アルコールは筋肉の成長を妨げる

投稿者 : Examine.com

アルコール 筋肉 成長どんなにモチベーションの高いアスリートにも息を抜く時間は必要です。
たいてい、お酒を飲んで騒いだあとに苦しむことと言えば二日酔いくらいまでです。場合によっては、週末思い切り飲んだ次の月曜日はトレーニングがキツく感じることもあるかもしれません。トレーニング後に飲むビールの味がたまらないという人は多いですが、アルコールが筋肉に与える影響はあまり知られていません。
「筋たんぱく質の合成」という、トレーニング後に筋肉が修復され成長する過程にアルコールが影響を及ぼすという研究があります。トレーニング後に1~2杯飲んだだけで、せっかくのガンバリが無駄になってしまうのか、飲み過ぎなければ大丈夫なのか考えてみたいと思います。

アルコールとテストステロン

筋肉を増やすにはテストステロンも重要で、体質的にテストステロンの多い人は、筋肉を増やしやすくなります。
少量のアルコール摂取で(体重150lbsの人ならビール2杯程度)、若い男性の血中テストステロンが17%増えたという研究があります。閉経前の女性を対象にした研究でも同様の結果が見られています。
ただし、この程度のテストステロンの上昇幅では筋肉の成長に目立った違いは出ないはずです。

一方で、深酒をすると(体重150lbsの人でビール7杯程度)テストステロンが減少するという研究があり、さらに中程度の量(3〜4杯程度)でも日常的に少なくとも3週間以上飲み続けると、ゆるやかにテストステロンが減少するという研究があります。ジムで頑張っていても、これがトレーニング効果を抑えることにつながるかもしれません。

トレーニング後のビールを検証する

一般的なスポーツドリンクと同じように、ビールには炭水化物と電解質が含まれていますが、ビールをスポーツドリンクに置き換えるなんて都合の良い話は通りません。

アルコールが肝臓でのたんぱく質の合成に与える影響を調べた研究があります。被験者によってアルコールの摂取量に違いがあり、たんぱく質の合成率もアルコールの摂取量によって変わったという結果が出ています。ビール約5杯分にあたるアルコール71gを摂取した人は、たんぱく質の合成が24%抑えられ、一方アルコール28gを摂取した人では影響は見られませんでした。ただし、ここでは、肝臓でのたんぱく質合成と筋たんぱく質の合成は同じではないことに注意が必要です。

現在までにヒトを対象に行われた研究で最も参考になるものを紹介します。この研究では以下の3つの条件で筋たんぱく質の合成にどんな違いが出るかを調べました。

  • 条件1:運動+たんぱく質
  • 条件2:運動+アルコール+たんぱく質
  • 条件3:運動+アルコール+炭水化物

各条件での筋たんぱく質の合成は以下のようになりました。

アルコールによる筋たんぱく質合成のちがい

運動後にたんぱく質だけを摂った条件1と比較して、アルコールを摂った条件2では筋たんぱく質の合成が抑えられています。運動後にたんぱく質を摂らなかった条件3では、筋たんぱく質の合成がさらに抑えられています。しかし、それでも運動前の安静時よりは筋たんぱく質の合成が促進されています。

この研究では、体重1kgあたり1.5gというアルコールの摂取量でした。被験者の中で身体の小さかった人で体重68kg、ビール7杯分にあたる量のアルコールを摂ったということです。

ここまでに挙げたエビデンスをまとめると、1回にビール5杯以上を飲むと、トレーニング後の回復や筋肉の成長を妨げる可能性があると考えられます。現在のところ、トレーニング後のビール1杯でどんな影響があるかを直接調べた研究はありませんが、いまあるエビデンスを見ると、2杯くらいまでならジムでのガンバリが無駄になる心配はないと考えられます。これは朗報ですね!

まとめ

ビール好きの人はひとまず安心してください。さらなる研究が必要ではありますが、いまのところトレーニング後にビールを1杯や2杯飲んでも、長い目で見て目立ったダメージになるとするエビデンスはありません。ジョッキ1杯程度ならテストステロンの分泌やたんぱく質の合成を心配しなくても大丈夫ということです。ただ、「今日は1杯」のつもりが「毎回5杯」という習慣になってしまわないように気をつけましょう。

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