルかウェイトプレートを持って、片方の腕とその反対側の脚を地面に着く手前まで下ろしていきます。息を吐き、スタート位置まで戻り、反対側の腕と脚を下ろしていきます。
デッドバグが十分なトレーニングになるかはトレーニー自身にかかっています。なんとなく流れ作業になってしまうと、特に体幹を使うことなくできてしまいますが、マジメにやると身体を伸ばす力に抵抗するトレーニング種目の中でも特にキツい部類に入ります。
脊椎の過伸展や骨盤の前傾が起こらないように、しっかり身体を引き締めて行いましょう。腰椎は床にべったり着けるのが良いと思いますが、脊椎も骨盤もまっすぐニュートラルな状態を好むトレーニーも多いです。片側5〜10回×2〜3セットを週1〜2回くらいがオススメです。
ランドマイン
ランドマインでは、バーベルによって脊椎に対して回旋トルク、屈曲トルク、側屈トルクが掛かります。体幹の筋肉群を使って胴体が動かないように抵抗する力が鍛えられます。体幹強化に効果的なだけでなく、心拍数もかなり上がる楽しいトレーニング種目です。
ランドマインを行うには、バーベルを固定する必要があります。専用の器具が使えない場合には、部屋の角にバーベルの端を押し付ける形でも行えます。
両手を重ねるか、となり合わせにしてバーベルの固定していない方の端を握ります。グリップが決まったら、前腕とバーベルの角度を90度にします。どのくらい距離を取るかは腕の長さや身長に応じて調整します。
しっかり踏ん張れる足幅を取り、体幹を引き締め、完全にヒジをロックさせない程度に腕を身体の前に伸ばします。ヒジを伸ばしたまま、バーベルを一方の股関節に向けて下ろします。バーベルとの距離を保ったままスタートの位置まで戻り、反対側にバーベルを下ろします。
この動作の中で主に動くのは肩になります。脊椎を動かさずに安定させるため体幹を引き締めて、バーベルの重量に振り回されないようにしましょう。
この種目のバリエーションとして、股関節を曲げてバーベルのまわりを回ったり、器具があればバーベルを2本使って行うこともできます。10回×2〜3セットを週1〜2回行えば十分でしょう。
腹筋ローラー
プランクや、スタビリティボールを使ったロールアウトを行うのに十分な筋力ができれば、次のステップとして腹筋ローラーが効果的です。腹筋ローラーは、体幹を伸ばされないように抵抗する力を鍛えることができ、ローラーにレジスタンスバンドを加えることで負荷を上げることも可能です。
まず、なにかクッションになる物の上にヒザをつきます。腹筋ローラーを両手で持ち、身体の中心を合わせます。動き始める前に股関節を伸ばし、お尻の筋肉を収縮させ、さらに体幹も引き締めます。動き始めから終わりまでこの状態を保つことが重要です。
動き始めは腕を前に出すのではなく、股関節を地面に向けて落としていく意識を持ちましょう。一番下まで身体を下ろしたら、そこで1秒静止、そして腕を身体の方に引いてスタート位置に戻ります。
この種目では、下背部が反ったり骨盤が前傾してしまわないように注意しましょう。また、スタート位置に戻る動きの中で、股関節が曲がりすぎてしまわないように注意が必要です。股関節が曲がると、股関節の屈筋群を使って身体を後ろに引く形になってしまい、狙いがズレてしまいます。前後に動きながら行うRKCプランクだと考えるといいかもしれません。
6〜15回×2~3セットを週1~2回くらいがいいでしょう。
ヒザをついて行うのが楽にできるようになったら、立った姿勢からエキセントリック局面だけをやってみましょう。
これも楽にできるようになったら、ウェイトベストを使ったり、片腕でやってみたり、静止を長く取ったりするとさらにキツくなります。
オブリークホールド
このベンチを使ったオブリークホールドは体幹の側屈を抑える力を鍛えることができます。サイドプランクの加重バージョンと捉えることもできます。
ベンチに身体の側面をつけ、股関節にベンチのパッドが当たるようにします。足は前後にして前の脚は下側、後ろの脚が上にくるようにします。股関節とヒザは完全に伸ばし、お尻の筋肉を引き締めて、胴体はまっすぐに保ちます。下側に来る手にダンベルを持って、決められた時間この姿勢を保ちます。20〜30秒を2〜3セットを週1〜2回すれば十分でしょう。
この種目はフラットベンチでも行うことができます。
スーツケースホールド
スーツケースホールドも体幹の側屈に抵抗する力を鍛える種目で、準備に手間を掛けずに行うことができます。ベンチや段差にダンベルかケトルベルに起き、そのウェイトが身体の横に来るように立ち、ウェイトを手で持ち上げて直立します。
ウェイトを持っている間、肩甲帯を動員し、脊椎をまっすぐに保ち、お尻の筋肉は引き締めた状態を保ちます。ウェイトの重量が大きすぎると、身体が傾いたり、身体の側面にウェイトを乗せて負荷を軽くしてしまいがちなので気をつけましょう。自分にとって楽ではない重量を選びつつ、ウェイトを持っている間姿勢を維持できる範囲にしましょう。
パワーラックとバーベルを使えばさらに大きな重量を使うことができます。20~30秒を2~3セットを週1~2回すれば十分でしょう。
まとめ
今回はレベルの高いトレーニー向けの体幹トレーニング種目を紹介しました。
体幹の伸展に抵抗する種目
- RKCプランク
- ホローボディホールド
- デッドバグ
- 腹筋ローラー
体幹の側屈に抵抗する種目
- オブリークホールド
- スーツケースキャリー
体幹の回旋に抵抗する種目
- アンチローテーションホールド
- ランドマイン
これらの種目の多くで骨盤、股関節、脊椎まわりの安定性が求められるので、このあたりの筋肉群を鍛えることができます。
読者さんの中には、「体幹の屈曲に抵抗する力」はどうやって鍛えれば良いのかと鋭い疑問を持った人もいるかもしれません。このサイトを読んでいれば、すでにスクワットとデッドリフトを行っている人が多いと思います。その場合、屈曲に抵抗する力は十分に鍛えられています。
体幹を強化することは、パフォーマンス向上にもケガのリスクを低らすことにもつながります。トレーニング経験の長いトレーニーで、体幹強化のトレーニングをどうしようかと考えていた人は、この記事で紹介した種目を試してみてください。
文責:八百
ランドマイン楽しいですね!この記事で初めて知りました。
肩が弱いので(肩トレは1年前に始めたばかり)インナー含め共に鍛えられて一石二鳥♪
petitpiaf111さん、コメントありがとうございます。
ランドマインは専用の設備があるところが多くないですが、体幹だけでなく、いろんなトレーニングにバリエーションを増やせるのが魅力ですね。
メールでも送りましたがコメント欄にも書きますね。
記事そのものに対する言及ではありませんので非公開で結構です。
大変充実した内容ですが、気になる表現があるのでお知らせします。
それは「難易度」です。
強度を強弱度とは言いません。
耐震強弱度と言いますか?言いませんよね。
温度を温冷度とは言いません。
温冷度が上がる?変ですよね。
湿度を湿乾度とは言いません。
湿乾度60%?もはや訳が分かりません。
そもそも難易度という字面は難しいのか易しいのか混乱しませんか?
「難」と「易」、相反する基準点が含まれた言葉なのに
高低あるいは上下を付けると完全に意味が崩壊してしまいます。
正確性という観点から「難度」と表現することをお薦めします。
字面的にも「難度」のほうが素直だと思います。
◎『難易度が高い』は無意味な表現
http://hfy.cocolog-nifty.com/notes/2013/12/post-99ad.html
耳慣れているから,聞いたときにすんなりと理解できてしまうだろうが,
冷静に考えると「難易度が高い」「難易度が低い」はおかしなことばである.
正しくは「難度が高い」「難度が低い」であろう.
自然に解釈すれば,「難易度」は「難度および易度」である.
(【注意】「易度」ということばは辞書には載っていない).
だから,「難易度が高い」は「難度および易度が高い」となり,
難しいのか易しいのか分からない!難易度は高くも低くもなれないのだ.
分かりにくいと感じる人も多いと思うので,別のことばに置き換えてみよう.
「高度1万メートル」などで使われる「高度」について考えよう.
高度は高さの度合いである.
字面だけから考えれば,高度の対義語は「低度」であるから,
「高度および低度」を「高低度」と表わすことも可能だろう
(【注意】「低度」は辞書に載っているが意味が異なる.ここで考えている「低度」は辞書に載っていない).
「難易度が高い」に対応する「高低度が高い」は意味をなすだろうか?
これが意味をなさないことは理解しやすいだろう.
つまり,「難易度が高い」は「高低度が高い」というのと同じように無意味なのだ.
高低を用いて意味のある表現は,「高低度」ではなく「高低差」である.
(一般には用いられない)難易を用いて意味のあるのは「難易度」ではなく「難易差」だろう.
◎日本語現場検証VOL.1「難易度?難度じゃないの?」〜雰囲気言葉〜
http://www.tv-asahi.co.jp/announcer/nihongo/genba/01.html
◎「難易度」が高い又は低いと表現する人がいますが、
正しくは「難度」が高い又は低いと表現すべきではないでしょうか
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211836677
ベストアンサーに選ばれた回答
「難度」が適切です。
「難易度が高い」という表現では、「むずかしさ」も「やさしさ」も高いことになってしまいます。
したがって、「むずかしい」ことを表現する言葉としては明らかな誤用です。
「難易度」は、あくまでも「やさしいか、むずかしいかの度合い」です。
辞書によっては、この言葉がのっていません。
体操、フィギュアスケート、チアリーディング、エアロビなどの演技主体の競技をNHKが中継するとき、
以前は多くの解説者(各競技の出身者)が「難易度が高い」を連発していました。
それだけ、当たり前に「難易度」の誤用があったのですね。
しかし最近はNHKのほうで修正を求めたようで、「難度が高い」が普通になってきました。
◎誤った言葉遣いのまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2136578489721680201
宮坂さん、初めまして。コメントありがとうございます。
言葉の使い方には、できるだけ多くの方に伝わりが良いことと、明らかな誤用がないように気をつけているつもりですが、私の日本語も決して完璧ではなく、かつ個人のクセを完全に排除するのは難しいので、こうやって違った見方をお聞かせいただけるのはありがたいです。
翻訳時に何度も迷った場所だったのですが、結論から申し上げると、ご指摘を受けて「十分なトレーニングになる」と「キツくなる」という表現に修正させていただきました。以下に補足説明させていただきます。
まず、「難易度」という言葉が曖昧であるという趣旨のご指摘は理解できます。この言葉を問題とする視点の引用も参考になりました。ありがとうございます。
私は、難易度というのは、温度や湿度のように明確な数値をもって示すものではなく、曖昧なスペクトラムを表す言葉だという印象を持っています。
難易度という言葉をスペクトラムとして考えると、その範囲の中で、「上がる」ことや「下がる」ことが起こることがあるのも許容されるように感じます。厳密に言えば「難しい方に上がる」というような表現が適切と言えるのかもしれませんが、個人的には冗長だと感じます。
多くの方にとって伝わりの良い文章を書くということを考えると、宮坂さんの引用文に「すんなり理解できてしまう」という記述があることも無視できない要素だと思います。
対して、ご提案いただいた「難度」という言葉が運動に関して使われる場合、体操の技のように「技術的な難しさ」を定量的に示すことが多いと思います。温度、湿度、高度などの言葉と近い働きをする言葉だと言えるかと思います。
この記事内の文脈では、「体力的なキツさ」ということを伝えたいのですが、各トレーニング種目を実施する上での技術的な難しさという意味合いで伝わる可能性を排除できないと考えます。
体力的なキツさということを表現するためには、強度、負荷、荷重などの言葉が考えられます。さらに、筋力、筋持久力、全身持久力など複数ある体力要素のどの部分に働きかけるのかということも言葉えらびに影響します。
しかし、原文では”Difficult”という言葉だけが使われており、どの要素がどう変わるのかということを明確にしていません。この部分について、私の解釈で原文以上に具体的な意味を加えるべきではないと考え、意図的に難易度という曖昧な言葉を選びました。
以上のように、私の捉え方では、難度と難易度は必ずしも同じ働きをする言葉ではなく、必ずしも統一されるべき言葉だとは感じません。難易度という言葉が日本語から排除されるべきだとも感じません。その上で、この記事の文脈において、難度という言葉が難易度よりも明らかに適当だとも考えません。
ただ、引用を含めたご指摘を拝見して、おそらく難易度という言葉に違和感を持つ方が一定数いらっしゃると感じられたので、より多くの方に誤解なく、伝わりのよい表現にするべきと考え上記のように修正しました。他の記事でも同様の使い方をしていた場所は適宜修正しました。
メールも拝見しましたが、ご指摘への感謝を込めて、コメント欄でお返事させていただきました。改めてありがとうございます。
今回の記事もとても分かりやすく参考になりました!
ちなみにこれらの種目を取り入れる場合、もしワークアウトキャパシティが側屈、伸展、回旋を一種目ずつできる程度であれば取り入れても問題はないのでしょうか?
ヤスさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
一般的には、メイン種目のフォームが定着していて、その他の補助種目を足して全身をカバーできていて、さらに弱点として体幹の安定性を強化したいというような場合には使えるかなと思います。
「使うべきか?」というと、ヤスさんにとって体幹を鍛えることの優先順位によるかと思います。
「問題かどうか?」というと、負荷が大きくなりすぎて、どこかを痛めるようなことがなければあまり神経質にならなくても良いかなと思います。
ご興味があれば、とりあえず試してもらうのはいいかもしれません。
八尾さんお久しぶりです
久々にコメント入れます。
中上級者向け体幹トレーニングの話題ですけれど
今バーベルで2年位になるかな?
Big3メインで行っているんですが
ダイエット前に扱えた重量から体重軽くなると
扱える重量が軽くなって高重量扱うのが厳しいのです。
けれど、期間だけは長く中上級者になり始めてます。
こういう場合体重が軽くなる前に扱えた高重量まで
出来なければ中上級者と考えないでBig3中心で
トレーニング続けた方がいいのでしょうかね?
それとも、新たな刺激を加えるための補助として
体幹トレーニング入れるのは構わないのでしょうか?
大分お腹周りの脂肪は落ちたのですがくっきり出るまで絞ろうか、
筋肉大きくしようか迷う所なのです。
お蔭さまで、全体的に脂肪が落ちてサイズが細くなってきたのですけれど
他の記事であった中途半端なトレ状態に陥ってます。
悩み所です
永野さん、こんにちは!いつもありがとうございます。
履歴を見てみたんですが、サイトにコメントをもらったのは初めてでしょうか?いつもはFacebookでお見かけしているイメージです。
挙上重量は大まかな目安で、永野さんの現状にピッタリ当てはまると限らないので、額面どおりには捉えなくて良いと思います。
減量中は、(体重というよりは)食事制限の影響で、全力が出しにくくなることは多いと思います。永野さんの実際の状況にもよりますが、「減量中に挙上重量が多少落ちるのは自然なこと」と考えるのも良いのかなと思いました。
永野さんの状況を十分に把握できていないので、ここで具体的な答えを出すのは難しいですが、体幹トレーニングにご興味があれば、補助的に追加されるのは特に問題ないと思います。ただ、それが突破口になるというのは考えにくいと思います。メイン種目で回復が追いついていなかったり、メイン種目への集中力がそがれてしまうようなら余裕ができるまで待つのも良いかもしれません。
少しでもヒントになれば。
以前腹筋ローラーで腰を痛めた経験があって、痛みがひいて行ってまた違和感…みたいなトレになりがちで少し怖いところがあります。ただ、腹筋ローラーをした後の腹直筋の刺激は凄いと実感できるので出来れば行っていきたいです。
もちろん自分のフォームに問題があるのは容易に予想がつきますが、見ていただかないと何が悪いのかは判断してもらえないというのも承知しています。
前置きが長くなりましたが、腹筋ローラーにかわって、とても腹直筋に刺激が入り、尚且つ出来れば腰に負担のない種目というものはないでしょうか?
非常に都合の良い質問かもしれませんが、教えて下さい。
ふーじーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
この記事にある種目では、RKCプランクか、腹筋ローラーをヒザをついた状態で負荷を落として行うなどが試せるかもしれません。
ふーじーさんが腰を痛められた原因に当てはまるか分かりませんが、一般的に腹筋ローラーで腰に負担を掛けないという意味では、腰を反らさないことが大事になります。
腹直筋の筋肥大が狙いであれば、本橋の記事もあわせて参考にされてください。
返答ありがとうございます。
腹筋ローラーも魅了ですが、まずはRKCプランクの負荷を増やしながら試してみようと思います。
他の記事も通読して自分にとってより良いトレーニング習慣を組み立てていけるように頑張ります。
筋力トレーニングの始めたばかりの人は、基本的な動作パターン:スクワット系・ヒップヒンジ系・プッシュ&プレス系・プル&ロウ系を練習することで、いわゆる体幹部分も同時に鍛えられていることをご紹介しました。
ただ、各動作パターンが安定して行えるようになり、ワークキャパシティが増える中・上級者では、目的に合わせたトレーニング種目を選択し、さらに種目のバリエーションを加えていくことが重要になります。体幹について言えば、これを直接鍛えるトレーニング種目の選択が視野に入ってきます。
この記事で紹介している体幹トレーニングは、見た目よりもずっとキツイですが、きっと楽しみながら行うことができると思います。ぜひ皆さまの目標達成に役立つトレーニング種目を探してみてください!