今日のテーマは、スクワットの深さです。
スクワットの深さが筋肥大効果に与える影響は、以前にも本橋がサイトで記事にしたことがあります。今日はそれ以降の研究で得られた知見を紹介します。
この研究ではハーフスクワットとフルスクワットでの筋肥大効果の違いを調べました。
△ ヒザの角度の違いがポイント
この研究ではハーフスクワットでヒザを90度まで、フルスクワットでは140度まで曲げました。140度は可動域のほぼ限界までしゃがみ込むフォームです。
この2種類のスクワットを10週間続けたところ、部位によって効果にハッキリ違いが見られました。まず、どちらもフォームでも筋肥大効果に違いがなかった筋群です。
大腿四頭筋はどちらのフォームでもしっかり筋肥大が確認されました。
逆に、ハムストリングではほとんど筋肥大が起こりませんでした。スクワットは下半身を鍛えるのに万能と言われることがありますが、実はハムストリングへの効果は期待しにくい種目です。トレーニングの王様にも苦手があるのですね。
次に、フルスクワットで効果が伸びた筋群です。
大臀筋と内転筋でフルスクワットの方が効果が高くなりました。
内転筋は股関節を伸ばす働きを持っていて、スクワットで強く刺激されます。下半身のトレーニングであまり注目されにくいかもしれませんが、強くて太い脚を作るなら大事な筋肉です。
△ 内転筋で内モモに迫力プラス
この研究では大腿四頭筋の効果に違いがなかったのがおもしろいところです。
大腿四頭筋は深くしゃがむことで効果が高まると考えられることが多いですが、ハーフスクワットでもほぼ同程度の効果が出ています。これはヒザを90度曲げたという角度がポイントだったのでしょう。
以前に行われた別の研究ではヒザを60度と120度曲げる条件を比べて、120度の方が明確に効果が高くなったと報告されています。
研究ごとに他の条件が違ったりするので、角度の数字をそのまま自分のトレーニングに当てはめられるわけではないのですが、しゃがみ方が浅すぎるとやはり効果が下がると考えることはできそうです。
そして、ある程度までしゃがめば大腿四頭筋の筋肥大は得られ、大臀筋と内転筋も刺激したいならさらに深くすると考えると良いかもしれません。
スクワットの深さに悩んでいる人がいれば、何かの足しにしていただければ幸いです。
2025/8/1 文責:八百 健吾