今日のテーマは重量設定です。どのくらいの重量をどのくらいの回数挙げられるか、自分で正しく当てられますかという話です。
この問いかけに対して「大して難しくない」と感じる人もいれば、「挙げてみないと分からない」と感じる人もいるかと思います。
このことを調べた研究があり、160人の被験者に対して「本人がベンチプレスで10レップ挙げられると思う重量」を答えてもらいました。
そして、実際にその重量で限界ギリギリまでベンチプレスを行ってもらい、何レップ挙げられるか測定されました。
△ 実際はもっと挙げられる
本人が10レップが限界だと思った重量を使って、実際に10レップで限界を迎えたのは160人中の7人だけでした。
9レップ以下にとどまった人はゼロで、他の人はすべて11レップ以上挙げることができました。また、グラフには含めていませんが21レップ以上挙げられた人は22人もいました。
つまり、大多数の人が自分で想定したよりも多く回数を挙げられたということです。10レップで止まっていれば、ガバガバに余力を残すことになっていたわけです。
筋肥大を目的にトレーニングを行うときは、セット終盤に限界近くまで追い込むことが重要な要素になります。ベンチプレスのような高重量コンパウンド種目であれば、セット終盤に2レップほど余力を残すのがひとつの目安になります。
ちなみに、今回の研究に参加した人はすべて男性で平均体重が81kg、実際にベンチプレスに使った重量は54kg前後が多かったそうです。
この数字から読み取れるのは、体格に対してそれほど筋力が強いわけではなく、トレーニングを始めて間もない人だということです。
筋力や筋量には大きな個人差があるので、挙上重量が大きくないこと自体はまったく問題ではありません。ただ、トレーニングを続けていくと自分の筋力レベルが分かり、どの程度の重量や回数で限界を迎えるか正確に予測できるようになるものです。
言い換えると、効果の高いトレーニングをすると自分の限界近くまで追い込むことになるので、イヤでもだいたいの見当がつくようになります。
今回の研究で分かるのは、トレーニングを始めて間もない人は余力を大きく残せる重量設定をする傾向があるようだということです。
このメルマガ読者の中に、最近トレーニングを始めたという方がいれば、ご自身の重量設定を振り返ってみてください。はっきり分からないと感じられれば、セット終盤に余力を残しているかもしれません。
いつも限界ギリギリまで追い込む必要はないのですが、自分がどの程度まで挙げられるのか把握できれば、いまより効果の高いトレーニングにつながるかもしれません。
ちなみに、AthleteBodyのパーソナルコーチングでプログラムを作成する場合には、各クライアント様の筋力レベルやトレーニング経験に合わせて各種目のセット数、レップ数、どこまで追い込むかまで提案させていただいています。
△ プログラムで指定する項目
ご自身のトレーニングを考える材料になれば嬉しいです。
2025/6/27 文責:八百 健吾