今回はいつものスポーツ栄養学や、トレーニングの具体的なテーマを取り上げた記事ではありません。
ゴールデンウィークの数日間を利用して、アメリカで行われた「フィットネスサミット」というイベントにアンディと参加してきました。
とても密度の高い2日間だったのですが、特におもしろいと感じたところを要約してご紹介します。
カンファレンス
「サミット」という名前が付いていますが、カンファレンスと呼ばれる種類のイベントです。アメリカのフィットネス界の第一線で活躍するトレーナーや栄養士が集まり、それぞれの専門に関するプレゼンテーションを行うというもの。
2日間の日程で、1日目はトレーニング関係、2日目に栄養管理の専門家と分けられ、各テーマでまさに最先端の非常に濃い話を聴くことができました。
トレーニング関係
ブレット・コントレラス(大臀筋のスペシャリスト)
ブレット・コントレラスは大臀筋のトレーニングに関して世界トップの知識とノウハウを持ったトレーナーと言われています。
大臀筋の強化は、女性のヒップアッップのみならず、背面の筋肉の中でスプリンターにとって最も重要な部位だと話していました。
スクワットやデッドリフトでも大臀筋は使われますが、さらに効果的なトレーニング種目としてヒップスラストを紹介し、実際に大臀筋に効かせるためのフォーム指導をしてくれました。
参考リンク:http://bretcontreras.com/
エリック・クリシー(肩のスペシャリスト)
エリック・クリシーはボストン郊外にトレーニング施設を持ち、青少年スポーツからオリンピックレベルまで幅広いアスリートのトレーニング指導をしています。
さらに数多くのメジャーリーグの野球選手がオフシーズンの強化や故障対策のために集まることでも有名です。
今回は肩甲骨の角度や動かし方について、非常に高度な内容のプレゼンテーションがありました。
参考リンク:http://www.ericcressey.com/
栄養管理関係
カサンドラ・フォーサイス(女性の体形改善のスペシャリスト)
カサンドラ・フォーサイスは運動学の博士号の他、栄養士やトレーナーとして主な資格を網羅していますが、主に女性の体形改善のための食事管理についてのプレゼンテーションでした。
女性は1ヵ月の体内サイクルの影響で、主に燃焼しやすい栄養素が変わる(炭水化物⇔脂肪)ので、それに合わせた摂取量設定ができると効果的とのこと。女性のダイエット成功には精神的な落ち着きを確保することの重要性も説いていました。
「ガンバった自分へのご褒美に食べ物はダメ。犬じゃないんだから!」という話がとても印象的でした。
参考リンク:https://twitter.com/cassforsythe
マイク・ネルソン(体形改善のスペシャリスト)
マイク・ネルソンは運動科学の博士号を取得予定のトレーナーで、今回は栄養摂取に関するプレゼンテーションでした。
インスリンの分泌量が炭水化物と脂肪の燃焼を切り替えるスイッチとして機能すること。
野菜や果物に含まれる微量栄養素が脂肪細胞を小さくし、細胞の機能向上につながる可能性があること。
たんぱく質の重要性はもちろん、健常者がたんぱく質をたくさん摂ると腎不全に陥ると考えるのは誤りなど、有用な情報がたくさんありました。
全体的に十分な科学的根拠を示しながらのプレゼンテーションでしたが、「完璧主義者にならず、まずいまより良い状態を目指そう」というメンタル面でのアドバイスもありました。
参考リンク:http://miketnelson.com/
アラン・アラゴン(スポーツ栄養学のスペシャリスト)
2日間のイベントの取りを飾ってくれたのは、当サイトでも多数の翻訳記事を紹介しているアラン・アラゴンでした。
アメリカで騒がれているパレオダイエットや、砂糖が肥満に直結するという考え方など、特定の食品を避けるダイエット理論の矛盾点をデータを使って解説。
ヒトの身体の食に対する対応力は非常に高く、ある特定のダイエット法や三大栄養素バランスに固執しなくて良いという結論は非常に説得力があり心強かったです。
アメリカ全土からトレーナーなどフィットネス界で働く人たちが熱い視線を送る中、見事なプレゼンテーションでした。
※ パレオダイエット:狩猟採集時代の食生活がヒトの身体に一番適しているという考えで、牛乳・穀物・加工食品などはすべて食べないダイエット法。
参考リンク:http://alanaragon.com/
雑感
プレゼンテーションをする側も、聞く側もほとんどがフィットネス界で働くプロ達。かなりトレーニングを積んでいるとひと目で分かる方も多く、全体の知識レベルも非常に高かったです。
当サイトはトレーニングよりも栄養摂取に関する情報に軸足を置いていますが、トレーニング関係の情報の奥深さには脱帽でした。栄養面に話が移ると全体に当サイトもほぼ考え方は一致しており、サイトが良い方向に向かっていることを確認することができました。
アメリカ国内でのイベントにあって、イギリス出身のアンディと日本出身の八百はやや珍しい存在でしたが、驚くほど多くの方が姉妹サイトRippedBody.jpをご存知で、暖かく迎えて頂きました。
仲良くなれた人も多く、新しい発見もあり、実り多いアメリカ研修でした。これから紹介できる翻訳記事の幅が広がるかも知れません。
まだ先の記事を読んでませんので、そのうち出てくるかもしれませんが…
「女性は1ヵ月の体内サイクルの影響で、主に燃焼しやすい栄養素が変わる(炭水化物⇔脂肪)」これ、ぜひ内容を知りたいです!
見たらサイトはリンク切れになってるし、どうせ英語は読めないので…
petitpiaf111さん、コメントありがとうございます。
>ぜひ内容を知りたいです!
これについては、論拠になる一次情報を教えて欲しいと、カンファレンスのあとに連絡してみたのですが、返事をもらえませんでした。
>サイトはリンク切れ
しばらくサイトはリンク切れの状態が続いているようです。他のサイトを立ち上げたわけでもないようなので、サイトの復活を期待してリンクを残していたんですが、現時点で活動が確認できるTwitterにリンクを変更しました。
はじめまして、アメリカ出張おつかれさまでした。
世界の情報を日本語にしてわかりやすく教えていただけるこのサイトは本当に素晴らしい存在だと思います。もっともっと日本にもこういう本物のダイエットを教えてくれる情報源が増えてくれたらうれしいんですが・・・。
質問なのですが、ジムに行けない人でも個人相談に申し込めばトレーニングのメニューを教えてもらえるんですか?自宅でやりたいんですが、どんなメニューでやったらいいのかがよく分からず悩んでます。スクワットとデッドリフトとベンチプレスをダンベルでやっても効果あるんでしょうか?デッドリフトは負荷が足りない気がしますが・・・。
はじめまして、コメントありがとうございます^^
ときどき英語圏の記事を日本語訳しているサイトを見ることがありますけど、まだまだ少ないのと、内容がマニアックになり過ぎることが多い気がします。
いかに実践につかえるかが大切だと思うので、なるべくバランスの良いサイト作りをしたいと思ってます。
トレーニングですけど、自宅でも可能です。個人相談ではトレ環境に合わせてアドバイスはさせて頂いてます。効率という意味では、最終的にどんなトレ用品が使えるかがポイントになってきますね。
興味があれば申込みフォームから詳細を送って頂ければと思います^^
お返事ありがとうございます。
了解です。近いうちに申し込むかもしれませんので、そのときはどうかよろしくお願いします。
分かりました。こちらこそよろしくお願いします^^
こんばんは。とても充実した二日間を過ごされたようですね。
日本では考えられないので、もう少し日本の方でもこういう場が設けられること切に願っています。
コメントありがとうございます^^
大事な話を逃がさないように、メモ帳片手に聞き入った2日間で、終わったあとは頭がボーっとしました(笑)
たしかに日本では横のつながりがもう少し薄いかも知れないですねぇ。