「寄り目」ってできますか?苦手な人は度の合わないメガネでも掛けてみてください。
画面がボヤけて見えたら、このピラミッドがイチゴの乗ったショートケーキだとイメージしてください。
ここでちょっと考えて欲しいんですが、もしこのケーキのスポンジ部分がウンコ・鼻クソ・泥・おがくずの層で出来ていたとしたら、上にキレイなイチゴを乗せてもおいしいケーキにはならないですよね?
おかしな例え話ですが、サプリメント業界はみんなに「イチゴがあれば何とかなる」と思わせようとしています。
サプリメントは目的によって、体形改善・パフォーマンス・健康の3種類に大別できます。その効果や重要性は、サプリメントの種類や摂る人の状態によって変わりますが、一般的に大した事はありません。
- 良い栄養管理プログラムにサプリメントを足して補完することはできますが、栄養管理がイイ加減だとサプリメントの出番はありません。
- 体形改善にサプリメントは必要ありません。「サプリメントプログラム」なんて言葉を使う人もいますが、多くの場合、ムダな出費につながります。
インターネットでもフィットネス雑誌でも、上に書いた内容と矛盾するような記事や広告を見かけたら、みなさんのサイフ目当てだと思って良いでしょう。
もし、このピラミッドの初めの4段をまだしっかり押さえていないなら、この記事を読む前にそこを考えてください。どんなサプリメントを買っても、食事内容を改めるほど体形改善に効くことはありません。
プロテインパウダー
プロテインパウダーはサプリメントと言うよりは、便利な代替食品です。まれに筋肉増強剤のような薬品とカンちがいする人がいますが、たんぱく質でしかありません。
筋肉の成長や維持にはたんぱく質がたくさん必要ですが、自分で料理をする時間のない場合などには、脂肪を抑えながらたんぱく質を手早く摂れます。
ホエイ
プロテインパウダーでは最も一般的なタイプです。牛乳に含まれるたんぱく質で、吸収が速いことと、BCAAの含有量が高い(約25%)ことが特徴です。
1日のはじめの食事でたんぱく質の量を増やしたいときなどに使うのがオススメです。
カゼイン
ホエイと同じく牛乳由来。牛乳に含まれるたんぱく質の80%はカゼインと言います。
ホエイとの大きな違いは吸収速度がゆっくりなこと。リーンゲインズを実践される場合はこちらがオススメです。1日の最後の食事で一緒に摂ると長い時間を掛けて吸収されるので、食事を摂らない時間中にも筋肉が分解されるリスクを抑えることができます。
ソイ
大豆のたんぱく質をパウダーにしたもの。吸収速度は速め。植物由来のたんぱく質としてはBCAAの含有量も優秀ですが、ホエイには及びません。
ベジタリアンの方など特別な場合を除いては、ホエイやカゼインの方がオススメです。人気も落ちるので、選べる商品もあまり多くないですね。
トレーニング補助サプリメント
トレーニングで力を出すのをちょびっと後押ししてくれるサプリメント。
BCAA
断食時間中にトレーニングをする場合はBCAAがオススメです。トレーニング中に筋肉が分解されるのを防ぎ、トレーニング後に筋肉の回復・成長にも良い影響が期待できます。トレーニング開始の10分前に10グラム摂りましょう。トレーニング前に食事を摂る場合には必要ありません。
クレアチン
数多くの研究で効果が実証されており、よく分からないサプリメントが多い中で信頼性は抜きん出ています。
ウェイトトレーニング中、限界ギリギリのところで、あと1回・2回ウェイトを挙げる力が出ます。
摂り始めはローディングと言って摂取量を増やすように勧められることが多いですが、一度にたくさん摂るとお腹がユルくなることもあります。長期的に見ると効果は変わらないので、少量ずつゆっくり摂るのが良いでしょう。
クレアチンを使うかどうかは自分次第ですが、ダイエット中はどちらかに決めて途中で変えないようにしましょう。トレーニング記録が変わったり、体内の水分量が変わる事で正確な経過観察ができなくなります。
カフェイン
コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、サプリメントにもなっています。
有酸素運動など持久系スポーツで効果が確認されていますが、ウェイトトレーニングのような無酸素運動にも効果があるかも知れないとされています。
摂取量は200mgが目安。コーヒーから摂るのは大変な量なので、試してみるならサプリメントを使うのが安くて便利です。
その他の使えるサプリメント
健康維持の助けになりうるサプリメントです。
オメガ3
DHAとEPAという魚に含まれる脂肪酸です。特にDHAは少し前話題になって聞いたことのある人も多いと思います。
循環器系の健康や炎症を抑えるなどの他に、脂肪の代謝が進みやすくなる可能性も語られています。特に青魚から摂れますが、魚をよく食べる日本人も含めて十分摂れていないと言われています。
1日あたりDHA1.5グラムとEPA2グラムがオススメの摂取量。サプリメントを使う場合はDHAとEPAの含有量をチェックしましょう。
マルチビタミン
ビタミンやミネラルは普段の食事から摂れるのが一番ですが、バランスの良い食事って毎日続けるのは、なかなか大変です。ダイエットで食事量が減ると、ビタミン・ミネラルが十分に摂れない可能性もありますね。
マルチビタミン1日1錠で微量栄養素不足に保険を掛けられるようなところはあるでしょう。
カルシウム
カルシウム不足はよく聞く話題ですが、摂取量は1日1000mgが目安です。
男性ホルモンの分泌量に影響したり、女性は骨の健康のためにも十分な量を摂りたいですね。
ビタミンD
カルシウムと共に骨づくりに役立つビタミンDですが、いろいろな健康効果の他にスポーツの能力向上につながるとする研究もあります。
ビタミンDは日光を浴びることで摂れますが、屋内での生活がメインになると不足しがちになります。サプリメントで補うことができますが、2000IUを目安に摂ると良いでしょう。
まず要らないサプリメント
ヨヒンビンHCL
体脂肪を落とす効果を謳ったサプリメントですが、実際に少しでも使い道があるとすればこの写真のクライアントさんくらいの体脂肪レベルまでたどり着いてからでしょう。この段階まで来ても有酸素運動を取り入れるのが先になります。
体脂肪の減り方は、あらかじめほぼ決まっていて、部分ヤセというのはできません。体脂肪率が落ちるほど、さらに脂肪を落とすのは難しくなっていきます。
下腹部・お尻・太もも(女性の場合)など、最後まで脂肪の落ちにくい場所がありますが、これは血流が悪いことと、このガンコな脂肪は生理的に特殊だと言うことが原因です。
ヨヒンビンは血行を良くして、このガンコな脂肪を脂肪細胞から血液中に取り出す助けにはなりますが、すでに十分な血流があれば何も変わりません。ヨヒンビンが血液中の脂肪を燃焼してくれるなんてワケではありません。
ヨヒンビンは用量を間違えると危険な副作用があり、最悪のケースでは死に至ることもあるので、使用・販売が禁止されている国もあります。
ヨヒンビンって物自体知らなかった人も少なくないと思います。参考までに販売ページです。冒頭のケーキの話を思い出してください。
こんにちは。
別カテゴリーで何度か質問させて頂いた者です。その節はありがとうございました。
現在、順調にバルクアップ中ですが、扱う重量や強度が高負荷になるにつれ、肩や肘の関節に負担がかかり、重たいものを持つのが怖くなってきました。
ジョイント系(グルコサミンやコンドロイチン)のサプリをお勧めされたのですが、やはりサプリメントにそれほど効果は期待できないものでしょうか。
関節の強化についてサプリメント以外の方法があれば教えて頂きたいです。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。
amandaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
>ジョイント系(グルコサミンやコンドロイチン)のサプリ
積極的に情報を追っている分野ではないのですが、グルコサミンについては、痛みを抑えたりする効果があるかもしれないとされているようです。ただ、その効果は非常に小さいようです。
コンドロイチンについては、いまのところ十分に効果が確認されているとは言えないようです。
医師に摂取を勧められた場合には、過度の期待をせずに摂ってみるという選択肢はあっても良いのかもしれません。
>関節の強化についてサプリメント以外の方法
なにが原因でどういう問題が出ているのかによって対処が変わってくるので、コメントのやりとりではなんとも申し上げられないですね。すみません。
こんばんは。bcaaはトレーニング前に食事をする場合は必要ないとの事ですが、食事は2時間前くらいに食べた方が良いでしょうか?
4251さん、こんにちは。
食べた後にお腹が落ち着いて、トレーニング中に気持ち悪くなったりしないように時間をあけるということです。どのくらい食べるかにもよりますが、2時間くらいというのは良い目安かもしれません。
実生活のスケジュール的に時間をあけるのが難しい場合は、食べる量を控え目にしたり、無理に食べないという選択肢もあると思います。
いつも更新ありがとうございます。
最近ではEAAサプリが出回っていますが、トレーニング前中のタイミングではEAAよりBCAAの方が優れているのでしょうか。
筋肥大効果としてトレーニング前中に摂るのがBCAAよりEAAの方が優れているならEAAを摂取したいのですが、いかがでしょうか。
前田さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
サプリメントを摂るときには、まず普段の食事から摂れる栄養でなにか不足しているかを考えてみるのが大切だと思います。
普段の食事でたんぱく質や必須アミノ酸が不足していれば、EAAを摂る意味はあるかもしれません。ただ、これはたんぱく質の摂り方を考えることでも改善できます。
ウチでは、空腹状態でトレーニングに入る場合にはBCAAをオススメしています。ただ、BCAAもたんぱく質の摂取量が十分であれば、特にそれ以上の効果が見込めるわけではないようなので、空腹時の摂取は積極的に筋肥大を促すよりは、筋分解を避けるという意味合いが大きくなります。
いずれにしてもサプリメントで得られる効果は大きくないので、手持ちのサプリメントで使えるものや、安価で買えるものという基準で選べば良いのかなと思います。
以前からなんども質問させていただいていてまた質問するのは少し気が引けたのですが質問させてください。
今まではサプリメントはほぼプロテインだけしか使っていませんでした。なのでトレーニング前もプロテインを飲んでいたのですが、トレまで少し時間を置かなければいけないことなどもありましてBCAAを購入することにしました。しかし、ネットを見ているとBCAAとプロテインは組み合わせが悪いなどと見かけます。脳へのルートが同じで〜などと書かれています。このよくないというのはあくまで疲労感や集中力においてであって、筋肉への吸収?(効果?)については問題ないのでしょうか。
値段が高めなので時間がとれるときはトレーニング1時間前にプロテインをのんで、トレーニング中に水に溶かしたものをちょびちょび飲もうかなと思っているのですがこれは何かの妨げになってしまうのでしょうか。また、トレーニング中にBCAAを飲み、トレーニング後はプロテインをのむのですが、ここでもBCAAとプロテインの吸収がすこし被ってしまうと思うのですが問題ないのでしょうか。
Mikiさん、こんにちは。
意味のある違いを体感するのはまず不可能だと思います。気持ちの問題という範囲でしょう。
毎日の生活の中でのカロリー収支や三大栄養素の配分のブレを無くすことを考えたりする方が効率的な気がします。
この前トレ前のホエイについての回答ありがとうございました。また質問させてください。
私は最近トレ前にカフェインのサプリを時々とります。トレの集中度や強度が、とてもよくなりました。現在は30-45分前くらいにとっているのですが、どれくらいかなどの基準みたいなものをご存知であれば教えていただきたいと思い書き込みさせてもらいました。おそらくそんなにシビアに考える必要はないとは思いますが、1時間前やそれよりも前だとしても効果は持続するのでしょうか。
Mikiさん、こんにちは。
ライル・マクドナルドの本では、カフェインはトレーニング開始の30分〜60分前を目安に勧めています。摂取から60〜90分ほどでピークレベルに到達するということです。Mikiさんのタイミングはまさに教科書通りですね。
ただ、カフェインは反応の出方に個人差があるので、一般的にどうかよりも、Mikiさんが実際に効果を感じられていることが一番大事ですね。
ありがとうございます!私の飲み方でよかったのですね。ネットでは信頼できるものが見つけられなかったのでとても助かります。
いつも楽しく拝見させて頂いてます
ご質問があります。
空腹時のトレーニングに、体たんぱくの分解を防ぐ意味合いで
BCAAの摂取を有用とされていますが何故でしょうか?
トレーニング10分前の摂取では、トレーニング開始時にはまだ、胃にあると思うのですが?
BCAAは小腸、門脈を経ての代謝経路とは違う経路を辿るのでしょうか?
それとBCAAの摂取は、糖新生の材料という考えでよろしいでしょうか?
長々と質問してしまいましたが、ご回答頂けますと幸いです。
yasuさん、コメントありがとうございます。
なぜ10分前なのかが質問の趣旨かなと思いますが、このページを見ると分かりやすいと思います。
分単位であまりシビアに考えなくても良いと思いますが、ホエイプロテインで代用を考える場合にはもう少し時間を置いても良いと思います。お腹の落ち着き具合と相談ですね。
その他の基礎科学の疑問点は実践に関係ないので割愛します。ご自身で納得するまで勉強されてください。
いつも更新おつかれさまです。
模様替えしたんですね。サイト紹介も充実していい感じです。
次の記事も楽しみにしています。
ありがとうございます。
どうすれば読みやすいか試行錯誤してたんですが、一般的なブログ形式で手を打つことにしました。
次は経過チェックの仕方についての記事です。また感想なんか聞かせてもらえると嬉しいです^^