前回の記事「オンラインダイエットコーチの価値は?」では、オンラインコーチと地元のジムを比べてどんな違いがあるか私の考えを書きました。
今回はもう少し私自身の思う「良いコーチとは何か?」ということや、このサイトでのパーソナルコーチングについてお話ししたいと思います。
情報の底なし沼からの救出
指先ひとつでいくらでも情報が得られる便利な世界になりましたが、フィットネスに関しては、それがかえって問題になっていると思います。
ダイエットや体形改善に関してもすごい量の情報が溢れていて、いろいろ調べてみることがカンタンに逆効果になってしまいます。
このサイトでもいろいろな方法や考え方を紹介していますが、食事管理にしてもトレーニングにしても、インターネット上には必ずと言っていいほど正反対の考え方を持っている人がいます。
ダイエットもトレーニングもやり方はひとつに限りませんので、そういう人たちが必ずしも間違っているというワケではありません。ただ、いろいろなやり方を混ぜ合わせようとすると、あちこちに矛盾点が出てきてしまいます。
気に入ったトレーニング方法があって、その方法で成功している人が居るとします。ちょっと試してみたけど思うように効果が感じられない場合、そのトレーニング方法を信じて成果が現れるまで続けてみるべきです。自分に合わせてルールを変える前に、まずはルールに合わせて自分を変えてみましょう。ホントに効くのか議論するのは後でできます。
正しい答えを届ける
知りたいコトと知るべきコトは違う 〜グーグルとコーチの違い〜
サイト内でたくさんの情報を公開して、特に「秘密」があるワケではないので、なぜクライアントさんがお金を払ってまでパーソナルコーチングに申し込むのかと訊かれることがあります。
たしかにそうです。必要な情報はすべてサイト上にありますし、コメント欄に質問を書き込んでもらえればお答えしています。
では、みなさん何のためにお金を払うのか?私は「正しい答え」だと思います。
サイト上の記事は、少しでも助けになればと思って更新していますが、深く細かく説明すればするほど、「頭でっかち」になってしまう人が出てきます。理屈が複雑で難しい方が正しい答えにちがいないと考えて、出口のない調べ物のトンネルに入ってしまったり、あれこれ違うことを試してみたくなったりします。
以下はコメント欄でよくもらう質問です。
- 自分は断食時間中にトレーニングした方が良いですか?
- 1日の中で炭水化物はどう振り分けるのが一番良いですか?
- スクワットは毎回した方が良いですか?
- 他にスポーツをしている場合はどうしたら良いですか?
こういった質問は、それぞれの状況によって答えが変わってきます。パーソナルコーチングではいろいろな条件を考え合わせて、各個人に合ったアドバイスをすることができます。客観的に、簡潔に、ハッキリした、実践可能な答えを出します。コメント欄のやり取りではできないことです。
ここでは、簡潔で実践可能ということが大切です。専門用語を並べた長い回答文は「すげぇ!」とは思ってもらえるかも知れませんが、結局クライアントさんが混乱して何をすれば良いのか分からなくなってしまっては意味がありません。ここがグーグルとコーチの違いだと思います。
同じ方向を向くための提案と結果予測
コーチとクライアントは目標に向かって二人三脚で進んで行きます。どんな目標を立てるか、どうやって達成するかスタート時点で同じビジョンを共有することが大切です。パーソナルコーチングを始めてからストレスが出ないようにするには、これが不可欠です。
もし、有酸素運動をたくさんして、1日何食も摂って、すべてキッチリ正確に計算して進めるような方法が良いと思うなら、そういった方法で成果をあげているコーチを選ぶのが良いでしょう。私はやり方が違いますし、私のやり方に基づいた結果予測しか立てられません。
ここでよくある問題をリストアップしてみます。
- 非現実的な目標を立てている
- 実際よりも体脂肪量が低いと考えている
- ハッキリした目標や方向性が決まっていない
- 食事管理よりトレーニングを重視し過ぎている
- 有酸素運動を重視し過ぎている
- 重要でない細かな部分に気をとられ過ぎている
- トレーニング量が多すぎたり少なすぎたりする
- 経過チェックがうまくできていない
- 我慢づよさが足りない
- カロリー収支が長期間マイナスになり過ぎている
何かを変えようという提案をするのは比較的簡単で、結果予測の方が難しいです。
提案どおりに進めた場合、だいたいどういう結果が期待できるかは分かりますが、ある程度は「予測」の部分が残ってしまいます。それでもパーソナルコーチングの開始前に予測を立て、クライアントさんと同じ目標を共有できるように確認しています。
パーソナルコーチングの難しいとき
それぞれのクライアントさんの条件に合わせて、目標設定をして、結果予測について話をして、食事量などの設定をしますが、プログラムができたら実際にそれを実行するのはクライアントさん本人です。トレーニングをサボっていたり、設定どおりの食生活ができていなければすべて本人に返ってきます。
もちろん、仕事や体調などすべてが狙い通りに進まないことはあるので、100%実践できないことは出てきますが、「できなかった」のか「しなかった」のかはご自身が一番良く分かると思います。
パーソナルコーチングに申し込んでくれる日本人のクライアントさんは意識の高い方が多いですが、ここは自分に正直に向き合ってください。
グダグダしてしまうことなくプログラムを実践できれば、たいていの場合目標に向かって順調に変化が出てきます。
しっかりガンバっていても結果がともなってこないこともあります。数週間経っても変化が出ない。身体のサイズも体重計の数字も動かない。こういうときコーチとして難しい決断に迫られます。
食事量を変えてみた方が良いのか?このまま我慢づよく続けるべきなのか?
一番ひどかったクライアントさんは、ハッキリした理由もなく6週間停滞してしまったことがありました。そして、あるタイミングで一気に体重も身体のサイズも変わったのです。理由が見えず、何をすれば停滞を抜けられるのかが見えないときはストレスが溜まりますが、万人に通じる答えがあるワケではありません。
こういうときは自分のこれまでの経験や、いままでに見てきたパターンを基に打開策を探して行きます。
このページはアンディが姉妹サイト RippedBody.jp で書いた英語記事を訳したものです。
以下にクライアントさんから英語でもらったコメントを合わせて紹介しています。
「グダグダしない」と「正しい答え」って所がこの記事で特に大事だと思う。
2週間とか4週間ごとに写真を送らないといけないと分かってると、グダグダしてられない。コーチがいて報告する義務ができると、横道にそれずに継続しやすくなる。
トレーニングも食事管理もしっかりやれば、じきに結果はついてくる。イイ加減にしてると停滞するし、アンディに就いてるのを最大限に活かせなくなってしまう。
正しい答えも大事。ボクが個人相談に申し込んだのは、自分に状況に合わせた答えが欲しかったから。アンディがサイトに公開している情報を使って自分で試すこともできたけど、トライ&エラーを最小限にしたかったし、アンディの経験を基に自分に合った答えを出してもらうのが良いと思った。
伸びが停滞してしまったとき、どうすれば良いのかアドバイスをもらえるのも良かった。自分で判断するのは難しかったと思う。
Kevinの客観性の話もその通りだと思う。一番、客観的になるのが難しいのが自分自身。うまく行っていないのに理屈をつけて納得してみたり、トレーニングできないと不安になったりして、間違ったコトをしてしまう(食事量を減らしたり、トレーニング量を上げたりetc…)。クライアントが混乱したとき、トレーナーは客観的でいるのも仕事の一部だね。
Jayson コメントありがとう!
客観性というのがコーチにつく利点のひとつだと思います。
停滞期に何をすれば良いかということは、ボクもある程度は知っているし、判断できるかも知れないけど、いざ自分のこととなると気持ちに揺さぶられずに考えるのが驚くほど難しくなります。
ちょっと変な言い方だけど、コーチは自分のクライアントを研究室の被験者のように見れることも大事なんだと思う。そして「どうすればこの被験者の身体を改善できるか?」と考える。(ここでの「改善」が実際なにかは別として)
その結果、クライアントにとっては数週間苦しい思いをすることになったとしても、長い目で見るとすごく大きな改善につながったりするかも知れない。
これまでに十分な知識のある人がクライアントになって、アンディの客観的な見方が役に立ったということはありますか?(知識やモチベーションやあるのに、個人相談までうまく行っていなかったとか)
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まったくそうですね。
クライアントさんにはとても知識レベルの高い人もいますが、自分で状況判断や決断をしなくても良いようにするのが主な目的だと思います。
モデルをされてる方が数人、ノルウェーの映画俳優、コンテストに出るボディビルダーも数人。こういう人たちにとって、ダイエットは日常的なことです。他にもスコットのように何回もダイエットを経験してきた人もいます。
十分な知識のある人があえてコーチをつけることが多いのはちょっと驚きです。
こういう人たちが個人相談を始めるまで全然うまく進んでいなかったということはないと思います。ただ、ダイエットに気を取られず他のことに専念できるようにしたかったじゃないかと思います。
Rog Law(アメリカ人トレーナー)も必要な知識をすべて持っていながら個人相談に申し込んでくれた1人です。また彼とのインタビューも紹介したいと思います。
Rogのダイエット後の写真はコチラ。
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