迷信1 食事をこまめに分けると基礎代謝が上がる

投稿者 : Martin Berkhan

リーンゲインズ 基礎代謝食事のあと数時間、代謝率は少し上がります。
これは食べたものを消化・吸収するのにエネルギーを必要とするからです。
食物の熱産生(Thermal Effect of Food)と呼ばれ、ここで使われるエネルギー量は、食事に含まれるカロリーと栄養素の量に正比例しています。

例えば24時間で40%たんぱく質、40%炭水化物、20%脂質の比率で2700kcalを摂取した場合の体熱産生能を測るとします。同じ条件で食事の回数を変えた場合、1回の食事に摂れるカロリーが違ってきます。

A)食事を3回摂った場合の一回分の食事のカロリーは900kCal
B)食事を6回摂った場合の一回分の食事のカロリーは450kCal
C)食事を9回摂った場合の一回分の食事のカロリーは300kCal

上記3パターンで食品の体熱産生能が異なります。「A」は食後の代謝率が大きく上昇し、次の食事まで徐々に落ちていきます。体熱産生能は山と谷のパターンを示します。「C」は上昇幅は小さいですが一定の体熱産生能を示します。「B」はこの2つの間を取ったような形になります。
しかし24時間の単位、もしくは食べた物の消化にかかった時間全体で比べると、食物の体熱産生に違いはなく、それによって燃焼されたカロリー量もA・B・Cともに同じになります。食事回数を変えることで身体が燃焼するカロリーを増やしたり減らしたりすることはできないのです。

食事回数については、以前にもサイト内で取り上げています。

食事回数と体熱産生の関係については、1997年にそれまでで最も広範にわたる研究が発表されました。食事回数を1回〜17回まで分け、体熱産生の違いを比べた数多くの実験結果を検証し「全身熱量測定と二重標識水(DLW法)を用いて24時間のエネルギー消費を算定する実験では、少しずつ食べるのと、多くを一度に食べる間で違いは見られなかった」と結論づけています。
それ以来、これを覆すような研究は発表されていません。上記の研究については、ライル・マクドナルド氏のレビューが参考になるでしょう。
最近になってこのテーマの新しい研究が発表されました。 結果はやはり食事を3回に分けたときと6回に分けたとき、代謝にまったく違いは見られないというものでした。この研究はメディアにも注目され、この食事回数に関する迷信がニューヨークタイムズで否定されるのを見るのは壮観でした。

迷信の起源

この食事回数というテーマについては研究によってハッキリと結論が出ているにも関わらず、なぜ管理栄養士のような人たちが「食事回数を増やすことで代謝を上げる」という迷信を語り続けているのか不思議になります。これは想像することしかできませんが、体熱産生というものをどこか誤解しているのかもしれません。たしかに厳密に言うと「食事を摂るとそれに伴って代謝も変化する」というのは間違いではありません。ただし、食事の体熱産生効果はその食事から摂るカロリー量に比例するという原則を見落としていたのでしょう。
他に考えられることと言えば「食事回数と体重に逆の相関関係がある」とした疫学の研究などを参考にしているのかも知れません。何千人かの被験者を対象に食事パターンを調査し、食事回数の多い人は食事回数の少ない人よりも体重が軽い傾向を発見したというようなものです。ただし、これらの研究はカロリー管理ができていないこと、調査は普段カロリー計算などせずに気分の向くままに食事をしているような人たちを対象に行われている点に注意しなければいけません。
相関関係は原因を特定しない」という言い回しがあります。これは他の多くの迷信にも言えることです。食事回数が少ないことと体重が重たいことに相関関係があったとしても、食事回数が少ないことが体重増加の原因になるという理由にはなりません。こういった研究から言えることは次のような傾向くらいでしょう。
朝食の代わりに通勤の車の中でドーナツを食べるような人たちは、日中あまり食べず夜になって大量に食べ、食事回数の多い人に比べて健康や食生活に関して関心が薄いということがあるでしょう。
また食事を抜くというのは、よく体重を減らすための方法として使われます。肥満気味の人は一般的な体形の人よりも減量のため食事回数を減らしているということも考えられるでしょう。
つまり、一般人に見られる食事回数が少ないことと体重が重いことの相関関係は、代謝によるものではなく、行動パターンによるものだと言えるでしょう。

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Martin Berkhan

マーティン・バークハンはリーンゲインズというダイエット法の開発者です。脂肪燃焼や筋肉増強、トレーニングに関する科学的研究結果を何年にもわたって読み重ね、彼自身で試し、さらに過去数年間で得られた何百ものクライアントとの実際の経験を基に、いまは確立された非常に効果的な物になっています。
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