イギリスの放送局BBCのサイト上で「インターミッテント・ファースティングのパワー」と題した記事が掲載されています。
「ホライゾン」というドキュメンタリー番組の中で、インターミッテント・ファースティングに期待されるいろいろな効果を取り上げ、その内容をネット上で読めるようにしているものです。(上記リンク先は英語です。)
長寿や健康維持という側面からインターミッテント・ファースティングを考えており、体形改善の方法とする当サイトとは少しアプローチの違いがありますがおもしろいです。残念ながら番組自体はイギリス国内向けで、日本で放送されることがあるかはハッキリしませんが、やはり欧米でも新しい考え方として注目を集めていることがよく分かります。
リンク先の英語記事の概要を訳して紹介します。
科学者たちの研究により、適切にコントロールされた短時間の断食は、 – – – – – – – – – – – – – – – これまで断食というと、苦しいばかりで長い目で見てなにも良いことがない物だと思ってきた。はじめに自分自身で断食をするドキュメンタリー撮影の依頼を受けたときは、「楽しいハズがない」と思って気が乗らなかった。 でも、ホライゾンの編集者から、新しくすごい科学的発見があって、私も自分の身体ですばらしい変化を経験できるかも知れないと言われたもんだから、「よし、分かった」ということになったんだ。 私は長期にわたってダイエットをするほど意思の強いタイプではないけど、苦痛を伴わず良いとこ取りをするようなことも可能だと考える研究者たちが居て、なぜ食べる量を減らすことが長寿につながるのかに興味をそそられた。 ヒトがどのように老いていくかは遺伝によって大きく左右される。遺伝に関しては自分たちでどうにかできるものではない。 カロリー制限や健康的で食べ過ぎない食事をすることは、少なくとも動物においては寿命を延ばすのに有効とされる数少ない方法のひとつだ。低カロリーで栄養豊かな食事を与えたネズミが通常よりずっと長く生きることは1930年代には確認されていた。サルにも同じことがあてはまるとする研究も進んでいる。 現在研究が進められている分野のひとつにオルターネイト・デー・ファースティングがある。1日好きな物を食べ、翌日は断食の日とし食事内容を非常に制限するというものだ。おどろきなのは、断食の日でなければ何を食べても大した問題ではないらしいということだ。 シカゴのイリノイ大学ヴァラディ教授は肥満体形の被験者にオルターネイト・デー・ファースティングをさせる実験を行った。 私は自分がオルターネイト・デー・ファースティングをしっかり実践することはできないと考え、少し簡単なバージョンを試してみることにした。1週間の5日は普通に食事をし、残りの2日摂取カロリーを制限するというものだ。 ヒトでの実験はまだ十分に進んでおらず、まだ確立されたルールがあるワケではない。私の場合、断食日以外にはこれまでと同じ内容の食事を摂ったが、特に断食日の反動でドカ食いしてしまうようなこともなかった。 この食事方法を5週間ほど試してみると、その間に体重が6キロほども落ち、血液検査の結果も向上。そのまま続ければ癌や糖尿病など加齢による病気にかかるリスクを大きく下げることができるだろう。 現在の医学的見解は「インターミッテント・ファースティングの効果は証明されたものではない。妊婦や、糖尿病で投薬治療を受けている人などにとっては危険な可能性もある。どうしても断食をしたいなら医学的な指示を仰ぐべきだ」ということになっている。 私はインターミッテント・ファースティングの5週間しっかり経過観察をしてもらったが、週2日の断食はおどろくほど楽だと思った。少しペースを落としてこれからも続けていこうと思う。食べるにしても、断食するにしても、過激になりすぎないのが良いだろう。 マイケル・モズリー |
- 2012年8月8日夕方時点では、YouTubeに番組がアップされていました。ペラペラ英語のオリジナル版ですが、興味があればチェックしてみてください。
- このページはインターミッテント・ファースティングという新しい考え方が、欧米でも多くの人に注目され受け入れられ始めているということを紹介するためのものです。
翻訳文はあくまでも部分的な抜粋で、BBCサイト上の記事や実際の番組内容を網羅しているワケではありませんので、ご了承ください。