中村さんは初めてのコンテストに向けてAthleteBody.jpで減量を指導させていただいたクライアントさんです。
中村さんは2020年のベストボディのコンテストに出場されました。初挑戦のコンテストでしたが、予選大会で見事に優勝して日本大会にまで出場することができ充実したシーズンとなりました。
中村さんは以前から年を追うごとに体脂肪が増えてきているのが気になっていたそうです。いつかは減量しようと思っていたものの、踏ん切りがつかずにいたとのことでした。そんなとき、AthleteBody.jpがコンテストに向けたオンライン指導をしていることを知り、パーソナルコーチングにお申し込みくださりました。
コーチングが始まってから、中村さんは思うように体重が落ちていかないときがありました。しかし、体重が落ちない原因を見つけて対処したことで、十分ステージで通用するところまで体脂肪を落とすことができました。
ここからはコンテストに向けたコーチング期間の取り組みを紹介していきます。
減量期間の方針
コーチングを始めるにあたり、中村さんのコンテストに向けた減量期間のおおまかな方針を決めました。
減量ペース
中村さんは減量開始から7ヶ月後のコンテストに向けて体重を8〜10kg落としていくことを目標にしました。これはコンテストに向けた減量幅としては一般的な水準です。1週間あたり400〜500gくらいずつのペースで体重を落としていき、コンテストの1ヶ月くらい前までには目標体重に到達できるようにと考えました。こういうペース配分にした背景にはいくつかの要因がありました。
中村さんが出場を予定していたコンテストでは評価の重要なポイントとして、体脂肪が少なく、身体が引き締まって見えることがありました。ただ、中村さんは今回が初めてのコンテスト出場ということもあり、実際に目標体重まで減量したときに身体がどれくらい引き締まって見えるかが十分に見通せない状況でした。そこで、少し早めに目標体重まで落とし、その段階からさらに絞り込む必要が出てきたとしても対応できるようにと考えました。
減量ペースを急がずに進め、さらにコンテスト前に少し時間のゆとりを残すというスケジュールを立てることが可能になったのは減量期間に7ヶ月という時間を取れたからでした。コンテストに向けた減量では時間を確保できていることが本当に重要になります。
トレーニング
中村さんはトレーニングを8年ほど続けられていて、コーチングにお申込みいただいた時点では挙上成績を少しずつ伸ばせていたそうです。そのときに行っていたトレーニング内容にはご自身である程度満足していたものの、もっと良いトレーニング方法はないかと模索されていた様子でした。
そのときのプログラムを拝見したところ、トレーニング量が特定の部位に集中しているように感じました。例えば、肩は1週間あたり20セット以上で、ほかの部位と比べて2倍以上のセット数になっていました。1週間あたり20セット以上というのは一般的な感覚ではかなり多いトレーニング量です。
減量を始めると身体の回復が遅くなることがあり、そこにトレーニング量が多いと疲労が抜けなくなったり怪我をしたりする心配が大きくなります。こういったリスクを出来るだけ抑えるために、中村さんのプログラムではトレーニング量が多い部位のセット数を減らすことにしました。こうすることで特定の部位に偏らず全身にまんべんなく刺激を入れることも狙いにありました。
また、中村さんはお仕事が忙しく、トレーニング頻度は週3回までという条件がありました。
こういうことを踏まえて、コーチング期間中の中村さんのプログラムは以下のポイントを押さえて組み立てました。
- トレーニングは隔日で週3日行い、毎回全身を鍛える。
- 刺激にバリエーションをつけるため2種類のトレーニング内容を交互に行う。
- バーベルとダンベルを使ったコンパウンド種目を中心に、細かい部位はアイソレーション種目で補う。
ここからは減量開始からコンテスト当日まで、中村さんの実践内容と身体の変化を見ていきます。
はじめの3ヶ月
減量プログラムの詳細が決まって順調に実践に移行することができました。新しいトレーニングも中村さんの生活にうまくハマり、気持ちよく実施してもらえたようでした。
しかし、開始から2週間が過ぎた頃、新型コロナウィルスが流行した影響で中村さんが通われていたジムが閉鎖してしまい、はじめに組み立てたトレーニングを続けることができなくなってしまいました。
中村さんは医師として病院に勤務されており、幸いにも職場にトレーニングマシンがいくつかありました。これまでバーベルとダンベルを使って行っていた種目の代わりに、マシンと自重を使った種目を取り入れることで、コロナ禍にあっても全身の各部位に刺激を入れることができました。
しばらくしてジムは再開し、それからはトレーニングを元の内容に戻して実施していただきました。
途中でトレーニングに変更はあったものの、減量は順調に進めることができました。減量開始から3ヶ月で中村さんの身体は次のように変わりました。
スタート時 | 減量3ヶ月後 | |
体重 | 75.8kg | 73.4kg |
お腹まわり | 82.0cm | 75.0cm |
開始当初の計画では、はじめの3ヶ月で体重を4.8〜6.0kgほど落とすのが目標でしたが、実際の落ち幅は2.4kgにとどまりました。しかし、体重の落ち幅に対してお腹まわりのサイズは大きく落ちました。写真で見ても身体は大きく変わっていたことから、体脂肪は確実に落ちているはずだと判断しました。
食事量は変えずに続けてもらい、しばらく様子を見ることにしました。
3ヶ月から4ヶ月半
3ヶ月が経ったあたりから、体重とお腹まわりのサイズが思うように落ちなくなっていきました。コンテストに間に合うように、少しでも減量ペースを速めようとカロリー摂取量の設定を減らしてみましたが、それでもあまり減量ペースは上がりませんでした。
この期間で中村さんの身体は次のように変わりました。
減量3ヶ月後 | 減量4.5月後 | |
体重 | 73.4kg | 71.9kg |
お腹まわり | 75.0cm | 74.0cm |
体重はゆっくり落ち続けていましたが、お腹まわりのサイズははじめの3ヶ月ほど変化が出ていません。実際に写真でも身体には大きな違いが見られませんでした。
この期間での身体の変化を踏まえて、コンテストまでに減量を間に合わせるためには減量ペースを少し速める必要があります。そのために、カロリー摂取量の設定を減らしたわけですが減量ペースがうまく上がりませんでした。原因を見つけるため中村さんの実生活について詳しくお聞きしました。
すると、中村さんは食事量を計算するときに、食事に使われていた材料からたんぱく質と炭水化物の摂取量は大まかに把握していたものの、どれくらい油が使われているかが分からず、脂肪の摂取量を正確に把握できていなかったとのことでした。
また、お仕事が忙しいときには外食に頼ることが多く、その際にはカロリー計算が曖昧になっていたこともあったようでした。これを踏まえて、中村さんがご自身の想定以上にカロリーを多く摂ってしまっていた可能性があると考えました。
減量中には、カロリー摂取量が気づかないうちに多くなって減量ペースが遅くなってしまうことはよくあります。一般的な体形改善が目的であればゆっくり減量を進めても構いませんが、コンテストのように期限のあるときには、食事量をできるだけ正確に把握して減量ペースを管理することが必要になってきます。
そこで、中村さんには食事について次のポイントを押さえていただくようにしました。
- できるだけ自炊の回数を増やすようにして食事量をコントロールしやすい環境を作る。
- 外食やコンビニに頼るときは、カロリーや栄養成分の表示がある食品を選ぶようにし、1日の目標カロリーを上回らないように注意する。
- スマートフォンのアプリを利用して、三大栄養素の摂取量を把握する。
この3点を確認して、しばらく様子を見ることにしました。
4ヶ月半から7ヶ月
食事量の管理に注意してもらってから中村さんの減量ペースは速まりました。減量開始から4ヶ月半後から7ヶ月後にかけての中村さんの身体は次のように変わりました。
減量4.5ヶ月後 | 減量7ヶ月後 | |
体重 | 71.9kg | 67.6kg |
お腹まわり | 74.0cm | 69.5cm |
減量開始時の体重が75.8kgで、ここまでの7ヶ月で8.2kg減になります。開始当初に目標とした8〜10kgをクリアすることはできました。また、写真で見ても身体が引き締まっています。
この期間中、自炊を増やして食事量を正確に把握されていたことが、停滞を打破するのに大きく効いていたと思います。
中村さんが自炊を増やしたときには、奥さまと一緒に食事メニューを決めて、中村さんが食材の買い出しと調理を担当されていたそうです。
減量をしているときは家族と食べるものが違うと、減量にやりにくさを感じてしまうことも少なくありません。中村さんの場合、奥さまと相談して決めたことで、楽しみながら減量のための食事を準備することができたそうです。ご家族と協力して進められたことも、順調に減量できるようになった理由のひとつだと感じています。
コンテスト直前の調整とコンテスト当日
ここまでの減量期間を終えて、中村さんはコンテストに向けて準備が整いました。
この時点で中村さんの身体は引き締まっていましたが、コンテスト当日ギリギリまで、少しずつでも体脂肪を絞り続けた方が高評価につながる可能性があると考えました。これは、中村さんが出場を予定していたコンテストの過去の出場者や優勝者の傾向を調べて判断しました。そこで、中村さんにはコンテスト当日まで食事内容を変えずに続けていただくことにしました。
2020年10月18日、中村さんは「ベストボディ・ジャパン2020ジャンル別大会」で「ドクター部門」と「マッスルモデル」に出場されました。ドクター部門では2位に、マッスルモデルでは優勝を果たすことができました。
引き締まった身体を維持したまま12月には日本大会に出場されました。残念ながら日本大会では決勝に進むことはできませんでしたが、初めてのコンテストで素晴らしい成果を収めることができました。
担当コーチ本橋の感想
中村さんのコーチングを振り返って、減量が停滞したときのことが強く印象に残っています。最終的にコンテストまでに減量を間に合わせることができたのは、このとき原因をうまく突き止め対策できたからだと感じています。
減量時の原則として、カロリー収支がマイナスになっていなければ体重は落ちません。しかし、なぜカロリー収支がマイナスになっていないかは人によって違い、さまざまな可能性を考えることができます。例えば、食事の設定量が多すぎる、運動量が落ちてしまっている、代謝が落ちてしまっている、気づかないうちに食事を多く摂ってしまっているなど、これら全てがカロリー収支に影響します。
そして、原因が違うと対処法は変わることが多いです。原因をしっかり特定できなければ対策も的外れになってしまい、減量停滞を抜け出すことができないということも少なくありません。
中村さんの減量が停滞したときにはコンテストが2ヶ月半後に迫っていたため、的外れなアドバイスをお送りして時間を無駄にしてしまうわけにはいきませんでした。そこで、中村さんに実生活をじっくりと振り返っていただき、結果として食事管理の方法に改善の余地があることが分かりました。
この作業は中村さんにとっても大変だったろうと思います。しかし、この過程を経たからこそ中村さんの停滞原因を特定することができ、ピンポイントで的を射た対策を立てられたのだと思います。
コンテストに出場するかに関わらず、減量時には実生活を振り返ることが役に立つ場面はあります。減量が思うように進まないとき、普段の食事や運動について見落としていることがないかを確認するようにすると、適切な対処法を見つけやすくなるだろうと思います。
最後に、中村さんの体験談をご紹介します。
中村さんの体験談
私がコンテストに参加しようと思ったのは自分を変えようと思ったのが大きなきっかけでした。筋トレ自体を始めて8年ほど経ちますが、我流でやってきた上に食事管理がかなりずさんなもので、今年の春先はかなり太っていました。
妻からも付き合い始めの当初とは違って大分太ったと指摘された事もあり、一度減量をはさんで絞らないといけないなと思いつつ、きっかけがないとなかなか腰があがらないため、人生初のコンテストに出場することを決めました。コンテストにはいつか出てみたい思いとバキバキの体をまた見てみたいという思いで決心はついたが、減量をどう行うか悩みました。
過去に一度減量の経験はあるものの食事管理が難しく、かなり筋肉量が落ちてしまっていたため、減量の難しさを感じていました。減量法をどうするか?トレーニングメニューはこのままで良いか?減量のペースはどのくらいが丁度いいのか?など課題が出てきて、色々調べていた時にちょうどAthleteBodyさんのメルマガでコンテスト出場者募集をしていました。
ここで私はパーソナルコーチングに申し込めばもう後には引けないし、色々指導していただけるだろうと思い、自分の思いをぶつけて応募しました。元々どこかで指導を受けることも考えていましたが、どこを受ければわからず、また本当に信用に足るのか不明でした。AthleteBodyさんは以前からサイトをよく見ており、その根拠に基づいた内容と丁寧な説明から信用できると思っていました。
その後無事に申込みを受けていただき、指導を受けることになりました。まずは食事管理についてわかりやすく簡潔にまとまったダイエットガイドをもらいました。この資料は困ったときに振り返られる大事な指針でもあり、最後まで読み返したりした素晴らしいものだと思います。中にある言葉で「肉体改造は70%が食事、30%がトレーニング」とあり、改めて食事の大切さを認識し直しました。運動も部位別に行っていましたが、今度は漸進性過負荷の原則に基づいた全身のトレーニングに変更となりました。
どれも具体的な指示で非常に取り組みやすかったです。また2週間毎に定期報告があり、その間隔も仕事で忙しい私からしたらちょうどよかったです。フィードバックも毎回頂き励みになりました。なにより減量のペースメーカーとしてそばについてもらったのが何より心強かったですし、この減量を通していろいろ学びましたし、自分としても大きく成長できたと思います。
大会では元々地区大会の出場のみの予定でしたが、いざ出場してみるとまさかの優勝!予想外の結果に自分が一番おどきました。コーチングの手応えを感じ、そのまま全国大会へ出場することを決めました。全国大会は惜しくも予選落ちとなりましたが、この大会やコーチングを通していろいろ課題も見つけられましたし、また大会に出たいと強く思いました。減量中は辛かったですが、コーチングのおかげで全体を通して大きな不安も抱かずに安心して実践できました。今回は非常にいい経験ができました。ありがとうございました!
パーソナルコーチング
AthleteBody.jpではパーソナルコーチングを提供しています。
各個人の現状や目標に合わせてプログラムをお作りするサービスで、ボディビルコンテストに向けた減量指導も承っております。コンテストに向けた減量は数ヶ月の時間を要するもので、例年2月〜3月頃に開始される方が多いです。
パーソナルコーチングの詳細はこちらでご確認ください。