今日のテーマは「プロテインの種類」です。プロテインは牛乳から作られるものが多く、大きく分けてホエイとカゼインという2種類があります。
ホエイは素早く吸収されるのに対して、カゼインはゆっくり吸収される特徴があるので、長時間たんぱく質を摂れないときに良いと言われます。
吸収速度を見ると理にかなったアドバイスに聞こえますが、実際のところはどうなのか?
今回は実際にホエイとカゼインを比較した研究を紹介します。
まずは「血中アミノ酸濃度」の反応です。この研究ではプロテインを摂ったあと7.5時間、なにも摂らない状態で以下のように推移しました。
△ 約4時間後に逆転
たんぱく質を摂るとお腹の中でアミノ酸として吸収され、血液の中に取り込まれます。上のグラフは血液中のアミノ酸の量がどのように変化したかを示しています。
ホエイは摂取後にアミノ酸の量が大きく高まっています。それに対して、カゼインはホエイよりもグラフ後半までアミノ酸濃度が高まった状態が続きました。
吸収速度に関しては評判どおりの結果だと言えそうです。ただ、トレーニーにとってはこれが筋肉にどう影響するのかが問題ですよね。
そこに手がかりを得るため、この研究ではプロテインを摂った後に筋肉のたんぱく質が合成される率を測定しました。
筋たんぱく質の合成率はホエイとカゼインで違いが出ませんでした。
このグラフではホエイの方が少し良かったように見えるかもしれません。この研究ではデータを統計的に分析して「有意差なし」という結果になりました。有意差という言葉に馴染みのない人は、誤差の範囲だと捉えてもらうと良いかもしれません。
プロテインは人気サプリメントで、たくさんの商品があります。どれを選べばいいか迷ってしまう人もいると思いますが、吸収速度の違いは難しく考えず、味の好みや飲みやすさで決めて構わないでしょう。
筋肥大への効果は、全体でたんぱく質の摂取量を確保できていることがもっと重要です。たんぱく質を摂りやすく、長く続けやすい食生活を意識するのがオススメです。
AthleteBodyのパーソナルコーチングでは、こういった研究結果を踏まえて、個人の目標に合わせたプログラムを提供しています。いま数名コーチングに空きがあります。ご興味のある方はご相談ください。
2025/6/20 文責:八百 健吾