1973年、15歳のときジムでトレーニングを始めました。
ちょうどアーノルド・シュワルツェネッガーがボディビルダーとして全盛期にあった頃で、雑誌などのメディアでは注意書きや警告もなく彼のトレーニング法が広く勧められていました。
「ボディビルチャンピオンのプログラムはこうだ。同じように鍛えて、食べて、サプリメントを摂れば君もチャンピオンになれる!」といった調子です。
当時の私は良い身体になりたいということで頭がいっぱいでした。ボディビルディングの知識を深め、自分のトレーニングや回復に活かす事ばかり考えていました。
ただ、私は、正しい情報と間違いを見分けることができませんでした。有名なボディビルダーの勧めるトレーニング法と書かれていれば、すべてを鵜呑みにしてマネしていました。
ジムでは他の誰よりもキツいトレーニングをこなして、食事は完璧、睡眠も十分、サプリメントもたくさん摂りました。ボディビルディングにすべてを捧げる生活を送りましたが、長いあいだ成果が出ませんでした。
何年も後になって、やっとなぜ結果がついて来ないのかが分かりました。
- 並はずれた筋肥大が可能なほど遺伝的に恵まれていなかった。
(筋肉を増やすのに遺伝はまったく関係ないと考えていたのです。)
- アナボリック・ステロイドを使っていなかった。
(ビタミン、ミネラル、プロテインを摂ればチャンピオンのようになれると信じていたのです。)
ボディビルのスター選手のマネをしても良い身体はつくれない
オーバートレーニング、ケガ、体調不良。
スター選手たちのトレーニング内容をマネしても、良いことはありませんでした。数えきれないほどたくさんのトレーニーたちが同じように苦しむ事になりました。
同じことがいまも続いています。それは、1970年代、80年代に脚光を浴び、私も含めて多くのトレーニーを間違った方向に導いた「教え」がいまも同じように謳われているからです。
ボディビルチャンピオンたちは、何百万という人たちを刺激し、奮起させてきましたが、同時に何百万という人を迷わせる結果にもなったのです。