2025年にJBBF岐阜県ボディビル選手権で優勝された選手を紹介します。小川さんといいます。
小川さんは、高校生の頃からトレーニングを始め、2018年に一度ボディビル大会に出場されています。
このときは4位入賞という結果を得たのですが、本人としては納得のいかない経験になりました。コンテスト前の減量で体脂肪が十分に落ち切らず、筋肉を大きく落としてしまった感覚があったそうです。
小川さんはこのコンテストが自信にならず、トラウマになったと話してくれました。
コンテストに向けた準備期間には、厳しいトレーニングと食事制限がついてきます。しかし、思うように身体が変わらないと、「自分には身体を変えることができないのではないか」と無力感に苦しむ選手がいます。
小川さんは減量に対する苦手意識ができていたものの、コンテストに再挑戦したい気持ちを持っていました。
「同じ失敗を繰り返すのは怖い。でも、諦めたくない。」
そうした葛藤の末、AthleteBodyのコーチングにお申込みいただきました。
減量計画
申込みをいただいた時点での体重は97kgで、体脂肪量がかなり多い状態でした。しっかり絞れたコンディションを作るには、25kg程度の減量が必要と見積もりました。これはかなり大掛かりな減量になります。
小川さんが目標としていたのは約10ヶ月後のコンテストでした。減量期間として長く時間を取れるのは良いのですが、減量幅が大きいので簡単に見通しを立てることができません。
一般的にボディビルの減量では、減量期間の序盤に速いペースで体重を落とし、後半にペースをゆるめるとうまくいきやすいです。

こうすることで体脂肪率が低くなって減量が厳しくなる時期を乗り越えやすくなります。
小川さんの場合、コンテストまでに絞り切るため、序盤には1ヶ月あたり3〜4kg程度の減量ペースを狙うことにしました。これは小川さんの条件で筋肉が落ちるリスクを抑えつつ減量できるギリギリのペースです。
一般的な感覚と比べるとかなり速いペースの減量で、そのぶん食事制限も厳しくなります。10ヶ月の減量を停滞なく完遂するため、身体への負担や疲労の出かたに注意しながら進めました。
疲労がキツくなると、食事制限、トレーニングを継続できなくなり、仕事や体調にも影響が出ます。何を優先すべきかを整理すると、疲労はトレーニングで調整することになります。
トレーニング設計
トレーニングについて、小川さんはコーチング開始前に週4〜5回でかなり高ボリュームの内容を実施されていたところ、セット数を減らしてもらいました。食事制限を続けながらも身体が回復できる範囲におさめるためです。
また、減量が進むにつれて、さらにセット数を減らしていきました。
小川さんとしては、トレーニング量を減らすことに不安があったそうです。コンテストに向けてできる限りのことをやろうと思う選手にとっては自然な気持ちでしょう。
しかし、実際にセット数を減らしてみると体力面に余裕が生まれ、挙上成績は最後まで落とさずに済みました。

挙上重量は各種目への慣れや体調なども影響するので、重量が伸びているだけで筋肉が増えたとは言えないのですが、食事制限でボロボロになってしまうと重量を維持することもできなくなるものなので、挙上成績が上向いていったのは明確に良いサインです。
途中経過
全体の疲労や体調に注意しながら減量を進める中で、小川さんの印象に残ったのが、食事管理が続けやすく、体脂肪も順調に落ちてくれたことでした。
減量開始から7ヶ月の時点で体脂肪は大きく落ち、コンテストまでに仕上げられる見込みが立つようになってきました。

ここから減量終盤に入ります。体脂肪が減るほど、そこからさらに落とし切るのは難しくなります。
倦怠感が強くなって身体を動かせなくなってきたり、代謝が落ちて少し体脂肪を落とすのにも厳しい食事制限が必要になったり、空腹感が強くなって食事制限を続けることが難しくなったりします。

しかし、コンテスト3ヶ月前の時点で体脂肪を大部分落とせていたので、残り期間内に十分絞り切ることができ、さらにコンテストに向けたカーボローディングの練習に1ヶ月程度の期間を取れると判断しました。
そこからの終盤3ヶ月は、食欲がコントロールできず食べすぎてしまった日が何度かありました。本人は「手をつけたら止まらなくなった」という感覚だと話してくれました。
体脂肪を限界ギリギリまで落とした身体で食事制限を続けていると、ごく自然な行動です。ただ、こういうとき選手は罪悪感に苦しんでしまうことが多いものです。その度に「これまでに行ってきたことを淡々と続けましょう」と確認しました。
小川さんの場合、はじめの7ヶ月でしっかり体脂肪を落とせていたので、この時点で多少食べすぎる日があっても減量計画には余裕を持てる状態ができていました。減量プログラムのカロリー摂取目標を少し増やすと、空腹の問題も和らぎ、スムーズにコンテストを迎えることができました。

コンテスト当日は体脂肪をほとんど残さず、申し分ないコンディションに持っていくことができました。脚に関しては、それぞれの筋肉の輪郭がはっきりと浮かび上がり、小川さんにとって大きな強みになっていたと思います。

結果は優勝。
小川さんは、コンテストを振り返って「人生が180度変わったように感じました」と話してくれました。
2025年のシーズン、小川さんにはいくつか学びがありました。
- トレーニング量を減らし疲労を管理する考え方
- 途中でうまくいかなくても、気持ちを切り替えて普段通りの行動に戻す心構え
競技に真剣に取り組む人ほど、「辛さに耐えてこそ成果が現れる」と無茶をしがちです。
しかし実際には、「辛いかどうか」で成果が決まるわけではなく、「自分の状況と目的に合った行動を取り続けられているか」が重要です。
小川さんにとっては、コンテスト出場に向けた計画を立て、減量前半に速めのペースで体重を落としたり、回復を重視してトレーニング量を減らしたりすることが、本当に必要なことでした。
小川さんは2018年のコンテストから減量に苦手意識を持っていましたが、今回の経験を通じて「自分に合ったやり方であれば、成果は出せるのだ」と、競技者としての自信を取り戻すことができました。
パーソナルコーチング
AthleteBody.jpではパーソナルコーチングを提供しています。
各個人の現状や目標に合わせてプログラムをお作りするサービスで、ボディビルコンテストに向けた指導も承っております。
パーソナルコーチングの詳細は申込みページでご確認ください。