体脂肪を減らすには、カロリー収支をマイナスにすることが必要です。それには、食事制限でカロリー摂取量を減らすのが効きますが、運動でカロリー消費量を増やすという方法も考えられます。一般的に、時間を掛けて長距離を走ったり泳いだりする有酸素運動がよく使われます。
最近では、有酸素運動よりも体脂肪を落とす効果が高いとして、「高強度インターバルトレーニング」という運動が注目を集めています。
有酸素運動よりも高い効果が得られるワケとして、次のようなことが語られています。
- 体内で体脂肪を分解する物質がたくさん出る
- 運動中に多くのエネルギーを消費できる
- 運動後は何もしていないのにエネルギーを消費し続ける
高強度インターバルトレーニングを行うと、本当に身体の中でこんな起こるのか?そして、本当に有酸素運動よりも体脂肪を落とすことができるのか?について考えたいと思います。
高強度インターバルトレーニングってなんだ?
高強度インターバルトレーニングという言葉をはじめて耳にする方もいるかもしれません。まず、どういう運動なのかサッとご紹介します。
高強度インターバルトレーニングは、英語では「High Intensity Interval Training」と書きます。その頭文字をとってHIIT(ヒート)と省略されることがあります。以降この記事では、高強度インターバルトレーニングを「HIIT」と表記してお話を進めていきます。
HIITは、息が切れるくらいに強度の高い運動と、強度の低い運動を交互に行うトレーニング法です。全力ダッシュとゆっくりと歩くのを交互に行うと言うとイメージがつかみやすいかもしれません。思い切り強度の高い運動と、とても強度の低い運動を交互に繰り返すことがポイントで、運動の種類は問いません。例えば、自転車や水泳などが用いられることもあります。
HIITは強度が高くキツいため、有酸素運動のように長い時間続けることは難しいです。やり方によっては、数分間で疲労困憊してしまうこともあります。
HIITを行うと体脂肪を分解する物質が出る
HIITが体脂肪を落とす効果が高いのは、体内で体脂肪を分解する物質が出るからだとされています。
- アドレナリンなどのカテコールアミンという物質
- 成長ホルモン
研究1:体脂肪の分解を比べる
実際に、HIITのように強度の高い運動をすると身体の中でこういう物質が多く出ることが見られています。例えばこの研究では、被験者を2グループに分けて、条件の違う自転車運動を行ってもらい、アドレナリンの出方に違いが出るかを調べました。
- HIIT:30秒間の強度の高い運動と、4分30秒間の強度の低い運動を交互に行う。それを4回繰り返す。
- 有酸素運動:ややキツめの強度の運動を60分間行う。
運動を終えたすぐ後では、HIITの方が有酸素運動よりもアドレナリンが多く出ていたことが見られました。
しかし、アドレナリンがたくさん出ていたとしても、必ずしも多くの体脂肪が分解されるとは限りません。
この研究では、どれだけの体脂肪が分解されているのかを知るために、血液中の脂肪酸の量が調べられています。体脂肪が多く分解されているほど、脂肪酸が血液中にたくさん見られるはずです。
すると、アドレナリンの出る量が少なかった有酸素運動の方が、運動後の脂肪酸の量は多かったことが見られました。
体脂肪がたくさん分解されていたとすると有酸素運動の方が良いのか?という疑問が出てくるかもしれませんが、ここで注意が必要です。
体脂肪が減るためには、分解された脂肪酸が燃焼する必要があります。アドレナリンや成長ホルモンによって体脂肪が分解されたとしても、それが燃焼されるかどうかは普段からのカロリー収支にかかってきます。カロリー収支がマイナスでなければ分解された体脂肪は燃焼されることはなく、体重や体脂肪の減少にはつながらないのです。
そこで、HIITによる体脂肪への効果を見るには、HIITを行うことでカロリー収支がどのように変わるのかを見ていく必要があります。
HIITは運動中に多くのエネルギーを消費できるか
HIITの方が有酸素運動よりも体脂肪を減らす効果が高いのだとすれば、HIITの方が有酸素運動よりもカロリー消費量が多くなると考えられます。運動に関連するカロリー消費量は次の2つに分けて考えることができます。
- 運動中のカロリー消費量
- 運動後に代謝が上がって起きるカロリー消費量
まずは、HIITと有酸素運動とで運動中のカロリー消費量に違いが出るのかを見ていきましょう。
研究2:カロリー消費量を比べる
この研究では、2グループの被験者に、それぞれ次の条件で自転車運動を行なってもらい、運動中のカロリー消費量を比べました。
- HIIT:60秒間のキツい運動と、60秒間の軽い強度の運動とを交互に行う。それを10回繰り返す。
- 有酸素運動:そこそこキツイ強度で50分間の運動を行う
運動中のカロリー消費量は図6のようになりました。
HIITが352kcalだったのに対して、有酸素運動は547kcalで、有酸素運動の方がカロリー消費量が大きくなりました。
図5に示したように、この研究では、HIITが20分に対して有酸素運動は50分間行われたので、これがカロリー消費量の差につながったと考えられます。
HIITは運動後にエネルギーを余計に消費し続けるか
HIITでは、運動中のカロリー消費量が少なかったとしても、運動後に代謝が上がることで、さらにカロリーが消費され続けて、体脂肪が落ちると言われています。
研究2では、運動中だけではなく1日の総カロリー消費量が調べられています。
HIITを行なった場合と有酸素運動を行なった場合とを比べても、ふたつの運動の間に1日のカロリー消費量に違いは見られませんでした。
運動後にカロリー消費が増える効果について、過去の研究をまとめた論文によると、運動後のカロリー消費量の増え幅は運動中で消費された6〜15%にとどまることが見られています。例えば、運動中に300kcalが消費されたとしても、運動後のカロリー消費量の増え幅は45kcal程度にとどまるということになります。これは小さなあめ玉2〜3個分にしかなりません。この論文では、運動後のカロリー消費量の変化は体脂肪を減らすための決定的な要因にはならないとされています。
HIITは有酸素運動よりも効果的に体脂肪を落とせるのか?
ここまでは、運動を一度だけ行った時の身体の反応やカロリー消費量の違いを見てきました。ここまでご紹介した研究のデータを見る限りでは、HIITを行うことで有酸素運動よりも必ずしもカロリー消費量が増やせるとは言えないようです。
ただ、運動中や運動後のカロリー消費量は、HIITか有酸素運動かという違いだけでなく、運動の種類・強度・実施時間によっても変わりますので、研究が行われたときの条件によって結果にバラつきが出ます。
つまり、HIITの方が有酸素運動よりもカロリーを消費したり体脂肪を落としたりする効果が本当に大きいのか、ひとつの研究で答えを出すのは難しいということになります。こういう場合、同じテーマで行われた研究をたくさん集めて、どういう結果が出ているかをまとめることで全体の傾向が見えてきます。こういう研究をまとめる研究は「メタ解析」と呼ばれ、最も信頼性の高い科学的エビデンスとされます。
△ HIITに関する科学的知見
研究3:体脂肪への効果の研究データをまとめたメタ解析
これまでにHIITと有酸素運動での体脂肪への効果を比較するというテーマで行われた研究データをまとめたメタ解析が発表されています。このメタ解析は次のような内容です。
- 31の文献が解析された
- 被験者の合計数は837人
- 運動には、自転車、ランニング、水泳、ボクシングが用いられている
- 研究が実施された期間は4週間から16週間
このメタ解析では、集められた研究データから、体脂肪への影響はどうなのかまとめられています。
体脂肪率の減り幅は、平均してHIITで1.26%、有酸素運動で1.48%減っていたことが見られました。
体脂肪量の減り幅は、平均してHIITでは1.38kg、有酸素運動では0.91kg減ったことが見られました。
このメタ解析に含まれた研究は4〜16週間という実施期間でした。HIITでも有酸素運動でも体脂肪率の減り幅が1%前後、体脂肪量の減り幅が1kg前後というのはサビしく感じるかもしれません。
結局のところ、確実に減量を進めていくには、目標とする減量ペースに合わせてカロリー収支をマイナスにすることが大切です。このメタ解析では、食事のルールが設けられていた研究はほとんどありませんでしたので、被験者はいつも通りの食事を摂っていたはずです。運動をしてカロリー消費量が増えても、それ以上食べていたら体脂肪は落ちません。
HIIT vs 有酸素運動
体脂肪を効率的に落とす運動として注目を浴びている高強度インターバルトレーニング。ここまでご紹介した内容から、この運動についての考え方は次のようにまとめることができます。
HIITは体脂肪を減らす特別な方法ではない
体脂肪が減るかはカロリー収支で決まります。運動によるカロリー消費量は運動量によって変わりますが、HIITに体脂肪を落とす特別な効果があるわけではありません。
減量には食事管理が必要
HIITでも有酸素運動でも、ある程度カロリー消費量を増やすことはできますが、それ以上に食べてしまえば体脂肪は落ちません。確実に体脂肪を落とすためには、なんらかの食事管理が必要になります。
筋トレと同時に行う場合は注意が必要
HIITでも有酸素運動でも、筋力トレーニングと同時進行で行う場合はいくつかの注意点があります。各々の目的に合わせて次のようにしてみてください。
- 筋トレによる身体づくりを優先したい人
HIITや有酸素運動を筋トレのプログラムに追加する必要はないかもしれません。筋力トレーニングに加えてHIITや有酸素運動を並行して行うと、筋トレからの回復に支障が出る心配があります。また、筋力や筋肉量の伸びといったトレーニング効果を抑えてしまう可能性もあります。目的に合わず遠回りになる可能性も出てきますので、基本的には筋力トレーニングと食事管理に専念するのが確実です。 - 心肺機能を高める必要のあるスポーツ競技者
HIITが心肺機能を鍛えるのに有効であることは別のメタ解析によって示されているので、活用できる場面はあるかもしれません。有酸素運動よりも時間効率が良いのが特徴です。実際にどう取り入れるのが良いかは、ご自身の競技でどういう体力要素(筋力、筋肉量、体脂肪レベル、心肺機能など)がどれだけ必要になるかで変わってきます。ご自身のスケジュールや回復力に合わせて頻度を調整していきましょう。
好みや体力レベルに合わせて運動を選ぶ
HIITは有酸素運動よりも体脂肪を落とす効果が6倍も高いと宣伝されることがあります。しかし、実際にはHIITを行うことで魔法のように体脂肪が消えてしまうということはないので、今回は注意をうながすという意味で記事としてまとめました。ただ、この記事ではHIITをやっても無駄だということを言いたいわけではありません。
HIITを楽しいと感じる人もいますし、実施する時間が短くても心肺機能を高められることが魅力的に感じる人もいます。反対に、HIITを行うことでキツすぎて続けるのは無理と感じる人もいれば、めまい、吐き気、嘔吐といったことを経験する人もいます。
最終的にはご自身の目的、好み、体力などに合わせて運動を選ぶのが良いと思います。
トレーナーの端くれをしているもので
日々勉強中で、
いつも大変参加にさせていただいております。
質問なのですが、HIITは有酸素運動に比べて
筋量の減少か少なく済む。
というのを拝見した事があるのですが
その点についてはどうお考えでしょうか?
ガンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
>HIITは有酸素運動に比べて筋量の減少か少なく済む
HIITと有酸素運動だけで比べるとそういう違いがあるとは言えるかもしれません。
実際には、目的に合わせてプログラムを組むときにHIITか有酸素運動だけに手段を絞って考える必要はないので、あまり大きな意味を持たないように思います。
AthleteBody.jpで指導させていただく場合、筋肉を維持するという目的でHIITを使うということはないですね。
訂正
>有酸素運動は乳酸がたくさん血中に
有酸素運動は脂肪酸がたくさん血中に
の間違いです
脂肪酸の数値などとても興味深かったです
有酸素運動は乳酸がたくさん血中に放出されているのではなく、HIITより活用効率が悪くて血中に多くとどまっている可能性もあるのかななど妄想しています
乳酸のような長らく誤解されいた例もあり、人間の体は本当に奥が深いですね
せなさん、コメントありがとうございます。
私も、調べれば調べるほど身体は複雑で奥が深いと感じます。
また、身体の中でいろいろなことが起きていても、身体づくりにとって重要なのは、目的に応じてカロリー収支を管理することというシンプルな結論になるのも興味深いですね。
いつも為になるお話しありがとうございます。
研究2:カロリー消費量を比べる項目について質問させてください。
【移動距離について】
自転車の移動距離が書いていないので、気になったんですが移動距離はA・B同一なんでしょうか?
有酸素運動は移動距離と消費カロリーがほぼ比例すると考えていますので、ここが出ていないと公平では無いような気がします。
【効率について】
研究2の結果だけ見れば、HIITの方が時間効率の良い運動にはなってますよね?
10分単位で見れば、HIITが176キロカロリーで中強度が110程度。HIITを1時間するのは無理でしょうけど、タイトルにあるガンガン消費する?の答えに対しては、Yesの気もするんですけど、どうなんでしょうか?(例えば、朝30分・夜30分行うとか)
下塚さん、コメントありがとうございます。
>移動距離はA・B同一なんでしょうか?ここが出ていないと公平では無いような気がします。
気になるところは論文を直接ご確認いただくのが確実ですが、研究2では移動距離についてのデータは報告されていません。
この研究は、HIITと有酸素運動とで一般的に行われているやり方を比較した場合に、カロリー消費量にどんな違いが出るのかを調べているものなので、移動距離が合っているかは研究の趣旨ではないのだと思います。
>研究2の結果だけ見れば、HIITの方が時間効率の良い運動にはなってますよね?
HIITの方が運動強度が高ければ、距離あたりのカロリー消費量が大きくなるのは自然とは言えるかもしれません。ただ、仮に移動距離をそろえても、高強度と低強度の時間の組み合わせによってカロリー消費量は変わってくるので、ひとつの設定でHIITの時間効率が良い悪いという結論は出すべきではないと思います。
>HIITを1時間するのは無理でしょう
これは重要なところですね。研究2は1回の運動が1日のカロリー消費量にあたえる影響を調べた結果ですが、仮に1日だけ30分のHIITを2回こなせたとしても、体脂肪を落とすには長期的に続けられることが必要になります。カロリー収支がマイナスの状態で、さらに筋力トレーニングと並行して行うとすると、十分に回復が追いつく人の方が少ないのではないかと思います。
>タイトルにあるガンガン消費する?
このタイトルでは、10分あたり数十kcal程度の違いが出るかどうかということを論点としていませんでした。(上記のように、長期間にわたって毎日1時間というような設定は現実的ではないことを前提として。)一般的に体脂肪を落とす目的のためにHIITを推す情報を見ると、もっと極端な宣伝がされているので、そこへの注意喚起というのが、このタイトルの趣旨です。
本橋様
ご丁寧な返信ありがとうございます。こちらの曖昧な問い掛けにもしっかりとご理解のうえ、ご回答いただいて嬉しいです。今後の質問は、曖昧にならないように注意します。
今後も質問させていただく時は、よろしくお願いします。
非常に興味深く拝読させていただきました。
この記事が出る前からHIITは本当に体脂肪の減少に効果的か?というのがチラホラ出てきていたので、そちらもチョイチョイ見てはいましたが、この記事を拝読して確信しました。
自分は仕事の開始、終了時間、休日が不定期な仕事をしている為、週3回のトレーニングルーティンの修正、帳尻合わせとしてダブルスプリットを入れる事が多いのですが、筋肥大と体脂肪減少 しっかりその時の目的を持って取り組もうと改めて感じました。現在、遅ればせながら減量真っ只中で1カ月で体重、体脂肪共に4キロ/4%減で順調なペースできています。
フランクメドラノ氏が推奨している代謝レジスタンストレーニングもHIITの一環と認識して宜しいでしょうか?
(YouTubeでフランクメドラノ氏本人が動画を公開しています)
五十嵐さん、コメントありがとうございます。
>フランクメドラノ氏が推奨している代謝レジスタンストレーニング
フランクメドラノ氏というのは初めて聞きました。YouTubeで見られるビデオでは、運動の種類がさまざまで、どういう目的でどういうプログラムを使うのかといった情報が得られないように思いました。ウチとは違うアプローチだと思うので、なんとも言えないですね。
ご返信ありがとうございます。
疑問点について本橋さんにアドバイスを頂けると、進んでいる方向に疑問符を抱かずに済みます。
やり方が自分自身に合っているのかと調整しながら進んでいきたいと思います。
ありがとうございました!
いつも楽しく拝読させていただいております。ありがとうございます。
ボディビル競技としての観点から質問をさせてください。
「筋トレによる身体づくりを優先したい人」の箇所で、「基本的には筋力トレーニングと食事管理に専念するのが確実です。」とのことですが、これは減量中(筋肉はなるべく落とさずに体脂肪を減らす、と言う意味での減量)にも当てはまることなのでしょうか?
「筋トレによる身体づくりを優先したい人」の定義は「筋トレによる(筋肥大を目的とした)身体づくりを優先したい人」という認識なのでしょうか?
よろしくお願い致しますm(__)m
ice_boxさん、コメントありがとうございます。
>「筋トレによる身体づくりを優先したい人」の定義は「筋トレによる(筋肥大を目的とした)身体づくりを優先したい人」という認識なのでしょうか?
ここでの「筋トレによる身体づくり」とは、増量期であれば「筋肥大」、減量期であれば「筋量を維持しながら体脂肪を減らす」ということになります。
>「基本的には筋力トレーニングと食事管理に専念するのが確実です。」とのことですが、これは減量中にも当てはまることなのでしょうか?
減量中であっても、筋力トレーニングと食事管理に専念するのが確実だと考えます。
減量中に筋力トレーニングを行っているのであれば、HIITを取り入れなくても、それが筋量を維持するのに十分な役割を果たしています。
また、減量中はカロリー収支がマイナスになることで、身体の回復に当てられるエネルギーが少なくなると考えられます。その状態で、筋力トレーニングとHIITを並行して行うと、身体の疲労が抜けきらなくなる可能性が出てきます。
疲労によって筋力トレーニングでの使用重量やトレーニング量が保てなくなる場合は、結果として筋量を維持するのが難しくなってしまうかもしれません。
そこで、減量中であっても筋力トレーニングと食事管理に集中してしまうことをオススメしています。
いつも、大変貴重な情報をありがとうございます。
今回は、筋肥大を目的とする上で、HIITとウエイトトレーニングの組み合わせについてお伺いしたいのですが。
HIITは、心肺機能向上などに効果が高いとのエビデンスがありますが、やり方によっては筋肥大を阻害する恐れがあると言われている有酸素運動と同様に、筋肥大を目的とする場合には、ウエイトトレーニングとの相性はあまり良くないのでしょうか?
HIROさん、コメントありがとうございます。
>筋肥大を目的とする場合には、ウエイトトレーニングとの相性はあまり良くないのでしょうか?
一般的には、HIITが筋トレで得られる筋肥大の効果を伸ばすということはないです。ただ、どれくらいの悪影響があるのかはHIITで行われる運動の種類、実施する時間、強度などによって変わってきます。
HIITを行うことで筋トレの効果が消えなくなってしまうということではありませんが、筋肥大を最大限に求める場合は筋トレだけに集中するのが良いと思います。
いつもためになる記事をありがとうございます。感覚ではなく科学的に説明されているので安心して読むことができます。
私は格闘技をしているので筋力トレーニングと心肺機能のトレーニングのバランスを悩んでいます。例えば水曜日、土曜日、日曜日にトレーニングできるとして水曜日は筋力トレーニング、土日は心肺機能トレーニング➕技術練習とする場合筋肉の発達は期待できるのでしょうか。
八郎丸次郎さん、コメントありがとうございます。
>感覚ではなく科学的に説明されているので安心して読むことができます。
ありがとうございます。
これからも科学的で分かりやすい記事づくりを心がけていきます!
>私は格闘技をしているので筋力トレーニングと心肺機能のトレーニングのバランスを悩んでいます。
八郎丸次郎さんが優先しているものによっても変わる部分ですね。
筋力を伸ばすのは心肺機能を伸ばすよりも時間がかかります。そのため、八郎丸次郎さんが筋肉をつけることを優先されているのならば、今は筋力トレーニングと技術練習にしぼってしまうのもアリだと思います。その場合でも、格闘技の練習をすることで心肺機能の大部分は維持できると思います。
心肺機能を伸ばすことに力を入れたい場合は、筋力が維持できる範囲で筋トレの量を減らし、心肺機能を伸ばすトレーニングを取り入れるのが良いと思います。
試合があるのであれば、試合までの準備期間をどのくらい取れるのかといったこともあわせて決められるといいかもしれません。
少しでも参考になりましたら嬉しいです。
ありがとうございます‼️
やはり目的をどう設定すると自分の体に聞きながらトレーニングすることが大事なのですね。
今後も有意義な記事を楽しみにしています。が、くれぐれもご無理のないように
この記事をまとめるにあたってHIITについて情報を確認していたところ、HIITの一種である「タバタプロトコル」という方法に関する本に出会いました。この本は、このトレーニングについて研究をされ、そのトレーニング法の名前の由来ともなった立命館大学の田畑泉教授によって執筆されています。
タバタプロトコルは海外では人気の高いトレーニングですが、その効果ややり方についての誤った情報がひとり歩きをしています。田畑教授は著書の中で、タバタプロトコルは本来体脂肪を落とすために開発された運動ではなく、タバタプロトコルでヤセるというエビデンスはないということをお話されています。田畑教授は、こういった誤解を少しでも解消するためにこの本を書かれたそうです。
タバタプロトコルも効率的に体脂肪を落とすための方法として注目されることがありますが、本の人気が出るかとは別に、科学者として正しい情報を広めようとする姿勢で書かれていたのが素晴らしいと感じました。