カッコいい身体づくりのために必要なことは、筋肉を増やし、体脂肪を落とすということになります。このサイトを読んでくれるみなさんは、筋肉を増やすべく日々トレーニングに励んでいる方が多いと思います。
安全かつ効果的にトレーニングをするためには、適切なフォームを身につけることが不可欠ですが、筋肉を増やすためのフォームを考えるときには、可動域の使い方が重要になります。
たとえば、ベンチプレスでは、バーベルが胸につくところまで下ろすのか、半分までしか下ろさないのかという違いと言うと分かりやすいかもしれません。可動域の一部分に限定してウェイトを動かすと扱える重量が大きくなるので、こういうフォームを好んで使う人も少なくありません。
こういう方法は、本当に効率よく筋肉量を増やすことにつながっているのでしょうか?今回は、筋力トレーニングでの可動域の使い方と筋肥大の関係について検証していきましょう。
筋肥大のための3つの要素
そもそも、効果的な筋肥大のためには、どんなことに着目して筋力トレーニングをすればいいのでしょう。筋肥大研究のスペシャリストとして知られるBrad Schoenfeld博士は、筋肉をつけるための要素として、次の3つを提唱しています。
筋肉に掛かる負荷と張力
筋力トレーニングでは筋肉に負荷を掛け、筋肉を収縮させて力を出すことで、その負荷に抵抗しています。このときに筋肉が緊張している状態やその程度を表すのに「張力」という言葉が使われます。思い切り噛み砕いてしまうと、「筋肉がどれだけガンバって力を出しているか」と考えても良いかもしれません。
トレーニングで扱う重量が大きくなり、筋肉に掛かる負荷が大きくなるほど、張力も大きくなります。そして、段階的に負荷と張力を上げていくことが、筋肥大に最も重要な要素だと考えられています。
トレーニングによる筋損傷
トレーニングを行うことで、筋肉の組織にとても小さなキズができます。これは、慣れないトレーニング種目を行うとき、バーベルやダンベルなどの重りを下ろしていく局面、トレーニング量が多いことによって起こることが見られています。そして、この小さなキズが、筋肉内でのたんぱく質の合成を活発にすることが確認されており、筋肥大につながる可能性があると考えられています。
しかし、損傷の程度が大きすぎても筋肉を大きくするには逆効果になることも見られていて、どの程度の損傷が適切なのかはまだ分かっていないようです。
筋肉に掛かる代謝ストレス
トレーニングを行うと、筋肉内にはさまざまな代謝物質が溜まっていきます。代謝物質は、筋肉内に蓄えられた糖質「筋グリコーゲン」を優先的に利用することでよく作られます。
「乳酸が溜まって動けない!」というようなセリフを聞いたことのある人は多いのではと思います。実際には乳酸は疲労物質ではありませんが、乳酸以外にも筋肉内に溜まる代謝物質があります。
また、長い時間筋肉が収縮して毛細血管が押しつぶされ、筋肉内の酸素供給が悪くなることで低酸素状態になることも、この代謝物質を多く作り出す要因になると考えられています。こういう筋肉内に代謝物質が溜まった状態を代謝ストレスと呼び、筋肥大を促す要素のひとつとされます。
この3つの要素をうまく組み合わせたトレーニングプログラムを作成し、実施することで、効果的に筋肉を増やすことができると言われています。この3つの要素に疑問を投げかけている別の研究者やコーチもいて、これらの要素が唯一正しいとは限らないのですが、筋肥大を促すためにはどんなことに注目したらいいのかの参考にはなりそうです。
筋力トレーニングにおける可動域とは?
可動域という言葉は過去の記事でも多く出てきますが、もう一度この言葉の意味をおさらいしておきましょう。筋力トレーニングにおいて可動域とは、バーベルやダンベルの移動距離ではなく、関節の角度がどれだけ動くのかを表します。
関節の可動域は、個人の身体のつくりや柔軟性によって変わってきます。各トレーニング種目の動作の中で、身体を動かせる可動域も個人差があります。実際のトレーニングでは、自分の持つ可動域をできるだけ大きく使うのか、一部に限定して身体を動かすのかがポイントになります。
可動域の一部に限定する場合には、挙上動作の前半と後半に分けて考えることができます。スクワット、デッドリフト、さらにベンチプレスやオーバーヘッドプレスといった種目では、ウェイトを挙げていくコンセントリック局面の前半で筋肉に大きな緊張が掛かり続けます。一方、挙上動作の後半、関節を伸ばしきる直前の部分に限定すると、大きな重量が扱えるのが特徴です。
可動域の前半に限定する方法は、ボディビルのトレーニングのテクニックとして使われることがあります。これは、関節を伸ばしきるところで筋肉に掛かる負荷が抜けないようにして、筋肉を緊張させ続けることを狙っています。
パワーリフティングのように挙上重量を伸ばすことを目的としていて、挙上動作の後半部分が弱点になっている場合には、可動域の一部に限定したトレーニングを補助的に取り入れる場合があります。
一方で、重さを追求していった悪いフォームとして行ってしまう場合もあります。たとえば、ベンチプレスでお尻をベンチから浮かせたり、極度に腰を反らせたりすることで、バーベルを動かす範囲を短くするやり方がこれにあたります。
△高重量を追い求めた良くない例
前置きが長くなってしまいましたが、今回は挙上動作の後半部分に限定して高重量を使うトレーニングが、効率的に筋肥大につながるのかを検証したいと思います。
可動域の使い方によって筋肉に掛かる負荷は変わるか?
今まで可動域を大きく使ってトレーニングしていたのを、可動域の一部に限定して使用重量を大きくすれば、筋肉に掛かる負荷も増えそうに思えます。しかし、それで必ずしも筋肉に掛かる負荷が増えるわけではありません。
スクワット中に大腿四頭筋に掛かる負荷を例として説明していきましょう。
上のイラストの左側は可動域の後半部分に限定したクオータースクワット、右はパラレルスクワットを真横から見た様子を表しています。こうやって真横から見て考える方法では、必ずしも各筋肉に掛かる負荷の大きさを正確に検証できるわけではないのですが、これを掘り下げるには、さらに複数の記事が必要になってしまいます。今回のトピックには必要十分なので、このまま進めます。
次の式で、スクワット中に大腿四頭筋に掛かる負荷を大まかに求めることができます。
使用重量 × 重心線からヒザ関節までの距離
これを上のイラストに当てはめると、クオータースクワットでパラレルスクワットの約2倍の重量を使ったとしても、大腿四頭筋には同じ負荷が掛かることになります。たとえば、100kgでパラレルスクワットを行うのと、200kgでクオータースクワットを行うのでは、これだけ扱う重量に差があっても大腿四頭筋に掛かる負荷は同じ計算になります。
実際には、ここまで単純に計算できるものではありませんが、扱う重量が必ずしも筋肉に掛かる負荷を表すとは限らないことは分かると思います。
可動域の使い方と筋肉の長さの変化
トレーニングの動作の中で、筋肉は伸びたり縮んだりして長さを変えていきます。可動域全体を使う場合と、一部に限定して動かす場合では、筋肉に掛かる負荷が全く同じだったとしても、筋肉がどういう長さで力を発揮するのかが変わってきます。可動域を大きく使って筋力トレーニングを行えば、筋肉が大きくストレッチされた状態で力を発揮することになります。
筋肥大に効果的な可動域の使い方は?
筋肥大を目的にトレーニングをする場合、可動域全体を使うのと、一部に限定するのと、どちらが効果的なのかを見ていきましょう。
研究1:プリーチャーカール
腕の筋力トレーニングの効果を比較した研究を見てみましょう。筋力トレーニング未経験者を、可動域を大きく使ってトレーニングをするグループ(0-130°)と、一部に限定して行うグループ(50-100°)に分け、週2回のアームカールを10週間行い、腕の筋肉の厚さの変化を調べました。
この研究では、20回なんとか挙げられる重量から8回挙げられる重量へと徐々に重量を上げていきました。この設定は両グループに共通ですが、可動域を限定したグループの方が大きな重量を挙げていたことに注目です。
10週間のトレーニングで両グループ共に腕の筋肉の厚さが増えていましたが、両グループでの結果を比べると、可動域を大きく使ったグループの方が増え幅が大きくなりました。
このグラフは、トレーニング開始時からの増え幅をパーセンテージで示したものです。さらに、トレーニング効果の大きさを示す「効果量」という値は、2倍近くになりました。(0.57 vs 1.09)
多少重量が軽くなったとしても、しっかり腕を伸ばしてカール系種目を行った方が、腕の筋肉を大きくするには効果が高そうです。
研究2:脚のトレーニング
次に、脚のトレーニングで可動域の使い方による効果の違いを調べた研究を見てみましょう。筋力トレーニング未経験者を、ヒザの可動域を大きく使うグループと、一部に限定するグループに分け、週3回の脚の筋力トレーニングを8週間行い、大腿四頭筋(外側広筋)の筋肉量の変化を調べました。
使用重量を比較してみると、先ほどのプリーチャーカールの研究と同じく、可動域の一部に限定して行ったグループの方が高重量を扱えました。
8週間後には、両グループともに外側広筋が太くなっていましたが、可動域を大きく使ったグループの方が一部に限定したグループよりも筋肉が大きくなっていました。この研究では、下のグラフに示したように、股関節からヒザまでの3箇所で筋肉量を測定しています。
この研究で筋肉の断面積の変化の他にもうひとつ注目したいのが、筋力トレーニングによって筋肉の長さが変わったことです。
一般的には、筋力トレーニングを行うと筋肉は短く硬くなり、柔軟性を維持するためには静的ストレッチを行わないといけないと言われています。しかしこの研究では、筋力トレーニングによって両グループとも筋肉の長さが増え、さらに可動域を大きく使ったグループでは、その増え幅が大きかったことが見られました。
このことから、筋力トレーニングで柔軟性は失われず、むしろ、可動域を大きく使えば維持や向上が期待できそうです。
研究3:スクワット
もうひとつ、深さの違うスクワットを比較した研究を見てみましょう。この研究では、筋力トレーニング未経験者を、クオータースクワットを行うグループと、パラレルスクワットを行うグループに分け、週3回の筋力トレーニングを12週間実施してもらい、大腿四頭筋を中心とした太ももの前側の筋肉量の変化を調べました。また、この研究では、股関節からヒザまでの複数の位置で筋肉量を測定しています。
12週間後の結果を見てみると、クオータースクワットを行ったグループは、股関節に近い位置で太ももの前側が太くなっていたものの、それ以外の部位では筋肉量に変化は見られませんでした。
しかし、パラレルスクワットを行ったグループは、股関節からヒザに近い位置まで満遍なく筋肉が太くなっていました。
これまでご紹介してきた研究から、重量が軽くなったとしても、可動域を大きく使って筋力トレーニングをした方が、筋肥大と柔軟性の維持・向上に効果的であることが分かると思います。
さらに、可動域を大きく使う筋力トレーニングでは、怪我のリスクを低く抑えられるとも考えられます。
たとえば、可動域を一部に限定して行うスクワットは高重量を挙げることができますが、それによって脊柱を圧迫する負荷が大きく掛かり、誤ったフォームを用いた時には重大な事故につながることがあります。それに対して、可動域全体を使うのであれば、一部に限定するよりも重量は軽くて済むため、脊柱に対しても比較的安全だと言えます。
以上から、可動域の一部に限定したトレーニングは、高重量に慣れる、その部分に特化して筋力を強化するなど、活用できる場面はあるものの、軽い重量であっても可動域全体を使ったトレーニングを中心に行った方が、筋肥大や柔軟性の維持・向上に効果的で、かつ安全性が高いと言えそうです。
トレーニング種目の可動域は体格や骨格によって変わる
ここまで、できるだけ可動域を大きく使ってトレーニングすることが、効果的かつ安全な筋肥大に重要であることを確認してきました。ただ、体格や骨格によっては、各トレーニング種目で可動域全体を使ったとしても、筋肥大の効果を十分引き出せなかったり、安全性が十分に確保できなかったりすることがあります。この場合、トレーニーによってはトレーニングで使う可動域を調整する必要が出てきます。
ベンチプレスとスクワットを例に、体格と骨格が可動域に及ぼす影響を見ていきましょう。
ベンチプレス
バーベルを用いるベンチプレスでは、バーベルが胸に触れる位置まで下ろしたら、そこから下には動かせません。そのため、胸板が可動域に影響を及ぼすと考えられます。下の写真は、胸板の厚さが違う2人のトレーニーがベンチプレスでバーベルを胸の位置まで下ろした様子です。
両者ともバーベルを胸につけているので、可動域全体を使っていると言えます。しかし、右の男性と比較すると、左の男性は胸板が厚いため、肩とヒジの関節の動く範囲が小さいことが分かると思います。
先天的に体格に恵まれた人や筋力トレーニングで胸の筋肉が非常によく発達した人では、ベンチプレスにおけるバーベルの移動距離は必然的に短くなります。
可動域が小さくなるため、重量は重くなりやすい一方、効果的に筋肥大させるためには肩関節を大きく動かす工夫が必要になってくるかもしれません。その場合、ダンベルやカンバードバーを使ったベンチプレスなど、可動域を大きくとれるトレーニング種目の導入が考えられます。
スクワット
スクワットで大腿四頭筋を最大限に筋肥大させるためには、お尻とカカトがくっつくくらいまでしゃがむのが良いと言われることがあります。下の写真を見るとイメージを掴みやすいかもしれません。
しかし、骨格によっては、必ずしも全ての人がこの深さまでスクワットをできるわけではありません。
たとえば、スクワットのしゃがみ込んでいく動作の中で腰が丸まってしまう人がいます。下の画像のような状態です。腰が丸まってしまうと、スクワット中に腰椎が何度も曲げ伸ばしを繰り返すことになり、その程度がひどい場合は、腰を痛めるリスクが高くなると言われています。
体幹部の力の入れ方やフォームを改善することで、腰の丸まりを修正できる場合はありますが、骨盤やももの骨の形状によっては、何をしても解消できないトレーニーもいます。
その場合は、しゃがむ深さを浅くするか、あえてスクワットにこだわらず、別のトレーニング種目を取り入れることが考えられます。
このように、あるトレーニング種目で可動域を目一杯使うことが、トレーニーによっては必ずしも筋肥大に効果的で安全とは限らず、個人差を考慮した上で可動域の使い方や種目選びを工夫していく必要が出てきます。
まとめ
筋肉に大きな負荷を掛けるために、可動域の一部に限定して高重量を扱うことがあります。しかし、扱う重量が軽くても可動域を大きく使うトレーニングの方が、筋肥大の効果が高いことが研究で示されています。
また、可動域を大きく使うトレーニングでは重量が軽くて済むため、怪我のリスクが低いとも考えられます。可動域を一部に限定するトレーニングが有効な場面もあるものの、筋肥大が目的であれば、可動域を目一杯使う方が良さそうです。
同じトレーニング種目であっても、どれだけ可動域をとれるのかは体格や骨格に影響されます。個人差に合わせてトレーニング種目選びやフォームを変える必要が出てきそうです。
ぜひ、可動域を大きく使った筋力トレーニングを心掛けましょう!
軽重量でも胸に付くまで降ろしてバウンドしないベンチプレスの方は良いのでしょうか?
コメントありがとうございます。お返事が遅くなってすみません。
筋肥大を目的にベンチプレスを行うなら、可動域の途中で動作を切り返すのではなく、バーベルを胸まで下ろす方が効果が高いと思います。
また、胸でバーベルを弾ませるのではなく、自分の筋力でバーベルを押し上げるように動作を行うと筋肥大効果は高くなると思います。
これからトレーニングを始めようと取り組んでいます。もっと読みたいです
あつしさん、コメントありがとうございます。
少しでも参考になることがあれば幸いです。トレーニング頑張ってください!
こんにちは。筋トレ初心者ですが質問させてください。
ヤフー知恵袋に投稿したは良いものの回答してくださる方がいないのでコピペしますねw
僕はウエイトの初心者なのですが、胸を使ってバーを上げるを意識すると(思いっきり胸を収縮?)、バーを胸に下ろした状態から10cmくらいしか動かないのですが、これが胸で上げているという意識でよろしいのですか?
もしそうなら上まで伸ばさずかなり狭い可動範囲でやれば胸だけに効くということでしょうか?
色々サイトをみても、下におろして元に戻します。という簡単な物しか書かれていないので疑問に思いました。
分かりにくかったら申し訳ございません。
mazdaさん、コメントありがとうございます。
いただいたコメントのように一部の筋肉を意識しすぎてしまうと、ぎこちないフォームでトレーニングすることになるかなと感じます。
mazdaさんは筋トレを始めて間もないとのことですので、効かせることや細かなテクニックに気を取られず、まずは基本的なフォームでトレーニングを行うことに集中されるのが良いと思います。
具体的には、痛みの出ない範囲で可動域をできるだけ大きく取るフォームでトレーニングすることになるかと思います。
少しでも参考になりましたら嬉しいです。
POF(Position of Flex)法を意識し収縮させるポイントのみの可動域に絞ることは間違っているということになりますでしょうか?
可動域を広く取ることとPOF法は相反するものではないとは思いますが、
例えばインクラインダンベルカールはストレッチ種目で、初期負荷に主にかかり最後まで収縮させることは少ないですが、
こういった考えはその研究結果から間違いといえるということでしょうか?
POF法というコンセプトと交えてご見解などありましたらよろしくお願いします!
きんに君さん、コメントありがとうございます。
この記事では、一般的に可動域を大きくするトレーニングの方が筋肥大に貢献することをご紹介しています。
POF法を考慮した可動域制限に関しては文献が見当たらず、正否を判断するのは難しいです。
ヒントとなりそうな研究はあります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23625461
筋肉が伸びる可動域に限定してトレーニングをした方が、筋肉が短くなる可動域に限定してトレーニングをしたよりも、筋肥大が起きたことが見られています。
したがって、筋肉が短くなる位置で負荷の掛かるコントラクト種目では、筋肉が短くなる位置だけに可動域を限定せず、可動域を大きくとる方が良いかもしれません。
筋肉が伸びる位置で負荷の掛かるストレッチ種目では、筋肉が伸びる位置に特化するトレーニングと全可動域を使うトレーニングで、筋肥大の程度に差が出てくるのかは何とも言えません。
曖昧な回答になって申し訳ありませんが、参考になりましたら幸いです。
筋肉肥大ではなく競技パフォーマンスの向上を目的とする場合はどうでしょうか?
私はトランポリンをやっていますので、ジャンプ力を向上させたいと思っています。トランポリンのジャンプでは膝を深く曲げることはないので以前はレッグプレスマシンで高重量・ショートレンジのトレーニングを取り入れていました。
その後、クォータースクワットではジャンプ力向上に寄与しないという研究があることを知りました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22344055
これを知ってからは高重量・ショートレンジのトレーニングはやめ、現在はスクワット(パラレルから最近はフルボトムに変えました)。を行っています。
最近になって、クォータースクワットのほうがフルスクワットよりもジャンプ力向上に寄与するという全く逆の研究結果もあることを知って混乱しています。
https://www.degruyter.com/downloadpdf/j/humo.2016.17.issue-1/humo-2016-0006/humo-2016-0006.xml
何を信じてよいものやら。
樋上さん、こんにちは。先日はFacebookで論文へのリンクのご紹介ありがとうございました。
ジャンプ力向上のためのトレーニングはS&Cの領域で、ウチで特に力を入れてカバーしている内容ではないんですが、先日のお礼も兼ねて分かる範囲でお返事させていただきます。
最近、パラレルスクワットの方がレッグプレスよりもジャンプ力向上につながったという研究がありましたね。河森コーチがレビューされています。もし読まれていなければ。
個別の研究で答えが出ないことについては、メタ解析やシステマティックレビューがあると良いのかと思いますが、可動域の使い方とジャンプ力に関して、そういう文献があるのかまでは存じ上げないです。
特異性の原則がどう働くのかということになるのかと思いますが、このサイト(英語)で無料配布されているeBook内で、可動域の使い方による効果の違いについて解説されています。ジャンプに特化した内容ではないですが、参考になることがあるかもしれません。
また、同じサイトが月刊で出している有料の研究レビューの2016年10月号と2016年1月号で垂直跳びに関する研究が紹介されています。
トランポリンにどれだけ使える情報か分からないですが、少しでも参考になれば幸いです。
ご返事ありがとうございました。
特異性ということでいうと、ジャンプと一口に言っても競技によって体の使い方や筋肉への負荷のかかり方は全く違うので、簡単な話にはなりませんね。かと言って、「体操の筋肉は体操でつくられる(富田洋之)」というようにウェイトトレーニング全否定するのもおかしいので、どこかに答えはあるはずですね。
ご紹介いただいたeBookを読んでもっと勉強してみます。
可動域やフォームは大事だとあらためて気付きました!
ダンベルプレスの自分は効いている感じなんですがダンベルプレスでも筋肥大は可能ですか?
畑さん、コメントありがとうございます。
>ダンベルプレスでも筋肥大は可能ですか?
可動域やフォームが適切であれば、筋肥大に効果が出てくると言えます。
他の種目と同様に、良いフォームと可動域を維持したまま、少しずつ重量を増やしていくことがカギになります。
ぜひお試しください!
はじめまして。和尚と申します。
四ヶ月前に筋トレを始めてから、こちらのサイトにお世話になっています。
今回初めてコメントを書かせていただきます。
大学の時分は主にハーフスクワットをしていたのですが、こちらのサイトでフルやパラレルスクワットの方が膝に掛かる負担が実は少ないと知って驚きを覚えました。
大学の時、たびたび膝が痛くなったのですが、それが原因なのかなと思いました。
なので四ヶ月前からフルスクワットをしているのですが、最初は40kg×5回を3セットしただけでへとへとになりました。ハーフでは倍以上の重さを挙げていたのですが、今まで感じたことがないほど疲れました。
これも今まで使っていなかった可動域まで使っているせいなのかと、この記事を見て思いました。他の種目でも無理しない程度に、可動域の限界を責めて筋トレをしようと思います。
こちらの記事を読んで一つ疑問に思ったことがあります。スクワットで可動域を狭くして筋トレを行うと股関節よりの太腿が太くなると記載がありましたが、これは大腿四頭筋が股関節の方だけ筋肥大したということで宜しいのでしょうか?
長々と失礼いたしました。
和尚さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
>大学の時、たびたび膝が痛くなったのですが、それが原因なのかなと思いました。
ヒザの痛みの原因は多岐にわたるため痛かった理由については何とも言えませんが、現在はその痛みがなくなってよかったです。
>今まで感じたことがないほど疲れました。
可動域を大きくとると、軽かったとしても本当に疲れますね。私もハーフスクワットからフルスクワットに切り替えた時は、その疲労感と達成感に本当に驚きました。
>スクワットで可動域を狭くして筋トレを行うと股関節よりの太腿が太くなると記載がありましたが、これは大腿四頭筋が股関節の方だけ筋肥大したということで宜しいのでしょうか?
はい、おっしゃる通り大腿四頭筋の股関節側だけ筋肥大が見られています。
無理のない範囲で、可動域を大きくしたトレーニングを行なってみてください!
いつも素晴らしい記事をありがとうございます。
私もスクワットで重量を求めるあまり、可動域が狭くなっていたのですが、最近見直してしっかりフルスクワットするようにしました。重量が20kgも落ちたので不安だったのですが、この記事を見て安心しました。今後も可動域をフルに使ってトレーニングを実施していきたいと思います。
しかし、オーバーヘッドプレスやベンチプレスでは可動域をフルに使うと肩に違和感が出て怖いです。
正しいフォームであれば違和感が消えるかと思い、スマホで動画撮影してフォームチェックしているのですが、ホームトレーニーなので素人目では判断が難しいですね。
現状では違和感が出ないフォームを探してみたり、ウォーミングアップを念入りにするなど、試行錯誤を繰り返しています。トレーニングは本当に奥が深くて面白いなーと実感しています。
今後も記事を楽しみにしています。
Mark3さん、コメントありがとうございます。
温かいお言葉ありがとうございます。
これからも皆さまのトレーニングに役立つ記事作りをしていきます。
>今後も可動域をフルに使ってトレーニングを実施していきたいと思います。
できる範囲で可動域を目一杯とっていくのは大切ですね。
ただ、フォームを修正した上でどうしても違和感が出てしまう場合は、違和感のない可動域で行うか、トレーニング種目を切り替えることが選択肢としてあがってくると思います。
ぜひさまざまな方法を実践してみてください。
調度悩んでいた点をまとめてあり大変参考になりました。自分の稼動域を理解し目指すところを再認識して新たにトレーニングに取り組みたいと思います。
感謝です。
フーバーさん、コメントありがとうございます。
記事がフーバーさんの筋力トレーニングの参考になって嬉しいです。
ぜひフォームと可動域を見直ししていただき、理想を目指して頑張ってください。
どうもこんばんは。
タイミングバッチリの記事を毎回ありがとうございます。
ベンチプレスの可動域で重さが増える程、浅くなりがちになっていたみたいです。
アンディを更にデカくしたような感じの方から、今日ジムで声をかけて教えてもらいました。
重量を下げて可動域を広くしたらやっぱりキツいですね。
トレーニングを見直すいい機会になりました。バーベルって楽しいけど難しいですね。
最近はAとBにメニューを分けてやるようにしたら、なんとか体のキャパに余裕がある状態になったので週3で継続出来てます。
オーバーヘッドプレスは腹圧の掛け方が下手でフォームが崩れていて、腕やらに負担がかかってました。ベルトをしたら痛まなくなったので進歩できればなと思います。
寒暖差が激しいので皆さんも体調崩さないようにしてください。また何か悩んだらサイトを見直して改善してみます。
Rocketさん、コメントありがとうございます。
使用重量が増えてくると、気がつかない間に可動域を小さくしてトレーニングしてしまうことがあるんですよね。
この記事がRocketさんのトレーニング見直しのキッカケとなれてよかったです。
>オーバーヘッドプレスは腹圧の掛け方が下手でフォームが崩れていて、腕やらに負担がかかってました。
痛まない方法が見つかってよかったです。フォームと可動域を確認しながら、少しずつ前進していきましょう。
>寒暖差が激しいので皆さんも体調崩さないようにしてください。
ありがとうございます!Rocketさんも体調にお気をつけて、元気に筋力トレーニングを楽しまれてください。
このサイトを読んでくれる方々の中には、挙上重量を伸ばすことにこだわりたいという人も少なくないと思います。
筋力を伸ばすという意味では、可動域の使い方によって効果の出方が変わってきます。今回の記事に盛り込もうかと考えましたが、必要以上に文章が長くなって情報を整理するのが難しくなりそうだったので、今回は「筋肥大のための可動域の使い方」ということに限定することにしました。大量の情報を集めて、粘り強く取捨選択してくれた本橋に感謝です。
ちなみに、高重量を挙げることを追い求めるパワーリフティングで、高いレベルで活躍する選手は、挙上重量と筋肉量の相関関係が非常に強いという研究データ(日本語グラフ)もあります。挙上重量を伸ばしたい場合にも筋肥大は重要であり、可動域を大きく使ったトレーニングが有効な場面は多くなると思います。