BIG3の解説動画「THE BIG3 BASICS」のベンチプレス編の内容を一部紹介します。
ベンチプレスは大胸筋や上腕三頭筋などを使って上半身の押す力を鍛えるのに有効なトレーニング種目です。基本を押さえて自分に合ったフォームを一度身に付けると、トレーニングの土台として長く役立つはずです。
一般的な健康増進や体力強化に効果が高いのはもちろん、将来的にパワーリフティングのように重量を追求したいと思ったり、ボディビルのように肉体美を追求したいと思った場合にも、応用が利きやすくなると思います。
ここではベンチプレスでの身体の動かし方とバーベルの軌道について紹介します。
バーベルを下ろす位置の確認
軽い棒を使ってベンチプレスでのバーベルの動かし方を練習することができます。一度動作を確認しておくと、ベンチに寝転がってバーベルを動かす練習に入りやすくなります。
以下のポイントに注意して棒を動かしてみてください。
- 棒が胸に触れるまで引きつける。
- 棒はみぞおち付近に当てる。
- 棒の真後ろにヒジがくるように動作する。
棒をみぞおちに当てて、その棒の真後ろにヒジが来るようにすると、以下の画像のような姿勢になります。
棒を動かしながら鏡を見たり動画を撮影したりして、身体の正面と真横から見た姿勢を確認してみてください。
まず、棒を引きつけたら、棒が胸のどのあたりに触れているかを目で確認しつつ、棒を胸で感じとるようにしましょう。次に、身体を真横から見てヒジが棒の真後ろにあるか確認します。
このとき、身体のどこかに違和感があったり動作にやりにくさを感じたら、手幅を少し広くしたりせまくしたりしてみてください。棒を引きつけたときにしっくり感じられる手幅が決まったら、何度か動作を繰り返してみてください。
ベンチに寝転がらずに立った状態で棒を動かすだけであれば、この姿勢を作るのはそれほど難しくないはずです。これがベンチに寝転がってバーベルを下ろしたときのボトム姿勢になります。
実際にジムでベンチプレスを行うときには、気持ちがはやってこのようにバーベルの動かし方を確認するステップを飛ばしてしまいがちです。
ベンチに寝転がるとベンチ上での姿勢を確認することも必要になりますし、バーベルの重さにつられて下降動作が雑になってしまうこともあります。その結果として、レップごとにバーベルを下ろす位置がバラバラになってしまっている人は少なくありません。バーベルの動きがバラついてしまうと、動作中に使われる筋肉も一定せず、狙った効果を得にくくなってしまいます。
バーベルを毎回みぞおちに下ろすためには、バーベルの動きを確実にコントロールすることが必要になります。しかし、ベンチプレスの動作中にはバーベルがどこに向かって動いているかを鏡で確認することはできません。みぞおちにバーベルが触れる感触や、みぞおちにバーベルを下ろすときの動作を身体で覚えていると、バーベルの軌道をコントロールしやすくなります。
この感覚を掴むための練習を棒を使って行うということです。ベンチプレスでのバーベルの軌道についてあまり考えたことのない人や、バーベルを下ろす動作に不安定さを感じている人は、バーベルを使う前に数分だけ時間を取ってこの練習を試してみてください。そして、バーベルを使ったウォームアップに入ったら、同じ動作や感覚を再現できているか意識してみましょう。
バーベルをみぞおちに下ろす動作が安定すると、毎回同じ位置からバーベルを押し上げることができるので、力を出しやすくなったり重量を伸ばしやすくなったりするかもしれません。逆に、これまでバーベルをコントロールする意識が十分になかった人は、同じ重量がキツく感じられるようになるかもしれません。
いずれにしても長いスパンで考えるとベンチプレスの効果を高めることにつながるはずです。
今回はベンチプレスを始める前に確認すべきバーベルの軌道について紹介してみました。特にベンチプレス初心者の方には試していただければと思います。
THE BIG3 BASICS ベンチプレス編では、こういった初歩的なことから実際にベンチに寝転がってバーベルを動かす際のポイントや、大きな重量を扱う際の注意点など、ベンチプレスの基本を網羅的にまとめています。収録内容に関するさらなる詳細は販売ページにてご覧ください。