体脂肪測定法シリーズの第2弾です。初回記事に用語の解説があります。
水中体重測定法は、長い間2コンパートメントモデルのゴールドスタンダードとされてきました。
これは水で満たしたタンクの中で、体重と身体の体積を計測する方法です。(身体が押しのける水の量で身体の体積が求められる)
除脂肪量は脂肪よりも密度が高く、同じ体積なら重くなります。そして、脂肪は水に浮く傾向がありますが、除脂肪量は沈む傾向があります。
この原理を使って身体の密度を計算し、この数値を基に脂肪量と除脂肪量を推定します。
ゴールドより、むしろブロンズスタンダード
水中体重測定法を試されたことのある人に聞くと、心地いい体験ではないという感想が返ってくると思います。
水着に着替えて、水に入ると水着からできる限り空気を追い出し、肌に付いた空気をできるだけ無くし、空気をできる限り吐き出します。そして、完全に水中に潜るとブランコ状の物に乗ります。測定をする間は水中で静止していなければいけません。
うまく息を吐き切れていなかったり、髪の毛に空気が付いていたり、ちょっとしたことが誤差につながるので、ちゃんと測定できるまでこのプロセスを何度も繰り返さないといけないこともよくあります。
完璧な条件で測定ができたとしても、誤差を生む要素が残っています。消化器官内にある空気量を推定する必要があります。肺には残気量といって肺がつぶれるのを防ぐため、必ず一定量の空気が残ります。この残気量は直接測定可能ですが、ほとんどの場合測定値が使われます。こういった空気量が、水中での浮力になり、それが測定値の誤差につながります。
平均すると小さな誤差、個別に見ると…
では、水中体重測定法と4コンパートメントモデルを比べると、どうでしょうか?ここでは、平均値と、個別の測定結果を分けて考える必要があります。
半数が+10%の誤差で半数が-10%の誤差でも、平均すると誤差0%という結果もありえます。
水中体重測定法に関する研究を見ると、平均値では4コンパートメントモデルと比べて小さな誤差に留まります。平均すると4コンパートメントモデルよりも0.1〜1.2%低めの体脂肪率を示しました。ただし、若い女性を対象に2.1%高めの数値が出た実験もあります。
全体としてはなかなかの結果です。もちろん、これは人種に合った方程式を使っていることが重要です。シリーズ初回の記事で紹介したSiriの式は白人にのみ使える物です。黒人女性アスリートを対象にした実験では、白人用の方程式を使った場合は誤差が2.6%まで上がりました。黒人用の方程式を用いると、誤差は0.5%となりました。
しかし、個別の測定結果に目を向けると、最大5〜6%と誤差はかなり大きくなります。つまり、水中体重測定法で体脂肪率測定をして20%という結果が出た場合、本当の体脂肪率は15%かも知れないし、25%かも知れないということです。これは非常に大きな幅で、実際に自分の数字がどのくらいなのか知ることはできません。
一定期間での経過を調べようとする場合にも問題が出てきます。体重の変化によって除脂肪量の密度も変わるという話をしましたが、もともとの精度に問題のある測定方法にこの要因が加わると、さらに時間をはさんだ測定結果の比較は信頼性が下がります。体脂肪率の変化を測定・比較する際の水中体重測定法の精度は、決して良い結果とは言えません。実験結果のチャートを見てみましょう。
X軸は水中体重測定法での体脂肪率の変化の測定値、Y軸は4コンパートメントモデルでの測定値です。それぞれのマル印は各被験者を示しています。被験者の中には、測定方法によってかなり違う数値が出ていることが分かります。
4コンパートメントモデルでは10%の体脂肪減という結果なのに対し、水中体重測定法では0%(変化なし)と出ている人が居ます。
他には、4コンパートメントモデルで10%の体脂肪増なのに対し、水中体重測定法では20%近い体脂肪増が出た人もいます。
つまり、実際にはかなりの体脂肪が落ちていても、水中体重測定法では測定値に変化が出なかったり、実際には大して変化がなくても、大きく体脂肪が落ちたという測定値が出たりする可能性があるということです。
全体的には、水中体重測定法と4コンパートメントモデル間でそれなりに一致する結果を示した人が多かったですが、一部の人にはハッキリとした誤差があり、水中体重測定法を使って1人の体脂肪率の変化を調べる場合には注意が必要だと言えるでしょう。
結論
水中体重測定法は、グループの平均値を見る場合には、それなりに良い結果を得ることができますが、個人の測定値に関しては信頼性が高いとは言えません。
残念ながら2コンパートメントモデルの中では、水中体重測定法が最良の計測方法で、他の生体インピーダンス方式やBOD PODなどは、さらに大きく精度が落ちてしまいます。
はじめまして。いつも楽しく拝見させて頂いております。
本ホームページのやり方で肉体改造に成功しさらに継続しているのですが
今度ブログを始めることにしました。
そこで是非このサイトを紹介できればと思ったのですリンク貼ってもよろしいですか?
よろしくお願いします
片岡さん
初めまして、コメントありがとうございます。
>肉体改造に成功し…リンク貼ってもよろしいですか?
おおっ。もちろんです。ありがとうございます。思ったままご紹介ください^^
実践内容や経過なんかが見れるブログだと興味を持たれる方はいるのかなーと思います。
良かったら立ち上げ後にURLを教えてもらえると嬉しいです。
八百さん
お返事ありがとうございました。
公開の際はURLお伝えしますね。
しかしすばらしいサイトありがとうございます。
何度も読み返し、実践の繰り返しです。
僕も今までいろんなダイエットを調べ経験してきましたが
1番しっくりきました。
まさに今流行の「生涯最後のダイエット」となりそうです^^
ダイエット自体のとらえ方が変わったのが1番かもです。
いや本当に多くの人にこのサイトを知ってほしいと思います。
ちなみに連絡のやり取りはこのコメント欄のみになりますか?
メール等他にお伝えする手段ございましたらお願いします。
ありがとうございます。
片岡さん
>しかしすばらしいサイトありがとうございます。
>何度も読み返し、実践の繰り返しです。
ありがとうございます。嬉しい限りです。
こういう風にずっと読んでくれている方がいらっしゃるんだと思いますが、アクセス統計は数字ばっかりでそういう情報は拾えません。
もっと早くコメントくれればなァ(ー 3ー)なんて思います。笑
メールお送りしておきます^ ^
毎日どこかが筋肉痛。
こんにちは 小田です。
もう、生活習慣、食事、トレーニングが良い意味で安定してきているので、体重も体脂肪率も、ど~でもよくなってきました。 最初は数字に一喜一憂してましたけどね^^;
これまでの経緯をまとめたものをメールさせていただきましたので、お時間あるときでも読んでやってください。
まだ「体験談」じゃないっすよ~
自体重トレ+リーンゲインズでも体型改善がしっかりできることは実証されました^^
今日の一句「基礎代謝、寝てて上がれば いいのになぁ」
失礼いたしました。
小田さん、こんにちは!
メール拝見しましたー。
良いコトが書いてあったので、ちょっと抜粋で紹介させてください。
ジムに通い出して1カ月が経ちました。漸進的にトレーニングを行えています。
体重は変わらず、体脂肪率(参考値)も変わらず、見た目は変わってきました。
もう、体重も体脂肪率も、ど~でもよくなりました(笑)
最近、2年ぶりにゴルフの練習をしたのですが、飛距離と安定性がかなり増しました!
バーベルSUGEEEEEEEEE!!です(笑)
あと何カ月で完成するのか分かりませんが、また御報告出来るように頑張りたいと思います。
小田さんは、自宅で自重トレーニングとリーンゲインズの組み合わせをされてました。最近ジムでバーベルを使うようになったということです。
ガンバってください^^
このコメントを読まれる方へ
体験談を送りたいと言ってくれている読者さんが結構います。本当に嬉しいです。
前後比較って、完成品を自慢する場所のように映りがちですが、途中経過を共有するものと思うともっと良いのかなと思います。例えば「ホントの目標までは3年掛かるけど、3ヵ月でもこれだけ変わるのか(・ω・)ノ」っていうような発見につながるかなと思います。
みなさん、いつでも歓迎です。詳細はこちらのページから。
口調そのままだとなんとなく恥ずかしいですねぇ(笑)
>途中経過を共有
完成品を見てモチベーションアップというのも良いですけど、苦労や小さな努力(工夫)なんかが見れると良いヒント(のようなキッカケのような)なのかなぁと思います。
他の人の話も聞いてみたいですし。
どこどこの数字がどのくらい減ったか。
っていうのは、個人のことなのであまり興味はありませんが、「なんだか体重減らなくて、逆に思いっきり一日食べてみたら、翌週から減りだした」みたいな。(私、これを数回したことあります)
まだまだヘソ周りプニプニのあらふぉーオッサンですが、使えそうなところは使ってやってください(笑)
今日の一句
「二頭筋、ボクのは未だ いっとうきん」
>使えそうなところは使ってやってください(笑)
ありがとうございます^^
>バーベルSUGEEEEEEEEE!!
もうコレがサイコーでした(笑)
こんにちは。私にとっては、様々なナゾや悩みの種である「体脂肪率」が取り扱われている記事でとても嬉しいです。
現在3か月目に突入ですが、ウエストが5cm弱、体重が1~2kg弱減少しましたが、悲しいことに体脂肪計は3か月ほぼ同じ体脂肪率をたたき出してくれました。
おなかの脂肪は、まだ、たっぷり乗っていますが、腹筋のたての溝・前腕筋群・三角筋・太もものカットが見えてきて、特に股関節付近のカットがいつの間にか出ていたのは嬉しかったです。
今はウエスト具合で体脂肪率を計算していますが、この記事を読んでもっとアバウトでいいのかな?って思いました。また、今月中にダイエット休憩をはさんでダイエットを再開するのでかなりタイムリーな話題でした。
yasumotoさん、こんにちは。
この記事はちょっとマニアック過ぎたかなと思ったんですけど、長く読んでくれている読者さんにウケてますね。良いタイミングだったみたいで良かったです^^
それだけ目に見える変化があっても同じ数字が出るというのも珍しい話では無いと思います。気にせず進められればそれで良いんですけど、ストレスになる人はこの数字だけで結構マイってしまうんですよね。
一般的に売られてるタイプの体組成計の話もしますので、またチェックしてください。
こんにちは。久しぶりのコメントです!
体脂肪率一桁という響きは男にはたまらんと思いますw
僕も一応体重と体脂肪率は気にしていますが、それは、毎朝同じ条件(朝シャワー後、水も何も口にしない、トイレ後。)で測定して、前日との比較をしているだけです。大きく数字が変わっていれば、昨日何食べたっけ?とか、水どれくらい飲んだっけ?という風に生活を見直しています。
あと、体重や体脂肪率もただの数字でしかないと思っているので、見た目や摘み具合、パワーで何もかも判断していますw
こんにちはー^ ^
>大きく数字が変わっていれば、昨日何食べたっけ?とか、水どれくらい飲んだっけ?
これ大事ですね。
生活のリズムの中に入っているのかなーなんて思いました。毎日測る必要は無いと思いますが、大事なのはMさんが客観的に経過を見て実践内容を変えるかを考える材料に使ってる所ですね。
体脂肪率に関しては、数字に元気づけてもらおうとすると必ずガッカリする結果にも出くわします。これに振り回される人ほど数字を気にしてる傾向がある気がします。。
kihara です。ご無沙汰しております。
久しぶりの経過報告&あえて記事に対してケンカ腰の体脂肪率報告です(笑。
昨年10月からトレーニングをBIG3に変更し、ケガだけに気をつけて地道に地道にがんばってきました。体重自体は3kg減、腹回りも3cm減、体脂肪率はタニタで3%減で10%前後です(笑。
とくにデッドリフトは負担も強いため、気をつけて慎重に慎重に続けて来ました。そしてようやく5月に入って60kgのウェイトで上げれるようになりました。なんとか体重と同じくらいの重量になりました。
まだ、お腹の真ん中の方から下腹部にかけては、うっすらカットが見えるくらいです。もう少しカットがハッキリ分かるまで、脂肪を落としつつ筋力アップに頑張りたいと思います。
記事からも分かるとおり、体脂肪率は目安の目安の目安くらいに思っていたほうがいいと思います。
私の体脂肪率の見方としましては、「体型が変わってきたかな~」って思ったときに体脂肪率の表示が減ってたら、ちょっと嬉しいな、くらいです。日によって9%台だったり11%台だったりするのですから、信頼することはできませんが、「がんばれよ!」と応援してもらってくらいな感じですね。
それよりも、体重は落ちてきてるのに、しっかり挙げれるウエィトが重くなってきていることの方が、体型や体脂肪が落ちてきていることに実感を持てます。
まだスクワットが45kg。ベンチが35kgくらいしか挙げられないので、もう少し伸ばしたいと思ってますが、ベンチに関してはここ数ヶ月なかなか記録が変わりません。
でも、webサイトの記事を参考に一喜一憂せず、トレーニングを続けて行きたいともいます。
Athlete Body.jp に集う皆様、これから暑い季節が待ってますが、熱中症に気をつけて、気持ちいい汗をかきましょーね!!o(^o^)o
Kiharaさん
こんにちは!
>体脂肪率はタニタで3%減で10%前後です(笑。
>体脂肪率は目安の目安の目安くらいに思っていたほうがいいと思います。
今回のシリーズでは、一般家庭やジムで使われているタイプの体脂肪計も取り上げます。お楽しみに^^
>ケガだけに気をつけて地道に地道にがんばってきました。webサイトの記事を参考に一喜一憂せず、トレーニングを続けて行きたいともいます。
これ本当に大切なことですね。トレーニングは誰かとの競争ではないので、自分の目標に向けて地道に積み重ねていく気持ちが本当に大切と思います。