リバウンドしないカロリー摂取量の増やし方

投稿者 : Andy Morgan

ボディビル 減量後の体重維持カロリーこの画像はEpic Meal Timeという超高カロリーの料理を作るYouTubeチャンネルです。ここまでムチャは出来ませんが、減量終了後は食事量をかなり上げても、あまり体脂肪を増やさずに絞れた状態を維持することは可能です。
それでも実際には、うまく体形を維持できない人がたくさん居ます。原因はいろいろで、盲目に減量を進めて、その後どうやって維持をするかまで考えていない場合や、ダイエット生活が厳しすぎたり期間が長過ぎたりして、終わった後は維持する余力が持てない場合、体重維持のためのカロリー計算を間違えてしまう場合などがあります。
減量後の「絞れた状態を維持できる最大の食事量」をどうやって見つけるかということになりますが、この記事では、カロリー計算ではなく、身体の変化に合わせて段階的に食事量を調整する方法を紹介します。


以下のテーマを解説して行きます。
  • ゆっくり増量に移るよりも維持を考えた方が良い場合
  • 減量後は食事量を増やせるワケ
  • 体形維持のための食事量の見つけ方
  • 長期間維持できる体脂肪レベルはどのくらい?

ゆっくり増量に移るよりも維持を考えた方が良い場合

  • 減量を終えていまの身体に満足している。
  • モデルや俳優などの仕事をしている人や、ボディビルや体重制限のある競技に出る選手で、撮影や試合が迫っている。
  • 生活や仕事でストレスの多い時期に入ろうとしている。(ストレスの多いと筋力・筋量アップの妨げになります)
  • 身体づくりをひと休みしたい。

減量後は食事量を増やせるワケ

主に2つの理由があります。

カロリー収支のマイナス分

減量中は体脂肪を落とすためにカロリー収支をマイナスにする必要がありました。減量後は当然このマイナス分を戻すことができます。

ホルモンが通常レベルに戻る

減量中はホルモンバランスが変わって、基礎代謝が下がります。つまり、ダイエット終了直後は通常のホルモンバランス時よりも基礎代謝が低いということです。生存のためのメカニズムですが、減量を終えて摂取カロリーを上げて行くと、基礎代謝も通常レベルに戻って行きます。

他に、トレーニングなどの運動以外に日常生活の中で消費するエネルギー量も増えます。人によって増え幅は大きく変わります。(NEAT)
さらに、食事量が増えることで、消化に使われるエネルギー量も若干増えることになるのも一応付け加えておきます。(TEF)

ダイエット 基礎代謝 カロリー

上図にある「減量時の体重維持カロリー」と「通常時の体重維持カロリー」に合わせて食事を摂ると、それぞれ体重は維持されますが、気分やパフォーマンスはまったく違ってきます。
同じ見た目でも中身がレース仕様にチューンアップされた車に乗るような感じです。通常時の体重維持カロリーを狙って探して行きましょう。

減量後の体重維持カロリーの見つけ方

ざっと要点を並べると…

減量を終えたら、2〜4週間くらい時間を掛けて、一定のペースで少しずつ食事量を増やして行きましょう。(万全を期すにはさらに長く間隔を取っても良いです。)身体の変化を見ながら、体脂肪が増えない内は段階的に食事量を増やし続けて行きます。
ただ、この減量明けに食事量を増やして行く時期には、体重の変化でカロリー収支がプラスになったかどうかを判断できないので注意が必要です。減量明けには、炭水化物の摂取量が増えることになりますが、これで体内のグリコーゲンと水分量が増えることが原因です。カナダ人のクライアント、エイドリアンを例に説明したいと思います。

リーンゲインズ 肉体改造 前後比較 ゆっくり増量

エイドリアンは減量のあと12週間ゆっくり増量をして体重は9lbs(4kg)ほど重くなりました。
腹筋・腹斜筋のカットの具合、トレーニング記録の推移、エイドリアンのトレーニング経験から期待できる筋量の伸び幅、体脂肪はほとんど増えていないことを考え合わせると、増えた体重の内、50〜60%程度が筋肉だと考えて良いのではないかと思います。あとはグリコーゲンと水分でしょう。
体内の水分量が増えるとき、多くは筋肉内で起こりますが、皮下組織に蓄えられる水分もあります。エイドリアンのケースでは、腹筋の割れが少しユルく見えているのは、この皮下組織の水分量か、若干体脂肪が増えたこと、もしくはその両方の組み合わせが要因でしょう。体重維持カロリーまで食事量を上げると、体脂肪は増えていなくてもこの少しユルくなる感じが出ることが多いです。
できるだけ絞れた状態を維持したい人は、減量期間中に自分の目標とするレベルよりもう少し絞り込んでおくと良いでしょう。ただ、その場合、一時期でも自分の理想とする身体よりも小さくなってしまうことになるかも知れません。

食事量を戻す具体的な作戦例

体脂肪が増え始めるまで段階的に食事量を増やす

食事量を段階的に増やして、体脂肪が増え始めるポイントまで来たら少し食事量を減らします。これで大雑把にですが、体重維持カロリー付近の食事量を出せます。

正しい使い方を知っていれば、皮下脂肪キャリパーが減量後の経過チェックに便利かもしれません。ただ、食事量を戻して身体の水分量が増えると、身体の計測サイズにも影響が出てきます。特に食事量を戻して1週目は水分の変化が出やすいので、2週目以降のデータに注目した方が良いかも知れません。

実際の食事量については、減量後にまず1日あたりの摂取カロリーを250〜500kcal程度増やし、その2週間後にもう一度その半分程度増やすのをオススメします。その後も1週間ごとに少しずつ増やして行きましょう。(慎重に進めるには2週間ごとにしても良いと思います。)

250〜500kcalと幅がありますが、実際の増やし幅は、身体のサイズ・カロリー収支のマイナス幅・減量期間などによって変わって来ます。
また、ウチのクライアントさんは、減量のための有酸素運動をしていないので、この数字は減量後も運動量が変わらないことを前提としています。
この数字は絶対のルールではなく、あくまでも目安なので、ご自身の状況に合わせて考えて下さい。

トレーニング日に高炭水化物・低脂肪、休息日に低炭水化物・やや高脂肪という設定を使って減量をしてきた人にとっては、休息日の食事をもう少し楽しむときです。ほとんどの人が、減量後まず休息日の炭水化物を増やせることになります。その後は、食の好みで炭水化物・脂肪の増やす比率を決めて大丈夫です。
トレーニングは、できるだけ低脂肪を維持したいところなので、できるだけ炭水化物で全体のカロリー摂取量を決めるようにしましょう。

1日あたり400kcal増やすとしたら、以下のような配分が考えられます。

トレーニング日炭水化物+100g
休息日炭水化物+75g & 脂肪+10g

体重変化の傾向を見て食事量を調整

毎朝同じ条件で体重を量って、1週間の平均を出しましょう。2週間続けて体重に変化が無ければカロリー収支が釣り合っていると言えます。体重が増加傾向なら少し食事量を削って、減少傾向なら少し食事量を増やして調整しましょう。ここでも運動量は同じとして考えます。

体重維持のためのカロリー摂取量の見つけ方は以上の通りです。
このように減量後に少し気を付けて工夫をするだけで、食事量をかなり増やしても体脂肪を増やさず、筋肉のハリも出すことができます。
細かな計算をするよりも、ざっくりしたアプローチですが、計算よりも効果的です。

カロリー計算をしない長い目で見た体重維持

カロリー計算を完全に休んで、気楽に食事をしながら体重・体形維持をしたいと思う人も少なくないでしょう。実際、ほとんどの人が可能です。
減量期間に計算をしながら食事管理をした経験から、食事量の感覚や自制心が身に付いて、その後の計算ナシの生活にも良い影響を与えることが多いです。ジム通いは生活サイクルの一部になっていきますし、毎週の体重の推移に合わせて食事量を少し増やしたり減らしたりすれば対応可能です。

ただし、これまでにリバウンドや肥満に苦しんだことのある人は、もう少し注意が必要でしょう。減量のあと3〜6ヵ月程度掛けて、じっくりと慣らして行くのが良いでしょう。時間とともに身体が慣れて楽になっていくと思います。

長期間維持できる体脂肪レベルはどのくらい?

ここでは、精神的におかしくなってしまわない範囲で維持できる体脂肪レベルを考えます。生まれ持った遺伝的要素の他に、環境、意志の強さが関係してきます。

コンテスト時期のボディビルダーのようなギリギリまで絞った状態(体脂肪率3〜5%)をずっと維持できる人は居ません。生存の危機を感じた身体は、空腹感を上げて対抗しようとします。
実際に長期間維持できる体脂肪率には個人差がありますが、7〜12%あたりが一般的に維持可能なレベルだと思います。それが実際どの程度かと言うと、上のエイドリアンは写真左側で体脂肪率9%程度、体験談ページのスコットは8%程度と思います。
この数字は一般的に言われる基準よりもやや厳しいと思いますが、体脂肪率は正確に求められる物ではないので、細かな数字自体にこだわる必要はありません。
また、遺伝・スポーツ・薬物使用などの条件によって、維持可能な体脂肪レベルは変わってきます。

自分でコントロールできる範囲で大事な条件は?

自分の生まれ持った遺伝的特徴は変えられません。体脂肪率のためにスポーツを変えるのは本末転倒ですし、もちろん薬物使用はオススメできません。
コントロールできる条件の中で、自分に維持できる体脂肪率を決める重要な要素をひと言で言うと「体脂肪の少ない身体でいる満足感と、それを維持するために食生活や人付き合いに出る不自由とのバランス」です。

良い身体を手に入れたらハッピーになれると考える人はたくさん居ます。実際ハッピーになれるかも知れません。どちらかと言うと、ハッピーと言うより「憧れの割れた腹筋を手に入れた」という達成感という方が近い気がします。

自分の体形と人としての価値を結び付けて考える人が多くいます。私自身そういう風にとらわれた時期があるので、いまこの記事を読みながらそう感じている人が居れば、その気持ちはよく分かります。
しかし、考え方を変えるとか言うことではなく、毎日の生活の中で、自分の体脂肪率が7%でも8%でも9%でも12%であっても、周囲の人に自分がどう映るかはまったくもって関係がないことに、いずれ自然と気が付くと思います。
食事の誘いを気軽に受けるようになり、ビールを何杯か多めに飲んでも気に病まなくなり、その楽しみは、体脂肪率が2〜3%高くなるストレスよりも大切になります。そもそも体脂肪率2〜3%っていうのは、私たち自身の少しズレた基準でなければ、太ってもなんでもないんです。

さらに、一度そんなに苦しむこと無く身体をバキバキに絞れた経験があれば、その気になればまたいつでもできるという自信を与えてくれます。その自信はとても大きな力になります。

よくある質問

2〜4週間掛けて体重維持レベルまで食事量を戻すのはなぜ?

2〜4週間という期間設定は、アラン・アラゴンのアイデアです。初めは彼のリサーチレビューAARR(英語)に書かれているのを見て、その後2回にわたって話を聞きました。(1回目は二人ともウォッカの飲み過ぎで頭に残らなかったので…)
私は、それまでその2倍近い期間を取って食事量を戻していくようにアドバイスをしていました。アランの話を聞いてからこのやり方に切り替えて、かなりの数のクライアントさんの経過を見てきましたが、大きな違いにはならないようです。期間を短くできる分だけ楽になるので、結果的にはこちらの方が効果的でしょう。

なんで計算しないの?

カロリー消費量を計算するのに使える方法は2種類ほどあります。気になる人のために書き出しておきますが、どちらの方法も問題を抱えていてオススメしません。

① 栄養管理の重要度 No.1.カロリーの記事にあるKatch-McArdle式と運動量に合わせた掛け算を使う。問題点は…

    • 体脂肪率を低く見積もり過ぎたり、運動量を高く見積もりすぎたりして、自分の状況に合った答えを出せない人が多い。
    • 一般論を当てはめた推定値に過ぎない。(NEATの個人差)

② 体重減少幅の平均値を出して、そこからカロリー収支のマイナス幅を推定する。通常時と減量期間中の朝の体温の変化を比べ基礎代謝の変化を推定する。問題点は…

    • 体内水分量が変わる事での体重変化を考慮していない。
    • 体温から分かるのも推定値に過ぎない。*参考リンク(英語)
    • NEATの個人差は計算できない。

まとめ

減量後は、2〜4週間掛けてゆっくり食事量を増やして行きましょう。炭水化物を中心に、多少脂肪も足します。体脂肪が増え始めるところまで来たら、逆にカロリー摂取量をすこし減らします。小さな幅で増やしたり減らしたり調整して体重が落ち付くところを探しましょう。

しばらく食事量を計算しながら減量をした後は、細かな計算を休んでも、感覚で食事量調整ができるようになると思います。自分にとって居心地の良い体重の範囲が自然と見つかるでしょう。夏には少し体脂肪が減る傾向を感じたりするかも知れませんが、大きな違いにはなりません。なにより一度やり切った経験があれば、またいつでもできるという気持ちになって、多少体脂肪が増えるのも気にならなくなるでしょう。

ただ、こういう段階にたどり着くにはコツを掴むまで食事管理をやり切るのが第一歩になります。やり方はサイト上に公開していますので、ヤル気の出た方は参考にしてみて下さい。

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イギリス出身のダイエットコーチ兼パーソナルトレーナーです。
日本に住んで12年。たくさんの人にお世話になり日本が大好きになりました。その恩返しに日本では情報の少ない欧米のダイエット方法と、数百人の英語圏のクライアント指導経験で得たノウハウを公開しています。
趣味はスノーボードと読書。コメントの返信は間違いのないように英語を使っていますが、東野圭吾の小説を読むのが好きです。テレビでは「相棒」と「クレヨンしんちゃん」のファンです。

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